猫とバイクを愛する男のツーリング、登山、
車での観光記録と愛猫の紹介。

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その1
(出発、襟裳、帯広)

8月9日
 仕事を早めに切り上げ、家でゆったりと夕食を取る。ちょっと休憩した後、いよいよ出発。忘れ物はあるだろうが、たぶん何とかなる。さあ、れっつらごーだ。

 高速は交通量こそ多いものの、渋滞はしていない。いいのだ、今日はとても余裕がある。余裕があるって素晴しい。養老SAで休憩をした後、80km/hで北陸道を順調に進み、22時30分に敦賀港フェリー乗り場に着く。予定通り、いたって順調だったな。

 乗船手続きを済ませ、ガイドを見て北海道の計画を立てようとするが、あまり気が入らず、うつらうつら。まーよいか、明日は一日船の上だで、そんとき決めりゃええか。乗船時間まで2時間あまりぼのぼのと過ごし、いざ乗船開始。深夜発のため、船に乗ったらすぐに就寝。
いやはや、お休みのすけ。

8月10日
 航海は至って順調で、風呂に入ったり、ゴロゴロしたり、ガイドを見たりして一日終了。空はとても快晴だったが、北海道上陸に近づくにつれ、雲が広がっていた。うーん、やっぱこんなもんでしょ。

 船は定刻より20分ほど遅れて港に着いた。皆我先と外に出ようとする。そんなに待ち遠しかったのだろうか。皆若いねぇ。30を過ぎたばかりのジジイ伸二郎は先を急ぐ人種を冷ややかに見ながらのんびりと準備をして、いつも通りの人生遅れ人出発。

 船を下りるとやたらとガスっている。小雨も降っているらしく、シールドがすぐ濡れて見づらい。おまけに真っ暗でビビリ伸二郎はかなり怖がりながらも今日の宿「夢民村YH」へと向かう。いつものごとくYHは分かり辛い場所にあり、たどり着くまでにかなり苦労したよ。毎度の事とは言え、ちょっとは改善してもらいたいな〜。

 風呂に入って同泊の人の話の輪に目もくれず、就寝。お休みのすけ。
22時、フェリー乗り場に無事着。夜のフェリー乗り場はちょっと静か。 航海は穏やかそのもの。晴天のまま北海道上陸かなと思っていたんだけどな。
港に着き、皆一斉に出発。この瞬間がいつもドキドキする。いよいよ大陸なのだ。 船から下りるとガスがかかっていた。視界不良、だけど雨が降ってないだけマシだな。

8月11日
 翌朝起きるとどうやら曇り空。幸い雨は降っていないようだ。外に出てみると辺りがサラブレッド牧場であることが分かった。昨夜は暗闇の中、走ってきたからちっとも気づかなかったな。

 YHのおばちゃんの特徴ある朝食を食べ、周りの人の会話に少し混じる。どうやらサラブレッド牧場のど真ん中という立地条件ゆえ、馬好きが多いみたいだ。次々にマニアックな名前が出てきて、昨晩話に入らなかったことをとてもうれしく思った。
初日に泊まった豊郷夢民村YH。サラブレッド牧場のど真ん中にあり、馬好きにはたまらない宿だ。 YHのすぐ隣にある牧場では朝霧の中、馬が静かにたたずんでいた。G1馬もいるらしい。

 今日は襟裳岬を回って釧路か帯広に行く予定。R235をずんずん南下していく。サラブレッド銀座なる牧場密集地帯は特段何も無く、どこにも立ち寄らず、すいすい進む。

 途中、どこにも寄らないのがあまりにももったいなく(貧乏性)、道の駅「みついし」付近で牧場に行ってみる。馬を発見したので呼んで見ると、一頭、また一頭と近寄ってきてくれる。いやー、人間には大不人気な伸二郎もここではハンカチオオヂを凌ぐ人気(なわけ無い)でちょっと満足げ。近寄ってきてくれたファン(なわけ無い)に別れを告げ、再び南下。

 岬に近寄るにつれ、4年前は風、霧ともに激しくなったが、今日はそんな気配がさらさら無い。こりゃいけるぜ、と思っていたらやっぱりいけたよ。霧の無い襟裳岬。
道の駅みついし近くの牧場に行くと、馬が近寄ってきてくれた。馬は結構ひとなつっこいんだな。 襟裳岬に近づくと木々の生えない開放的な景色となる。前はこの辺で風がきつくなったが、この日は穏やか。

 いやー、懐かしいと一人感慨にふけりながら、岬の景色を楽しみ、風の館に入る。ここは強風が多い襟裳岬にちなんだところで、中でも風速25m体験はちびっ子と一部の大人(伸二郎含む)に大人気だ。伸二郎もベリーナイスな髪型になりながら25mを楽しむ。オヤヂ童心に返る。

 襟裳岬は海に断崖となって落ち込んでいるが、その先に岩礁帯となってさらに続いている。うわさによるとこの岩礁帯にアザラシがいるらしいが、岬先端に行ってもちっとも見えない。今日もいないぜベイベーと思っていたら、望遠鏡をのぞく若者4人を発見。不審に思って(お前が不審じゃ)訊いてみるとなんとアザラシが見えると言う。

