猫とバイクを愛する男のツーリング、登山、
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その2



皇海山から往路を戻って峠へと向かう最中、ずっと鋸山のことを考えていた。鋸山に登りたくてたまらなかった。皇海山の展望があまりにもさみしくて消化不良だからではない。純粋にあの天を突く頂に惹かれたのだ。
何度見ても頂上直下の雪壁はおっかなかった。なんで今日に限ってピッケルを持ってこなかったか後悔したが始まらない。

何とか登れんもんかと写真を撮っては拡大し、ルートを探る。すると、何となく雪壁の端の樹林帯を伝えば行けそうな気がした。確信はないが、可能性はある。行ってもし無理そうだったら引き返せばいい。まずは行ってみよう。
トレースは古いものしかなかった。どうやら今日ここから鋸山に登った登山者はいないようだ。またしてもビビる自分を落ち着かせ、古いトレースが残る雪道を進んでいった。
すると、途中で前から登山者が来るのに気付いた。どうやら栃木側から来たようだ。見ればピッケルもないし、前爪のあるアイゼンも無いようだ。

挨拶を交わし、どこを通ってきたかと聞くと鋸山を通ってきたという。状態を聞けば、特にピッケルや前爪のあるアイゼン無くても行けるとのこと。おおっ、これは自身が湧いてきた。俄然行ける気がしてきたぞ。

鋸山までの道は途中少し笹が伸びてわかり辛いところもあったが、目印は適度にあって道に迷うことはなかった。
やがて登山道は痩せた尾根を行くようになり、鋸山の頂上に向けた登りが始まったことが分かった。
すると、ロープのある岩場に出た。岩場は雪も融けていたのでそれほど難しいものではなかった。ロープに頼らずとも簡単に登れた。逆にロープは頼りない細さなので頼るとかえって危険な気がするな。
そしていよいよあの頂上直下の雪壁が迫ってくる。近くで見てもなかなかの傾斜だ。トレースも見える。やっぱあそこ行くんだなー。。。
痩せた樹林帯を登って行くと右に目印が続き、それに沿って進むとあの雪壁に出た。始めは雪壁の横の樹林沿いを登って行く。木の枝に掴まりながら登って行くので恐怖感は無い。
最後の方は木々から離れ、雪の上をステップを切って登って行く。落ちないように慎重に登っていく。ふー、やっぱりピッケルが欲しい。。。
何とか登りきるとロープのかかった岩場の急登。ところどころ凍っており、慎重に進む。
最後は痩せた尾根道となり、登りきると鋸山頂上。ふー、とりあえず無事で辿りついて良かった。
鋸山は皇海山とは真逆で素晴らしい眺めが広がる。特に茶けた深い谷を隔てて見える日光の山々は見事だ。
右は男体山、左は日光白根山かな?いずれ登ってみたい日光の山々。今年の年末にでも行ってみようかな。
しばし眺めを楽しんだ後、下山開始。正面には皇海山が見事だった。やっぱ鋸山に登って良かった。
西には恐怖の尖がり林道と遠くに明日登る武尊山だろうか。皇海山はなかなか山深いところにある。
雪壁を慎重に下り、展望所より振り返る。こうして見返すとなかなかスリリングな場所だったな。無事で良かった。
分岐まで戻ると往路を淡々と下って登山口へ。着替えて鋸山よりもスリリングな(パンクがね)林道を走りきって利根町へ戻る。いやー、こちらもパンクなく無事で良かった。皇海山、本峰は展望なくいまいちだったが、鋸山からの展望を楽しめたこと、恐怖の林道を走りきったことでなんだかとても満足感でいっぱいだった。

利根町でせっかくなので吹上げの滝を見に行った。こちらも林道や鋸山に負けず劣らずのスリリングさ。ゴウゴウと流れる激流の隣を柵も無い遊歩道が続く。落ちたらたぶん助からないだろう場所にふつうの子供やお年寄り、カップルが通るんだから凄い。
遊歩道から見るとこんな感じ。とにかくすごい迫力。
滝も見事でなかなか満足。今日は山も林道も滝もすべてがスリリングで痺れたねー。


その1 | その2
皇海山 2014年5月

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