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金峰山 '06年11月
(出発〜富士宮口頂上)

 富士宮口頂上と言うが、実は富士山の頂上は別にある。ちょっと紛らわしいが、富士山の頂上は剣ヶ峰というばしょで、富士宮口頂上からは時計回りに20分ちょっとの場所だ。

 富士山も火山である。頂上には大きな火口がある。この火口を見るのを結構期待していたが、それ程かっこよくも無かった。期待しすぎていたのがいかんかったと思うが、そこまで迫力が無いのも事実かな。

 剣ヶ峰頂上近くは意外なほど穏やかで、難無く剣ヶ峰頂上到着。頂上には歴史ある碑があるのかと思いきや、新しい石碑と天候観測所があるだけだった。うーん、拍子抜け。なんかこう、「うぉー、歴史を感じるぜ!」って碑が欲しかったんだけどな。。。
お鉢。雪があって、迫力はもう一つだった。ちょっと期待しすぎてたか? 富士宮口頂上から最高峰剣ヶ峰までは20分ちょっと。日本一はもうすぐだ。
意外なほど簡素な日本一の頂。まだ新しい日本最高峰の碑と測候所が静かに佇む。湧き上がる達成感は大きい。

 まー、日本一の雰囲気には少しがっかりだったけど、頂上から見る景色はなかなか。雲海の上にあると思えぬほど平坦な火口壁の内側。さすが日本一。

 山梨側を見ると雪を抱くアルプスの姿も見えた。アルプスでは今頃「おおー、富士山が見える」なんて言ってんのかな。

 ちょっとまったりした後、お鉢めぐりをするため、北に進む。しかし、どうも道が険しすぎる。火口壁の外側は結構な傾斜で足を滑らせたらどこまでも滑っていってしまいそうで怖い。内側に下りる道も見つけ出せず、結局、頂上までもどったあと、内側へと下りた。
剣ヶ峰より歩いて来た富士宮口頂上を望む。ダイナミックで美しい景色だ。
剣ヶ峰からはアルプスの姿も見えた。アルプスから富士が見えるんだから当たり前か。 剣ヶ峰からお鉢めぐりの為、下る際はは注意が必要。特に外側は傾斜のキツイトラバースで滑落注意。写真は内側。

 岩壁の内側をトラバース気味に進み、傾斜が少し緩やかになったと思った場所で坂を下る。先を見ると、既にお鉢めぐりに進んでいった登山者が小さく見る。なかなかダイナミックな風景だ。さすが日本一ともなると、火口壁もでかい。

 いい気になって下っていったら、足を滑らせてこけた。そのまま30m程滑って止まったが、ちょっとヒヤリとした。あわてて止めようとあがくが、全然止まらなかったな。本で書いてあったが、一度滑り出すと自分の力ではなかなか止まらないもんだ。今度からちゃんと肩制動、初期制動のやり方覚えとこ。
剣ヶ峰よりお鉢めぐりで火口の縁を歩く。縁と言ってもさすがは日本一。どでかい。

 頂上からいったん下ると、お鉢めぐり内コースは平坦な道となる。滑落の心配も無く、安心して歩くことができる。途中にある坂でシリセードの練習。初シリセードはなかなか難しく、思うようにコントロールできん。こりゃ、キツイ傾斜の場所では心配だな。

 平坦な道が終わり、斜面を上りきると、再び火口壁の縁に出る。稜線みたいになり、風も再び強くなる。程なく吉田口/須走り口の頂上である久須志神社に出る。こちらからは山梨県側の眺めが良い。山梨県側は晴れているみたいで、河口湖や山中湖の眺めが良かった。

 知らなかったが、ご来光を見るには吉田口頂上が向いているらしい。確かに、夏場などは真東より北側から太陽が上がるので、吉田口頂上の正面から朝日が昇ることになる。今回は見なかったが、ご来光もいつか見てみたいもんだな。秋にでも登ろっかな〜。
久須志神社の建つ吉田口/須走り口頂上。ご来光などはこちらが良いらしい。 久須志神社近くより山中湖を望む。雲が低いから下界は天気悪そうだな。

 久須志神社から大日ヶ岳、伊豆ヶ岳にかけて今回の登山の中でもっともキツかった。なんと言っても強烈な風だ。立っているだけで体力、体温が奪われていく。早く過ぎ去ってしまおうかと思うが、空気が薄く、思うように進まない。また、強風に打ち勝って進むのは余計に体力が必要で辛かった。

