猫とバイクを愛する男のツーリング、登山、
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その2


越百から仙涯嶺への稜線は緩やかな傾斜で始まる。なんてことはない道だし、気分良く景色見て歩いていきたかったが、少し後に頂上に着いたオッサンの独り言がやたらとデカくて、それが気になり後ろを振り返りながら歩いていた。

平坦な道でも岩などがあって、注意しなければならない登山道、後ろ向いてちゃ歩けるはず無い。案の定、岩につまずき、バランスを崩す。

「いかん、堪えきれん」

倒れそうになる体を立て直そうとしたが、どうにもならずに宙に舞う。一瞬谷底の方を見る。「やばい。転げ落ちたらかなり重症っぽい」。宙で回転しながら何とか体を止めようと考える。

岩と地面が見えだす。回転を止める為、手足をちょいと伸ばす。岩にぶつかるレンズを残念そうに見とどけると次の瞬間、地面に叩きつけられた。幸い、少し滑っただけで、体は止まった。ふぅー、危ないとこだった。

少し足と手を打って怪我はしているが、大したことは無さそうだ。カメラも一瞬反応しなかったが、電源を入れなおすと普通に動いて大丈夫そうだ。

なんでもないところで滑落する登山者がいると良く聞くが、こんな感じなんだろうか。油断しすぎはいかんな。少なくとも後見てちゃダメだな。反省。。。
ちょっと休んだ後、再び仙涯嶺への道を行く。仙涯嶺への道はずっとなだらかな坂が続くように見えるが、実際はアップダウンが結構あって疲れる。特に仙涯嶺頂上直下の急傾斜は足元も滑りやすくて堪える。
急登をぜいぜい良いながら登りきると仙涯嶺頂上。振り返る越百への道はやっぱりなだらかに見える。離れて見てるだけではキツさはわからない時もあるんだなぁ。
北側には荒々しい百間ナギの大崩落地が見えた。相変わらず摺鉢窪避難小屋はすごいところに建ってるよなー。
仙涯嶺からはちょっとした鎖場がある。道幅の狭いトラバースもあり、雪で埋まってたら嫌だなと心配したが、幸いそこに雪は無かった。

仙涯嶺の巨大な岩には相変わらず圧倒される。巨大な花崗岩が実に中央アルプスらしい。
日向には雪は無かったが、日陰には雪がしっかりついていて滑りやすく歩きにくかった。結局アイゼンはつけなかったが、朝方など凍結していたらアイゼンをつけて歩いたほうが良さげだった。
仙涯嶺から鞍部まで下ると、南駒ケ岳へのキツイ登り。今日は南駒まで登ったらあとは下るだけと言い聞かせ、重くなる足を前に進めた。
ハイマツ帯の急登を終えると、三角点っぽいのがあるピークに出る。伸二郎は勝手にここを南峰と呼んでいるが、実際には名前は無いようだ。
南峰からは仙涯嶺や歩いてきた越百からの縦走路が美しい。
そして行く先には南駒頂上への花崗岩の道。青空に緑のハイマツと白い花崗岩が良く映える。
ちょっと道を間違えたりしたが、ほどなく南駒頂上到着。

東には伊那谷を隔てて南アルプス。白峰三山は名前のごとく、峰々に雪を抱いていた。
北には空木、木曽駒へと続く縦走路。明日も休みだったら木曽駒まで歩いていきたい気分だ。
西には木曽の名峰御嶽。裾野を大きく広げた山容はとても雄大で美しい。御嶽の左奥には加賀の名峰白山。白山も雪化粧で美しい。静かな頂上でしばし景色を見ながらまったりした。


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