靴の中も少し良くなり、いい気分で東大巓を下る。 大倉新道谷地平分岐まできて、さあ、縦走路へ。 |
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しかし、歩き始めてすぐにその先の状態が悪いことが分かった。 ぜんぜん刈り払いされてない。。。 |
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登山道は笹がはみ出てる所はまだかわいく、覆いかぶさっている所も多々あり悲惨な状態だった。まさか百名山のメインの縦走路が全然刈り払いされてないなんて。 アップダウンが気になっていたがそんなのもうどうでも良く、ただひたすら笹があるかないかだけが問題だった。 ひたすら我慢の時は続く。軽く登って降りて、また登り返して昭元山。 |
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昭元山からは先の烏帽子が見える。烏帽子の頂上付近は笹から解放されそうだ。 | ||
烏帽子から再び笹と戦いながら下って登り返すとようやく辺りの景色が変わった。いやー、ここは天国だ。 | ||
登り詰めると烏帽子岳頂上。もちろん、辺りに登山者はおらず伸二郎一人だけ。つかの間の笹との休戦。休もう。今日は予定よりも1時間早く出発したが、靴の中が濡れたことで大休止したし、登山道の状態が悪くて時間がかかったし、すっかり貯金を使い果たしてしまったな。 | ||
振り返れば歩いてきた峰々。遠目に見る分には良いんだけどね。 | ||
左を見れば昨日歩いた谷地平。谷地平の向こうはすっぱり稜線が切れている。滝でもあるのかな? | ||
つかの間の??休息の後は再び笹との戦いへ。兵子まで行けば別の登山道が合流するからきっと登山道の状態も良くなると信じてひたすら我慢の登山。 | ||
下って登り返してニセ烏帽子。 | ||
そして再び下って鞍部を過ぎればいよいよ兵子到着。よっしゃ、きっとここからは登山道が良くなるはずだ。 今迄の戦いでだいぶ疲れたのでまずは休憩だ。昨日からの疲れもあって足にきている。まだ先は結構あるからしっかり休まねば。 休んでいると人の声がした。今日初めての登山者か? 声はだんだん近づき、やけにハイテンションだ。登山道の状態が悪くてハイテンションになるしかないのか?うーん、ちょっと嫌な予感がする。。。 現れたのはトレラングループ。軽く挨拶をして、先の登山道の状態を聞くと、 「笹とハイタッチです!」 なにー!旨い事言ったが、俺は大ショックだよ! 「でも安心してください、家形山までですから!」 そうか、そりゃさすがに五色沼からは登山者多いもんね。はぁ〜、仕方ない頑張るか。 トレランご一行に東大巓までは修行の道だと伝えて分かれる。 ちょっとがっかりしたが、初めての登山者(トレラン者)に会えたことでちょっと元気が出た。ありがとう。 |
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で、進むと確かに笹が出ているが、今までよりは全然レベルが低い。これは修行レベルにあらず。いけるぜ。 | ||
ゆるりと登り返すと家形山の分岐。ここまでの時間は良かったが、その後が結構かかった。吾妻山、全体的に地図のコースタイムが厳しめなんだよな。 | ||
ようやく着いた家形山の下降点でどっかり座って少し考える。予定通りの12時着だが、コースタイムよりはだんだん遅れてきている。足はアキレス腱がほんのり痛む程度でまだ行けそうだが、先は長い。 縦走路であった登山者は1組だけ(しかもコースが分かってなかったと思われるトレランさん)。この先、足がやられたら助けは無いかも。電波の届かないかもだし(auは電波ほぼ入らない)。大事をとってここは一切経山をパスするか。 |
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しかし、この天気、長い距離を歩いてきてメインの山を目の前にして登らない手はない。標高差は200m程度と大したことはないが、やたらと大きく、大変そうに見える。うーん、悩ましい。 その時、地図で営業小屋が目に留まる。登山口から2時間かからないくらいの場所にあり、普段ならその距離で泊まるなら下山するでしょと思うが、今日は違う。仮に下山時に足や時間が限界を迎えたとしても営業小屋までならたどり着ける。よし、小屋泊まりできれば一切経山に登ろう。 |
