猫とバイクを愛する男のツーリング、登山、
車での観光記録と愛猫の紹介。

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大台ケ原

 朝6時30分、むっくりと目覚める。昨夜は結局”喜蔵院”に泊まったのはヘタレだけ。そのおかげですごいリラックスして一夜を過ごせた。さすがにわかりずらい場所に立地してるだけある。

この”喜蔵院”は名前の通りお寺を改良してユースにしたもので入り口はなかなか風格がある。飼っている大きなワンコには今年の暑さがこたえるみたいでかなりへばってた。そんなワンコとは対照的に夏男のヘタレは今日もとても元気。ワンコに別れを告げ、勢い良く”喜蔵院”を後にした。
吉野にあるユース”喜蔵院”。お寺です。 暑くてたまらんち会長だワン

 今日の天気は曇り。昨日の天気予報では午後から天気が悪くなるとのことだったので少し心配だ。R169は紀伊半島の道の例に違わず空いていた。アクセスの悪さの影響かな。なにはともあれ、空いてる道は気分がいいねー。そう言えば空もいつのまにか晴れてきた。天気予報は相変わらず適当だね。

 新伯母峯トンネル手前で県道40号”大台ケ原ドライブウェイ”に入る。ドライブウェイといってもそんな立派なもんでもなく、ごく普通の山道である。最初はかなり狭く、車1台がやっと通れる道幅ですれ違いすら難しい。うっそうとした森の中を走る感じで視界もない。

そんな細くクネクネした道をしばらく行くとトンネルを過ぎたあたりで急に視界が開けてくる。ここから道は明るい尾根上を走る1.5〜2車線のワインディングとなる。道の脇には紀伊山地の見事な山並みが広がっていた。

やっぱり紀州は山だと改めて実感させられる。紀伊半島の旅において、内陸は道のアクセスがあまり良くなく敬遠されがちかもしれないが、紀州の一番魅力にあふれたとこなのでぜひルートに取り入れてほしい。
大台ケ原ドライブウェイより大峯山方面を望む。紀伊半島の山は緑が濃い。

 そんな魅力にあふれた道を進むとやがて頂上駐車場に着く。今日はここから大台ケ原登山に出かける。雲がかかっていたので単車に雨対策をしていざ出発。

熊笹と苔むした杉の木の間を30分ほど進むと大台ケ原最高峰”日出ヶ岳”に着いた。頂上はかすみがかかって景色があまり見えなかったが、うっすらと熊野灘が見えた。

また、頂上付近には野生の鹿が群れをなしており、かわいらしい森の住人の歓迎に心が和んだ。実はこの鹿が森の木を枯らしてしまうことが大台ケ原では大きな問題となっている。鹿には悪意はない。双方に有益な方法で問題をうまく解決してほしいものだ。

 その後、立ち枯れの景色が美しい正木ヶ原を過ぎ、目もくらむ絶壁の大蛇ー(だいじゃくら)へ。ここは穏やかな紀伊山脈の印象とは正反対の断崖絶壁が連なっている場所で、鎖の向こうは足がすくんでしまうくらいの崖となっている。鎖までの岩場は足場が狭い上、強風が吹き荒れていた。

鎖のほうへ歩いていこうとするとすでに5、60代と見られる登山者3人がいた。ヘタレが来たときはちょうど記念撮影が終わったところで、絶体絶命の状態から早く逃れようと一目散にこちらに迫ってきた。そんなおっちゃんに無常にも記念撮影を頼むと、奈落のそこへ突き落とされたような顔をしていたが快く(?)撮影を受けてくれた。おっちゃん、ありがとね。
(上)大台ケ原には野生の鹿が生息している。かわいらしいが、いろいろと問題があるみたい。複雑だね。
(右)断崖絶壁の大蛇ー。スリルと強風で涼しげ。
立ち枯れの木々が特徴の正木嶺。開放的で気持ち良い。

 大台ケ原を後にR169、R309と通り熊野市。R169は深い谷を走る快走路でワインディングが楽しい。R309は川の横を通る落ち着いた道。どちらも空いていて走りやすい。

熊野市でR42とぶつかり、そのまま尾鷲方面へ。少し行ったところにある道の駅熊野で名物”さんま寿司”と塩ラーメン(これは名物でない)を食べる。さんま寿司はサバの押し寿司と同じように酢締めしたさんまの押し寿司だ。味はサバの押し寿司に良く似ているのでサバのが好きな人は美味しく感じるだろう。個人的には塩ラーメンのほうが美味しく感じた。

さんま寿司。押し寿司です。 塩ラーメン。あっさりで美味しい。

 その後、R42を通り、家への帰路に着く。R42を勢和多気まで走り、そこから伊勢道ー東名阪ー伊勢湾岸道と通り、豊明ICで下りて、実家のある東郷町へ。

今回、初めてトリトン(名古屋港にかかる3つの橋。トリコロール色であることからその名がついた)を全部渡ったが、道幅も広く、車も少ないために非常に走りやすかった。料金が高い云々で色々言われているトリトンだが、たまに走るぶんには料金も気にならないし、四日市ー豊明区間では時間も大幅に短縮できて良いと思う。景色もまーまーだし、個人的にはおすすめです。

 この日は実家で母ちゃんの料理を食べ、この上なくかわいい猫とふれあい、旅の疲れを癒した。紀伊半島は近くて遠い存在だったが、今回の旅でちょっと身近になった感じがした。清らかな清流、緑濃い山など、訪れてみたい場所はまだまだあるからあせらず訪れてみよう。いつまでも同じ景色で待っててくれるだろうから。

ツーリングデータ
大台ケ原 場所 奈良県吉野郡上北山村
特徴 標高1600mに広がる高原台地。年間降水量4500mmの多雨地帯。苔むした登山道を40分ほどで大台ケ原最高峰「日出ヶ岳」に着く。野生の鹿に出会うことも多い。
リンク http://www.vill.kamikitayama.nara.jp/kankou_2.html
道の駅
熊野きのくに
場所 三重県熊野市飛鳥町
特徴 R42にある道の駅。地元特産品の販売店、食堂などがある。
リンク http://www.kinokuni.or.jp:8000/
さんま寿司 特徴 酢絞めしたさんまの押し寿司で南紀の郷土料理。道の駅きのくにのインターネット店で販売もしている。
リンク インターネット販売:http://www.rakuten.co.jp/kinokuni/705887/






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