猫とバイクを愛する男のツーリング、登山、
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その3



さて、南岳に行きますか。ガラガラの1張もないテン場を抜け、まずは大喰岳へ。
大喰岳への登りは結構急傾斜で西鎌を歩いて疲れた足にキツイ。ただ、振り返ればこの景色。頑張り甲斐がある。
歩いて来た西鎌も一望。ここから見ると険しい岩場があるなんて想像もつかないな。
7月に来たときは稜線がガスのが気になって大喰岳頂上の標識を見ないまま通過したが、今回はガスる心配も少なさそうなので頂上の標識をが探してみることに。

周辺で一番高そうなところを見るとひっそりとたたずむ標識を発見。一冬を越したら無くなってしまいそうな弱弱しいもので、槍から見る立派な山容とは対照的だった。
大喰岳からはいったん少し下り中岳へと登りかえす。すれ違う登山者もほとんどおらず、実に静かだ。美しい景色をじっくりと味わうことができて台風様様だ。
中岳の登りの最後はちょっぴり急な岩場。ただ、登山道はよく整備されており、心配はない。この2段ハシゴを登り切れば頂上はすぐそこだ。
梯子を登り切ってきた道を振り返る。どっしりとした大喰岳の向うに天を突く槍の穂先。どこを見ても岩場で標高の高い槍穂連峰らしい景色だ。
中岳頂上は誰もおらず、素晴らしい展望を独り占め。実に贅沢だ。西を見ればハイマツの明るい登山道の向うに笠ヶ岳の稜線。右奥には双六、黒部五郎。
これから行く先には岩の稜線と南岳、その向こうには壁のように立ちはだかる北穂の北壁と奥穂前穂。今日はガスも無く、素晴らしい景色がしっかりと楽しめた。やっぱ晴れはいいな。
腹を満たした後、岩が積み重なった道を下る。下り切って振り返ると一面の岩。夏にあった雪渓はほとんどなくなり、豊富に流れていた冷たい水も涸れていた。今日はここで水を補給しようと思っていたが、南岳の小屋で買わんといかんな。晩秋に登山する人は中岳の水場が涸れていることを知っておいた方が良いな。
下りきったあとは南岳に向けてゆっくりと登って行く。途中で振り返ると相変わらずの3000m峰の応援団。今日もありがとう。
じわりじわりと登って行き、南岳も近づいてきた。今日はガスにまかれることなく南岳に着けそうだな。
ふと右を見れば眼下に槍平小屋。小屋の向うには木々の無い斜面が。いつだったろうか、年末に雪崩が起きていたのはあそこだろうか。まだ木々が生えてないから今も良く雪崩が起きてるのかな。冬にあの辺でテント張る人は小屋のこっち側で張らんとな。
その後も続く緩やかな道を着々と進み、ついに南岳へ。360度の展望が広がっていた。リベンジ成功だ。嬉しい。
振り返れば歩いて来た道の向うに中岳、大喰岳、槍。良い景色。
向かう先には獅子鼻の向うに迫力ある北穂の北壁。手前のほのぼのとした登山道との組み合わせがなんともいい雰囲気だ。
テン場の申し込みをし(1000円)、水を買って(1L 200円)テントをこしらえる。その後ゆっくりと景色でも楽しもうかと思ったが、ガスが湧いてきてしまったのでしばし寝る。

今回も夕日はダメかと思っていたが、わずかな希望を抱いて南岳に向かう。すると、キレットに溜まっていたガスがだんだんと薄れてきた。今日は南岳から夕日を見ようと思っていたが、やっぱキレットが好きだと獅子鼻へ。

夕日を浴びたキレットはなかなか美しく、何枚も写真撮ったが、思ったほど綺麗な写真は撮れなかった。
ふーむ、今日はこんなもんかと引き返そうとしたら西の空がやけに良い色合いに。急いで行ってみると谷に溜まっていたガスはすっかりとれ、素晴らしい夕景が広がっていた。しまった、今日はキレットよりもこっちの方が綺麗だったか。

あたふたと良い場所を探そうとするが、既に良い場所には先客がおり、入る余地なし。三脚などセットできるはずも無く、適当に手持ちで写す。こんなにも綺麗な夕景が広がっているのに、無念だ。

まー、しかし、山で綺麗な夕日を見るのは実に久しぶりなので、見れただけでも良しとするか。
やがて夕日は沈み、辺りは徐々に夜の色合いへと変わって行った。辺りはすっかり雲が消え、槍も裏銀座の山々も静かにたたずんでいた。
さぁ、テントに帰るか。今日は良い夕日が見れたな。来た甲斐があったな。。。


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西鎌、南岳 2014年10月

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