猫とバイクを愛する男のツーリング、登山、
車での観光記録と愛猫の紹介。

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その1
(星空の多和平より霧多布へ)

8月13日
 「うごうご、うーん、うぉっ!寝てまったー」。2時30分、昨晩星空を見ることも無くうかつにも寝てしまった伸二郎はテントの中で一人つぶやく。北海道で星空を撮ろうと、決めていた。多和平は絶好の星空撮影ポイントだと気合を入れていたが、ついつい寝てしまったのだ。

 といってもまだ2時30分。星空撮影には間に合うだろうと、ミニ三脚を取り出し、撮影準備開始。テントを出ると、まだ空には満点の星。少し霞がかかっているようだが、まー良いだろう。

 ぼのぼのと準備をしてさー撮影。事前にすこし勉強しておいた方法で撮影するが、暗いのでピント合わせに苦労する。普段マニュアルフォーカスなどやらないので難しい。何枚か失敗している内にふと写真の変化に気づく。なんと地平線が少し明るくなってきたのだ。まだ3時だと言うのに、緯度が高いせいか、東にあるせいか。とにかく想定外だ。

 なんとか自分にとっての許容範囲にピントを収めて撮影完了。地平線が少し明るいのが残念だが、まー良いだろう。地平線はそのあと、だんだんと赤く染まっていく。次は朝日の撮影かな。展望台に上がり、朝日が昇ってくるのを待つ。東の空が赤く染まり、さらに空全体が青色と薄ピンクに染まっていく。夜明け前の牧場は薄ピンクでとても綺麗だ。

 やがて東の空を赤から黄色に染めたあと、明るい朝日が昇った。今日も一日晴天だろう。
東の空を真っ赤に染め上げ、太陽が上がってきた。闇から明かるくなるのはなんだか元気が出てくる。
深夜3時の夜(明け方?)の空。降り注ぐ星が美しかった。もうオリオン座が見えるんだな。 ピンク色の空と多和平キャンプ場。夜明け前の素敵なひととき。

 日が昇ると、もう牛は活動開始。牛は健康生活だな。朝飯を食べ、のんびり準備をして、出発。最初の目的地は釧路湿原だ。緑の牧草地を貫く道路を走りぬけ、多和平を後に。本当に良いとこだったな。

 R391、R274、道道53を通り、釧路湿原を目指す。道路沿いの景色に湿原が見えてきたと思ったら、釧路湿原展望台が現れた。ズゴックのようなへんてこりんな様相の展望台は有料400円。しかも開館9時。まだ8時40分なので、20分ほど待ちぼうけをくらう。

 時間きっかりに開館し、料金を払ってさっそく屋上の展望室へ。さぞかし良い景色が待っていると思いきや、見えるのは手前の森ばかりで、肝心の湿原はほとんど見えず。これにはちょっとがっかりだ。お金を払ってまで見るところでも無いな。個人的には全然お勧めできないスポットです。
日が昇ると牛が活動開始。地元愛知では考えられないような広さの牧場でのんびり。 緑の牧草地を貫く道路を走り、多和平に別れを告げる。ホント、良いところだった。
釧路平原を見渡せる釧路湿原展望台。400円の有料施設で9時開館。ズゴックみたいな風貌が面白い。 釧路湿原展望台からの景色。はっきり言って良いとは思わない。手前の森が邪魔して湿原はあまり目立たず。

 上からの湿原は楽しめなかったが、湿原の中を走るのは楽しめるだろうと湿原を貫く道路を通る。感想は「うーん、真っ直ぐ」。道路わきには植樹がしてあり、道路に沿って送電線も走っている。あまり湿原の印象強くなく、道路の真っ直ぐな印象しかない。釧路湿原はあまり自分にはあってないのかもなー。

 釧路湿原の次は霧多布だ。R44を通り、まずは厚岸を目指す。R44は釧路ー根室を結ぶ基幹国道の為、交通量はなかなか多い。最初のうちは少しペースが上がらなかった。山の中を走っているような感じだったが、厚岸に近づくと湿原や海の景色が見え、なかなか綺麗だ。特に穏やかな厚岸湾の景色は良い。
釧路湿原を貫く道路。湿原の中を真っ直ぐな直線が続く。釧路市街をパスするのには良い。 R44から厚岸湾を望む。内湾のため、海はとても穏やか。カキの養殖が盛んなわけだ。

 厚岸からは道道123で霧多布方面へ。道道123は山間のワインディングと海沿いの開放的な景色が気持ち良い道路。走りも景色も良く、お勧め。

 やがて霧多布湿原が見えてきたなと思ったら琵琶瀬展望台がある。琵琶瀬展望台からは霧多布湿原の眺めが素晴しい。蛇行した琵琶瀬川が流れるいかにも湿原といった展望台からの景色は個人的に湿原景色No1だと思う。お勧め。
厚岸から霧多布へ向かう道道123は森の中や海岸線を通る快適な道路。ワインディングも楽しい。 道道123より荒々しい海岸線を望む。外海に面している海岸線はダイナミックだ。
琵琶瀬展望台より霧多布湿原を望む。蛇行した琵琶瀬川と何も無い湿原が美しい。個人的には湿原景色No1と思う。