 また、大日ヶ岳、伊豆ヶ岳にかけての稜線は滑落の危険もあり、慎重に進まなければならなかった。特に伊豆ヶ岳を巻くときのトラバースは緊張した。それ程傾斜はきつくなく、よっぽど大丈夫だと思うが、滑ったら止まれないだろうなと思うとなかなか緊張しちゃうな。やっぱり、雪があるとちょっとレベルアップするね。

 そんな緊張の道も成就ヶ岳まで進めば終わる。成就ヶ岳を過ぎると道は平坦となり、安心して進むことが出来る。
大日ヶ岳、伊豆ヶ岳、成就ヶ岳の辺りは風が強く、滑落の危険もあるので注意が必要。この辺りがキツかった。 成就ヶ岳を過ぎると道は平坦となり一安心。意外に富士は手強かった。

 さて、富士宮口に戻ってきたら、いよいよシリセードのお時間、と思いきや、頂上直下は傾斜がかなりキツク、斜面が狭いので、九合目五勺まで歩いて下ってからシリセードをすることに。

 滑らないように慎重に下っている伸二郎の横ではスキーやボードの人が気持ち良さそうに滑っていく。ちょっとうらやましいが、そのために重い道具しょって登る気にはならないかな。

 そして俺にはこれがあるのだ。「ひっぷそり〜」(ドラえもん風に)。

 やっと来たぜシリセードタイム。九合目五勺からは傾斜もちょうど良い。恐る恐る滑り出す。あまりスピードが出ないなとスピードをアップさせる。足とピッケルでブレーキをかけて進むが、ブレーキがかかりすぎなのか、ヒップソリの滑りが悪いのか、あまりスピードに乗らない。

 あれやこれやと試していくと、上半身の傾きが一番影響していると分かった。上半身を反らし気味にするとヒップソリの滑りが良く、スピードが出る。ある程度スピードが出ると足とピッケルでのスピードコントロールもしやすくなった。足は開いて内股でボーゲンチックに滑るやり方が伸二郎にとって一番しっくり来るスタイルで、スムーズに滑れるようになった。

 こりゃ面白いわ!!
雲が沸き立つのを見ながら下山。九合目五勺からは待ちに待ったシリセード祭りだ。 伸二郎流シリセードの跡。伸二郎流は内股で股を広げ、ボーゲンチックに滑る独特のもの。かなり上手い。

 下りはずっとシリセード祭りだった。シリセードにおあつらえ向きなシリセードバーンが続き、シリセードしまくり、楽しみまくりだ。滑れば滑るほどスピードコントロールの技術等が向上し、すっかりトップシリセーダーの気分。自分に酔いしれた。

 「俺はシリセードのプロだな。なんて才能豊かなんだ」と良い気になっていたとき、伸二郎の横をぶち抜いていく人影が。良く見ると伸二郎と同じシリセーダーでしかもヒップソリを引いていない。なのに伸二郎を追い越すスーパースピードだ。

 さらに良く見ると伸二郎とスタイルが異なることが分かった。向こうは足をぴたっと閉じたパラレルスタイルなのだ。バランスが崩れそうなパラレルであのスピードでコントロールできるとは。やつはプロだな。そしてボーゲンの俺はもしや素人。。。いや、そんなことは決してありえん。。。決して。。。
ヒップソリを利用し、いい気になって滑る伸二郎をパラレルシリセーダーがぶち抜いていった。やるなあいつ。 素晴しいシリセードバーンが続く富士山はシリセーダーにとって楽園だ。

 何はともあれ、シリセード祭りは続き、初シリセードを存分に楽しんで登山道に合流する。こんなに長い距離シリセードできるのは富士山くらいだろうな。ホント富士山でシリセードできて良かったな。

 登山道を30分ほど下ると、登山口に到着した。富士宮口頂上からかかった時間は1時間30分。やっぱシリセードはかなり早かったな。もうこれからは春山=シリセードで決まりだな。

 車に戻り、シリセーダーの証ができたズボンをはき替え、新五合目を後にした。今日は本当に良い登山だった。シリセードは最高だ!
楽しかったシリセードもここで終わり。シリセード満喫したな〜。またどこかでシリセードしよっと。 シリセーダーの証、濡れお尻。ダサさ満点だが、シリセーダーには誇り高きものだ(ウソぴょん)。


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