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さっそく、電話をかけようとする。が、ネットを見てもなかなか小屋のHPや電話番号が出てこない。電池も少なくなってきたし、焦りだす。そうだ、山と高原地図に情報があるかもと思い調べるとあったよあった。さっそく電話をしてみるが。。。出ない。。。 どうゆうことだ。焦りは最高潮に達する。このままではやばい。とりあえず、腹を満たして元気をつけよう。余り食欲は無かったが、とりあえず腹に押し込んだ。そしてなるべく足を休めて、いよいよ時間切れかと思ったとき、着信が。 電話に出ると、小屋のご主人だ。おお、これはいける! さっそく今日小屋に泊まりたい旨を伝えるが、 「今日やってないんですよ。すみません」 。。。なぬー!今日に限って休みかー! これで勝負はあった。スーパー惜しいが、今の心(&足)の状態では一切経山は目指せない。スーパー落ち込んだが、今日は山を下りよう。 目の前の急傾斜を下って、 |
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ちょいと上り返して不動沢登山口方面へと歩いていく。この道、結構迷いやすい。注意してないとそのまま尾根を真っすぐ下っていきそうだが、登山道は右手に曲がっている。この辺りも他のメジャーな登山道と違うな。吾妻山は結構注意しないと危ないな。 | ||
しばらく行くとまたそんな感じの所があった。いやー、初めて、かつ登りに利用せず、下りで初めて通る人にはここは結構迷いやすい。特に視界が無いときは注意しないとな。 | ||
時間的な余裕もあるが、すっかりペースが落ちて頻繁に休憩しながら進む。硯石はどこにあるかと探したが見つからず。 | ||
不動沢の登山道は傾斜が緩く、ひたすらに長い。下りで使うと本当にきつい道だ。 | ||
途中、泊まろうとした慶応吾妻山荘への分岐がある。命惜しんで定休日と書いてあるが、ご主人は体調でも悪いのかな? | ||
登山道はひたすら長く、変化も乏しいのでかなり疲れる。予想通りコースタイムから遅れる。途中沢に架かる橋がある、足場の間隔が広い。子供連れの登山はちょっと気をつかうかな。 | ||
その後もひたすら長い登山道を歩き、ようやく不動滝の登山口到着。いやはやお疲れさんでした。 | ||
登山口の看板には滑りやすいから帰りは浄土平に下った方が良いとの注意書きあり。そりゃ、俺も浄土平に下りたかったよ。。。 | ||
不動沢は勝手にちょっとしたお土産物屋もある観光地と思い込んでいたが、実際には滝を眺める駐車場とトイレがあるだけで他になんもないところだった。予定ではここですんなりタクシーを拾って浄土平に帰る予定だったが、当然、タクシーなんぞおらず、仕方が無いのでスマホ頼りにタクシー会社を調べるが、ここまで来るのが割に合わないのか何軒かに断られる。 スマホの電池もいよいよやばくなってきた時ようやくタクシーゲット。あづまタクシーさん、本当にありがたかったです。対応も良くておすすめです。 なお、タクシーは麓から来るため、待ち時間があるのでご注意を。ちなみに、この日は40分待ちました。浄土平までは4km弱なので体力がある人は歩いた方が早いかも。タクシー代は2500円位だった。確かに、迎えに来る&帰る時間を考えると割に合わないね。 |
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浄土平まで戻ってくると良い天気が続いていた。一切経山はくっきりはっきり見えて悔しさがこみ上げてきた。ここまで来て登らずに帰るとはな。 でも、山は無くなるわけではない。いつかまた登りに来よう。その時は浄土平からの登山規制が解除されて浄土平から登れることを祈ろう。 |
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着替えを済ませ、久しぶりに風呂に入ることにする。訪れたのは新鶴温泉健康センター。料金も安く、それほど混んでも無くておすすめ。 | ||
足の裏にはマメが3か所、薬指と小指はちょっと圧迫されたのか、触ると痛い。でもアキレス腱はまだ大丈夫そうだった。まだ行けたっぽいな。次からの登山の参考にしよう。 | ||
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吾妻山縦走 2019年8月12〜13日 |