 琵琶瀬展望台は海に近い場所に位置しており、湿原の反対側を望むと、どこまでも広がる太平洋が見える。また、展望台近くには道産子もおり、その迫力ある姿を間近で見ることができる。道産子は大柄だが、とてもおとなしく、かわいい。

 展望台には喫茶店があり、4年前にもここで昼飯を食べた。今回も4年前と同じ、店「ゆーとぴあ」で帆立フライ丼を食べた。玉子とじした大きな帆立フライがのった帆立フライ丼は美味しく、ちょっと懐かしい味がした。4年前ほど美味しくは感じなかったが、なかなか美味しく、個人的にはお勧め。

 釧路湿原同様に霧多布湿原にも湿原を貫く道路がある。道道808は霧多布湿原を貫く道路で、ガードレールも何も無く、とても開放的で良い。
琵琶瀬展望台は海に面しており、海側はどこまでも広がる太平洋。 なぜか馬の姿もあった。がっちりした道産子でとても大柄。でも気は優しく、おとなしい。
4年前と同じ帆立フライ丼を食べた。相変わらず美味しい。卵とじはどんぶり界のアイドルだ。 霧多布湿原を貫く道道808。なーんにもない湿原と真っ直ぐな道がなんとも良い。

 きりたっぷ岬は快晴。相性が良いのだろうか。駐車場から15分ほど歩き、先端まで行くと、海鳥がせわしそうに飛び回っていた。岬周辺は本州で言う高山植物が多く咲き、それらを見るのも少し楽しい。

 岬を後に帰る途中、ふと道路わきに眼をやると、道産子が湿原のなかでたたずんでいた。辺りには何も無く、2頭だけでたたずむ姿はどこか郷愁の湧く風景だった。

 きりたっぷ岬の近くにはアゼチ岬なるものがあるが、マイナーな為、あまり訪れる人もいない。訪れてみた感想はボチボチな風景だなーっといったところ。きりたっぷ岬を見たら、あえてこちらを訪れる必要は無いかな。
快晴のきりたっぷ岬。やっぱ晴れると綺麗だな。この辺りは本州で言う高山植物がとても綺麗。
きりたっぷ岬近くの牧場でたたずんでいた道産子。2頭仲良くたたずむ。なんだか郷愁が沸く。 きりたっぷ岬のちかくにあるアゼチ岬。こちらはマイナーでほとんど人の姿なし。ま、ふつーの岬です。

 霧多布には海岸を走れる「なぎさのドライブウェー」なるものがあるらしいが、特に入り口を示す標識みたいなものも無く、ホントに走れるかちょっと不安だった。とりあえず、海岸に辿りついたが、砂に埋まったら脱出は厳しい。バイクを止め、歩いて感触を確かめると、どうやらいけそうだ。

 おそるおそるバイクで波打ち際に近寄ると「おおっ、走れる、走れる。おもしれー」。締まった砂は滑ることも無く60kmくらい出してもへっちゃら。辺りには自分以外に誰もいなくて、自由気ままに走れ、水しぶきを上げながら海水の部分を走ることも蛇行するのも気兼ねなくできる。

 砂浜を走る気持ちよさと、開放的な景色、誰もいない自由な時間。すべてが楽しく、気持ちよかった。結局この旅で一番の楽しい思い出となった。ハイスピードだけが北海道の楽しみではない。スローな時間を楽しむことのほうが良い思い出になるかもしれない。霧多布のなぎさドライブウェー、個人的には超お勧めです。
霧多布にあるなぎさのドライブウェー。砂が引き締まっており、波打ち際をバイクで走れる。今回の旅で一番面白かった。





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ツーリングデータ
琵琶瀬展望台 特徴 霧多布湿原を見渡せる小高い丘にある展望台。私が見た中ではもっとも展望の良い湿原展望台だ。展望だPAにはレストランやお土産屋もある。
場所
連絡先
0153-62-2111  厚岸郡浜中町琵琶瀬  詳しい場所→
リンク http://www.town-hamanaka.jp/kanko/index.html
霧多布岬 特徴 その名の通りきりが多いことで有名な岬。晴れれば紺碧の太平洋が美しい。
場所
連絡先
0153-62-2111  厚岸郡浜中町湯沸  詳しい場所→
リンク http://www.town-hamanaka.jp/kanko/index.html
なぎさドライブウェイ 特徴 霧多布岬近くにある浜辺のドライブウェイ。硬く締まった砂浜をバイクで走ることができる。ほとんど走っている車・バイクはおらずとても気持ちが良い。
場所
連絡先
0153-62-2111  厚岸郡浜中町暮帰別東  詳しい場所→
リンク http://www.town-hamanaka.jp/kanko/index.html

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