猫とバイクを愛する男のツーリング、登山、
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その1



今週末は金曜に休みを取っており、金土日で針ノ木から種池までの稜線を歩こうとしていた。週明けに来る台風の影響で日曜は雨になりそうだったが、土曜の午前までは良さそうなのでメインのルートは楽しめそうだと思っていた。。

週末が近づくにつれて土曜は午前まで晴天から一日晴天の予報に変わってきた。ここで迷いが生じた。今年は夕景に恵まれていない。今週はその夕景が楽しめそうだ。そんじゃ、夕景に向いてるとは言えない今回のコースを止めて夕景の楽しめるテン場に行きたい。

引き出しの少ない伸二郎の中で夕景が楽しめるテン場は多くない。で、選んだのが7月に行ったもののガスに夕景を阻まれた南岳。晴れたら夕景は良いだろう。ついでに前回は西鎌も歩けなかったのが心残りだったので、西鎌を絡めたルートにすることにした。良し、今週は西鎌と夕景を楽しむぞ。

10/9
帰宅は結局早くならず、「やっぱ、初日の出発が遅くて良い針ノ木方面にしようかな」という迷いが浮かんだが、迷いを振り切り、22:00出発。今日はあんまり寝れないなと思ったが、新穂高に着いたのは25:00と意外なほど早かった。多少飛ばした部分もあるが、新穂高、意外に近かったんだな。。。


10/10
7:00に起床。ボチボチ寝れたな。登山者用Pは結構な混みよう。金曜日なのにな。みんな台風を気にして日程を早めたのかな?
準備を済ませ、いざ出発しようとすると強烈なウンコ波到来。これは一旦車に乗ってトイレまで走って戻るべきかと考えたが、観光センターまでは10分かからない位。いけると踏んで出発。

が、これが少し甘かった。ウンコ波は予想以上に強烈で駐車場を出る時から既に限界状態。身体をよじらせたり時折止まったりしながら打ち寄せる強烈な波を耐える。もう駄目かと途中で辺りの茂みを探すこともあったが、何とか道路までたどり着く。

ビジターセンターまでまだ100m以上あるが、ここまで来てやられるわけにはいかない。絶対堪えてやると気合を入れ、よじれた身体で前へ前へと進む。そしてようやく希望のビジターセンター到着。大波をこらえつつベンチにザックを置いて急いでトイレへと駆け込む。大は空いており、勝利のガッツポーズとともにウンコを済ます。うぉー、やったどー!!!
スッキリしてトイレを出て、ベンチのザックを回収する。今日一番の戦いに勝って既に今日の登山が終わったかの様な気分だったが、まだ登山は始まってもいないので、ぼちぼちと先へと進む。

空は青く、笠ヶ岳の稜線が綺麗に見える。予想よりも気温が高いので午後は曇るかもしれないが、まー良い天気だ。
道端には秋の花。コンギクは目立たないが、結構きれいで好きだ。
舗装路と未舗装の左俣林道を進んでいくとやがてワサビ平小屋に着く。小屋はまだ夏のような雰囲気でラムネやビールが冷やされていた。
少し休憩した後、再び林道を行く。GWにはデブリで埋まっていた場所には当然雪など無く、とても歩きやすかった。沢はやたらと土木工事がされており、ちょっと違和感を覚えた。うーん、もう少し景観に配慮した工事をやってほしいもんだ。そもそも、こんなに派手な工事が必要だったんだろうか?疑問だ。。。
小池新道に近づくにつれ、辺りは秋の景色になってきた。既に紅葉のピークは過ぎており、色は褪せていたが、それでもなかなかいい雰囲気だ。やっぱり秋は良いもんだ。
小池新道はほとんどが岩の道だった。ただ、その岩は階段状に整備されていたり、良く踏まれていたりして歩きやすいものだった。
秩父沢に近づくと景色が開ける場所があり、紅葉の左俣谷と槍が綺麗に見えた。今のところ槍は綺麗に晴れている。鏡平まで晴れていてくれたらうれしいな。
だいぶ疲れてようやく秩父沢にたどり着く。沢の水は豊富に流れており、冷たい水に多くの登山者が喉を潤していた。休憩には最適な場所だ。これ以降、水場が無くなるので、ここで水をしっかり補給しておくのが良いだろう。
秩父沢からシシウドヶ原までがきつかった。相変わらず景色の見えない登りが続き、次第に足取りが重くなる。イタドリヶ原を過ぎてからは傾斜も強くなり、とても疲れる。以前もここですごく疲れたのを思い出す。このコースの頑張りどころなんだろう。
バテバテになってようやくシシウドヶ原到着。シシウドヶ原には綺麗なベンチがあり、休憩に良い。設置した人はここが疲れるって分かってんだろうな。
ちょっと休憩した後、鏡平に向けて歩き出す。残念ながらガスがガッツリかかってきたので遠くの展望は見えない。この分だと鏡池も厳しいかなと思いつつ、かすかな期待を抱きながら前へと進んでいく。
が、やはり槍穂の稜線は見ることができなかった。雲はちょうど視線の高さにあり、稜線を隠していた。もっと早くこれば見えたか。うーん、残念。
鏡平で少し休憩した後、弓折岳に向けて登って行く。これまでの登りで疲れていたのでここの登りがきつかった。鏡平から弓折岳への道の真ん中あたりで見慣れた場所があった。そうだ、ここはGWにテントを張った最高のテン場だ。懐かしい。あんときは最高だったなー。
懐かしさを感じながら弓折岳に向けて登って行く。疲れから何度か休憩したがぼちぼち良い時間で登ることができた。

弓折岳分岐から稜線上に上がるとそれまで辺りを包んでいたガスが一気に晴れた。どうやら、ガスは左俣谷に溜まっているようだ。ここから先の稜線は見た渡す限りの晴れ。頑張って登ってきた甲斐があったな。
東を見ればガスの上に突き出る槍。何度見ても槍の姿は素敵だ。
稜線を歩いていてふと気づいたブロッケン。久しぶりに見たな。
開放的な稜線を歩いていくとやがて前方に本日の宿泊地である双六小屋が見えてくる。緑の山に囲まれた美しい場所だ。背後に見える鷲羽もかっこいい。テン場はまだ空が結構あるようだ。良かった。
小屋には15:30に着いた。この時期にしては空いていたが、どうやら台風の影響のようだ。テン場の料金は1000円と他に違わずここも値上げされていた。ただ、ここのテン場は広く、平坦で、さらっとした砂地でべたつかず快適、目の前には笠ヶ岳が遠く望めると値段なりの価値はあると思う。
テントを張ってしばらくぼんやり。夕刻になり、少しガスが湧いてきたので、食事を摂ったあとは横になりうつらうつらとしていた。

今日もダメかと思ったが、不意に外が明るくなったので覗いてみると空が真っ赤に染まっていた。おお、綺麗じゃないか。夕日は明日がメインと思っていたが、既にクライマックスのような景色だ。今日は良いもん見れたな。
夕日に満足してテントの入口を閉め、明日の行程を地図で確認する。夜中に空腹で起きないようにお菓子を食べて就寝。明日晴れると良いな。


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西鎌、南岳 2014年10月

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