 ぬぁにぃと驚いていると、親切にも見せてくれるとのこと。覗いてみると、ホントにいるわアザラシが。しかもいっぱい。肉眼では見えなかったが、ずいぶん沢山いるもんだな。なんだかとても幸せな気分で襟裳岬を後にできた。ありがとうアザラシ会の4人。アザラシを見る望遠鏡は風の館にもあるので見たい人はぜひ。
襟裳岬には風の館なるものがある。風が強い襟裳岬にちなんだものだ。 4年前と同じ風速25m体験を行う。いかしてるぜ、俺の髪型が。ナハナハ。
襟裳岬は急峻に海に落ち込んでおり、岩礁帯が沖に続く。この岩礁帯にアザラシがいるらしいが肉眼では見えない。 望遠鏡でなにかを観察している人がいたので見せてもらうと、いるいる、アザラシがいっぱいいる。結構黒いんだな。

 襟裳岬から帯広と釧路のどっちに向かうかちょっと迷ったが、事前に調べておいたジンギスカンの店が帯広にあったので、そちらに向かうことにする。百人浜を突き抜ける道路は開放的でとても気持ちよい。カーブも比較的見通しがよく、気持ちよく飛ばせる。

 R336とぶつかり、北上する。このR336の海岸線を走る区間は黄金道路と呼ばれ、切り立った断崖が続く風光明媚な道路・・・のハズだったが、久しぶりに走ってみると、やたらとトンネルが増えて、景色がほとんど見えない。トンネルが終わったと思ったらまたトンネル、トンネル。かなりお金をかけて改良工事が進んでおり、その意味ではいまだに「黄金」道路だけど、景色の輝きは黄金でなくなったな。
襟裳岬東側の百人浜を走る道路は実に爽快。気持ちの良い直線と開放的な景色が続く。 黄金道路は改良工事が進み、トンネルがえらい増えていた。海岸線の迫力よりもトンネル道路の印象強くなった。
トンネルの切れた区間は依然、迫力あるが、結構少ない。景色の楽しみは安全と引き換えに減っちゃったな。 帯広は北海道らしい景色が多い。白樺並木のおしゃれな直線があるとちょっとうれしくなる。

 がっかりな黄金道路を良いペースで走り、帯広にあるジンギスカンの店「白樺」を目指す。中札内村で道道55に曲がり、しばらく進むと、住宅街の一角に白樺はあった。既に昼時をだいぶ過ぎている為、混んでるとまではいかないが、なかなかの人の入りだ。

 広い座敷のある店内に座りメニューを見ていると、店員さんに「家はジンギスカンしかありません」と話しかけられ、「じゃあ、それを2人分とご飯1つ」と注文。実に分かりやすいメニューだ。

 出てきたジンギスカンはタレに漬かったタイプ。特徴的な鉄鍋で焼くと香ばしい香り。食べてみると臭みも少なく、美味しい。すごい美味しいということは無いが、お値打ち(1人前420円)な値段で程よく美味しいジンギスカンがゆったり食べられるのは良いと思った。
お昼というにはずいぶん遅い13時30に着いたジンギスカンの店「白樺」。いつもにぎわう人気店だ。 「白樺」のメニューは単純明快。ジンギスカンとドリンクと漬物のみ。そのジンギスカンはタレが浸みてて美味しい。

 腹も満たしたところで今日の宿を決める。いまから釧路に行くにはちとがんばらなければならぬ。がんばることが嫌いな伸二郎はうだうだ考えた挙句、今日の宿を上士幌航空公園に決めた。帯広をゆっくり観光する為だ。

 でもって訪れたのは幸福に恵まれない人が集る(ウソ)幸福駅。前に来たときよりも天気が良かったせいか、今年は幸福が多く降り注いでいるように感じられた。また、ちょっとした公園みたいに整備されており、明るい雰囲気が良い感じだ。列車の展示もあり、中にも入れる。トイレも綺麗で幸せ気分。
幸福駅は周りが整備されてちょっとおしゃれになった。今も昔も幸福にあやかりたい人でにぎわう。 幸福駅に展示してある列車には乗り込むことができる。これに乗ればあなたも幸せに恵まれるかも。。。

 幸福駅で幸せをゲットした(気分になっただけ)伸二郎は良い気分で帯広の農道を走る。帯広に行ったら、ぜひ国道を外れて農道を走って欲しい。そこにはいかにも北海道らしい広い畑と、しずかな空間がある。観光客が少ない為、とてものんびりと景色を楽しむことができる。個人的には富良野や美瑛よりもずっと北海道らしくて良い景色だと思う。

 これだけ広いと農作機械もかなりでかい。麦などの収穫用機械は1.5車線分の幅があり、かなりの迫力。そりゃ北海道の道路は幅が広いわけだ。

 本日の宿泊地である上士幌航空公園に着いたのは日が傾いた18時。相変わらずにぎわうキャンプ場には特設テントが設置されており、そこで料金を払う仕組みになっていた。きちんと料金を払えてなんだか幸せ。このお金で綺麗なキャンプ場がずっと維持されていくことを願う。
帯広は北海道らしい広い畑が多い。個人的には富良野や美瑛よりも北海道らしい、良い景色だと思う。
畑で見つけた収穫用のでかい農作機械。ザリガニのような形がちょっと愛らしい。 この日は上士幌にある航空公園のキャンプ場泊。今年はきちんと有料(500円)だった。相変わらず人気だ。

