猫とバイクを愛する男のツーリング、登山、
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その2



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4:30頃目をさまし、外の様子を伺う。雪は止んだようだ。しばらくシュラフの中でうだうだした後、エンジンをかけ、窓の氷を融かす。

おにぎりを食べてお腹を膨らませ、出発。国道はところどころ凍っておいるが、ツルツルアイスバーンではなく、問題なし。

県道84に曲がって乗鞍高原に近づくとアイスバーンも出てきて、ところどころ少し滑ったりするようになったが、特に問題なし。

八ヶ岳よりも北にあるからさらに厳しいかと思ったら、八ヶ岳の方がむしろ寒くて(美濃戸は-15℃。乗鞍は-10℃行かないくらい)道路の凍結も激しかった。改めて美濃戸の林道の手強さを実感した。やつは最強だったな。。。

さて、スキー場駐車場には6:00に着いた。まだ暗く、雪も降っていたので、やる気が無くなり、2度寝。

7:30頃、起きてのそのそと準備をしだす。ザックにボードを括り付け出発。
8:30にリフトが動き出すと、チケット売り場で回数券3枚を買ってリフトに乗る。今回はスキー場の一番上から歩き出す。一番上に行くにはリフトに3回乗らねばならないのだ。
一つ目のリフトを下りて、前方を見ると、上部にはガッツリ雲がかかっている。下の方は晴れているので時期に晴れてくるとは思うが、案外遅くなるかもなー。
リフト上部について、ツボ足でツアーコースを歩き出す。トレースはあるが、細い。足が良く埋まって歩きづらい。まだ始まったばっかりだってのに、この埋まり様。こりゃ、やばいな。ワカン持って来れば良かったな。。。
トレースを作ってくれた先行者は100mも離れておらず、すぐに追いつくかと思いきや、ツボ足伸二郎は全然追いつけず。雪が深い斜面では腰までのラッセルに見舞われ、キツイ。

先行者はワカンのようだ。ラッセルがきつそうで、助けに行きたいのはやまやまだが、せっかく作ってくれたトレースをたどっているのにツボ足伸二郎は埋まって、トレースでなぜかラッセル状態。なんてこったい。

次第に先行者との距離は離れ、休憩回数も多くなっていく。このまま今日は撃沈かと思ったとき、後ろからボーダー3人組がやってきた。「おお、彼らはきっと神に違いない。光が指してきたぞよ」。

ボーダー3人組はスノーシューを履いており、足取りも軽い。挨拶を交わすと、伸二郎のツボ足に気付き、すこし驚いた様子で「ツボ足ですか、ご苦労様です」と声をかけてきた。そりゃ、こんなところでツボ足は無いわな。
なにはともあれ、これでラッセル地獄から解放されると思いきや、3人のつくったスノーシュートレースにも埋まる!なぬー、3人も踏み固めたトレースなのに。ツボ足とスノーシューとはああも違うのか。今日は敗退決定だな。。。

天気は回復し、木々の向うにはガスが晴れて美しい稜線が見える。風は強烈なようだが、景色はよさそうだ。ああ、あの稜線に立ちたい。
が、依然としてアフォーラッセルは続き、体力はどんどん奪われる。そんな伸二郎の横をシールスキーヤーがノートレースの雪面を進んでいく。スノーシューも浮力があるが、スキーは別次元だな。

ラッセルに耐え、ついに位ヶ原まであと少しというところまで来た。よし、ここでエネルギーを補給して登りきるぞとパンを食べていると、風に冷やされ、寒くなる。寒くなるとやる気が無くなっていく。

いかんいかんとフリースを着込み、再び歩き出すが、胸までのラッセルで出鼻をくじかれる。その後もラッセル地獄から抜け出せず、体力が奪われ、休憩するたびに体温も奪われ。。。

そしてついに、登り気力が無くなり、撤退。この斜面を登れば位ヶ原ってとこなのに、無念だ。
冷たい風が吹きすさぶ中、ザックからボードを外し、滑走開始。すいすい滑れるかと思いきや、雪に遊ばれ、トレースにつまづき、2、3度転倒。雪に埋まってもがく。

やれやれ、登りもいまいちだったが、下りもいまいちだな。次に来るときはもうちょっと埋まらんように練習しとかんとな。。。
それでも、下りは早く、3時間かかったラッセル地獄を20分もかからずに滑り終える。位ヶ原からのコースタイム、30分も見ておけば良さそうだな。

そのままスキー場を滑走し、
あっという間に駐車場に戻ってきた。

振り返ると、雪煙を上げる乗鞍の頂が青空に聳えていた。あそこまで行きたかったな。。。
時刻はまだ13時。このまま帰るのもなんだし、へたっぴになったボードの練習をしていくことにした。

しっかし、振り返るたび、稜線が見えるのは撤退した伸二郎には厳しいねぇ。
黙々と滑って、日が傾きだしたころ、派手に転ぶようになった。足の疲れも限界に来たかなと思い、切り上げる。今日は山を登りに来たというより、スキー場に来た感じになってしまったな。
今回は体力も道具もなく、完敗という残念な結果。この時期の乗鞍はスノーシューかワカンが必須だったな。

このままだと悔しいので、今度はスノーシュー持ってリベンジしてやる。
ふんぬー!ふんぬー!!


その1 | その2
乗鞍岳 2013年1月

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