 テントをこしらえた後、夕食を食べに帯広市内へと向かう。向かったのは豚丼の老舗で特徴的な味付けが有名な「新橋」。予想に反して空いている店内に入ると「いらっしゃい、豚丼を食べに来たのかい、しっかり選んでくれよ・・・」というちょっと変わった親父のトークがこだましていた。

 メニューを見て、肉盛り(ご飯普通サイズ、肉大盛)にしようとするが、ふと見ると、特盛りの隣に「スペシャル」なるものがあるではないか。「最近大盛でも苦しいのにさらに大きいスペシャルが食えるわけ無い」と弱気になるが、口から出た言葉は「スペシャル!」。

 「またやってしまったぜ。アホかっこいいぜ伸二郎」などと感慨にふけっていると、店のねーちゃんがどんぶりにモリモリと盛られたご飯を見せ、「これくらいでいいですか?」とのたまう。「うぉ、多すぎるぜねーちゃん」とまたもや弱気な発言をしそうになるが、こらえて「良いですよ。」と返す。

 さらに「タレをいっぱいかけるか」との問いには「少なめで良い」と答えるが、親父は回答を無視するかのようにタレをかけまくってスペシャルを出してくれた。何の為に聞いたんじゃこら。

 目の前に置かれた肉のアートを見て、早くもギブアップ宣言をしたくなるが、気合を入れて箸をつかむ。「全部食いきってやるぜ」と食べ始める。味は強烈に香ばしく、ジューシー(脂っぽい)!肉は柔らかく、それなりにイケるが、何しろこの脂っぽさでどんぶり激盛り。

 次第にくどくなり、2/3を食べたところであっさりギブアップ。いや、これ以上を食べたら上から豚丼がカムバックしてきそうだったから。やっぱ、美味しく食べるには普通サイズが良いかな。。。
夕食は帯広市にある「新橋」で豚丼(スペシャル)を食べた。茶碗にみえるが実はどんぶり。なかなかの激盛。 新橋の豚丼はとても黒いが、お茶も負けじと黒かった。こだわりがあるのか。

 豚丼により気分が悪くなった(そんなに食うなよ)伸二郎は翌朝の食料を買い込み、キャンプ場に戻ると、さっさと寝る。今日はかねてからその力を発揮してきた耳栓スーパーに加え、アイマスクチャンピオン(100均のアイマスク)の威力が試されるとき。

 早速装着すると、すごいぜ、周りのヒカリをものともせず、目の前には完全なる安眠空間が広がってるぜ。これは想像以上だ、などと当たり前のことに感動しきりな伸二郎はあっさりと眠りに落ちた。
 いや、ホント良いですよアイマスク&耳栓のタッグ。静かに寝たい人にはスーパーお勧めアイテム。





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ツーリングデータ
新日本海フェリー 特徴 敦賀と苫小牧東港を20時間で結ぶフェリー。夜の遅い時間帯の出発、短時間で北海道に着くなど使い勝手が良い。
連絡先 052-566-1661(名古屋予約センター)
リンク http://www.snf.co.jp/index2.html
襟裳岬 特徴 霧と強風で有名な岬。岬は断崖となっており、その先には岩礁帯が続く。岩礁帯にはアザラシがおり、望遠鏡などで見ることができる。強風体験が面白い風の館有り。
場所 01466-2-4626   幌泉郡えりも町字東洋366-3→
リンク http://www9.ocn.ne.jp/~kaze/
ジンギスカン白樺 特徴 帯広市にあるジンギスカン専門店。メニューはジンギスカンとドリンクのみ。タレに漬け込まれたジンギスカンは一人前420円と安く、美味しい。店内は広く、ゆったり食べれる
場所
連絡先
0155-60-2058  帯広市清川町西2線126  詳しい場所→
営業時間 11:00〜15:00 (材料無くなり次第終了)  定休日:月曜日
リンク http://www.tokachifan.com/mall/0002/sirakaba/
幸福駅 特徴 帯広市に観光スポット。今は廃線となった旧国鉄広尾線の「幸福駅」はそのネーミングから幸せになれる気がする人が集る。愛国から幸福駅の切符が人気。
場所
連絡先
0155-65-4169  帯広市幸福町東1線  詳しい場所→
リンク http://www.city.obihiro.hokkaido.jp/hp/data/page000003500/hpg000003437.htm
味処新橋 特徴 帯広市にある豚丼の店。ぱんちょうと並ぶ帯広市でもっとも有名な豚丼の店。味はきわめてジューシーで香ばしい(焦げてる?)。普通サイズがお勧め。
場所
連絡先
0155-23-4779  帯広市西2条南4東仲通  詳しい場所→
営業時間 11:00〜22:00  定休日:不定休
リンク http://www.0155.jp/butadon/shop9.htm

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