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浅間山 '05年7月

 浅間山は東信地方の名山で、今なお噴煙を上げる活火山である。そのため、登山で登れるのは火口から500mほど離れた外輪山の前掛山までとなっている。ただし、浅間山は火山活動により、登れる範囲が変化するので、事前に観光課などに連絡をし、確認しておくとよい。この情報は登山口の看板にもでている。
標高 2524m
場所 長野県御代田・軽井沢町、群馬県嬬恋村
難易度 中上級
予想時間 8時間 (登り4時間30分、 下り3時間30分)
標高差 545m (登山口:1979m、 頂上:2524m)
距離 往復12.5km

 今回のルートの始まりは高峰高原の@車坂峠にある登山口である。登山口を過ぎてしばらくは森の中の傾斜のゆるい道となる。しばらく行き、振り返ると、高峰高原や篭ノ登山などの見事な景色が広がっていた。このあたりからは浅間山はまだ見えない。
 
車坂峠登山口。看板にはその日の火山規制情報が表示されている。必ず見ておこう。
最初のうちは森の中の開放的な道を進む。傾斜はきつくない。 振り返ると高峰高原や、篭ノ登山の見事な眺めが広がる。

 しばらく細かなアップダウンを繰り返した後、第2外輪山の火口壁にでる。このあたりでようやく浅間山の姿が見えるようになる。火口壁沿いを進むと、断崖絶壁Aトーミの頭に着く。ここは断崖上にあるので、浅間山の展望がとても良い。柵などはないので、あまり前のほうにいって落ちないように。
 トーミの頭を過ぎると、外輪山の火口壁沿いを北に進む道と火口壁を下る草すべりへの道と分かれる。今回は草すべりを通るのでそちらに進む。草すべりはその名の通り、草が生い茂る道。傾斜が急で、登山道はつづらになっている。まっすぐ進んだら、確かに草の上をすべるような形になるだろうな。
第2外輪山の火口壁沿いの道に入ると、ようやく浅間山の姿が見えてくる。 断崖絶壁のトーミの頭は浅間山の展望が良い。
 草すべりのある浅間山外輪山一帯は景色に加え、高山植物も楽しめる。浅間山の外輪山である黒斑山は花の百名山であり、高山植物が豊かなことで有名だ。特にこの草すべりは高山植物が豊かで、緑の草地には美しい高山植物がいっぱいだ。
 この日もシシウドやマルバタケブキをはじめ、多くの高山植物が楽しめた。
草すべりはまさに草の上をすべるような急傾斜。
シシウド。白く大きな花。 マルバタケブキ。黄色の美しい花。 ヒメシャジンかな? なでしこ。写真写りはあまり良くないな。

 草すべりの急坂を下り終えると、明るい森の中の道となる。B湯の平口分岐をJバンド方面へと進む。CJバンド分岐を浅間山方面へ進むと、森の中の道はすぐに終わり、それから浅間山へのながーいのぼりとなる。この登りがなかなかえらく、私は途中何度も休憩を挟んだ。この区間は木々は一切なく、植物はオンダテという淡黄色の花を咲かせるものと、コケぐらいである。遠くの景色はというと、晴れていれば北に白根山系や四阿山などが見えるが、この日は曇っていて見えず。
浅間山へのながーい登り。ここは浅間山登山の一番の頑張りどころ。休憩をはさみながら確実に登る。 火山礫の土地に目立つオンダテ。浅間山では特に目立っていた。
 長い上り坂を終えると、D立入禁止標識にぶつかる。ここで浅間山への道と、浅間前掛山への道と分かれるが、浅間山への登山は火山活動により規制されているので、前掛山方面へ進むと程なくE前掛山頂上だ。
 前掛山は浅間山の第1外輪山で、浅間山火口からは500mくらい離れている。現在、浅間山に一番近い場所で、前掛山頂上の碑は「浅間山」とかかれている。今後も火山活動が終わらない限り、浅間山登山と言うときは頂上はここと思ってい良いだろう。
 前掛け山から見る浅間山は噴煙を絶えず吹き上げ、とても迫力がある。また、後ろを振り返ると、第2外輪山の見事な眺めが広がっていた。
浅間山への道は火山活動により規制されている。
外輪山の火口壁沿いを前掛山へと進む。 前掛山頂上。頂上の碑には「浅間山」とかかれている。
もうもうと噴煙を上げる浅間山。近くで見るととても迫力がある。
前掛山より第2外輪山を望む。先ほど下ってきた草すべりやトーミの頭も見える。
(↑クリックすると大ききな画像を表示します。)

 前掛山でしばし休憩をした後、帰路につく。帰りは草すべりの長いのぼりを嫌い、Jバンド方面へ。FJバンドはかなりの急傾斜で、ちょっと危険個所もある。今回は登りなので、それほど気にならなかったが、下りの場合は注意が必要だ。
 Jバンドの急坂を登り、さて外輪山沿いを歩こうとしたとき、雨が降ってきた。準備などほとんどしない私はカッパを持ってなく、傘をさしていこうとしたが、雲は雷雲で、雷が頻繁に起きている。稜線沿いを歩くので、落雷が恐ろしく、傘をさそうにもさせず、ずぶぬれになって進むことになった。やはり、カッパは必須だと感じた。
 外輪山沿いの道は晴れていれば浅間山の眺めがとても良く、お勧めだが、この日は雷雨の中とあって、あまり面白くなかった。雨の中をずんずん進んでいくと、G黒斑山でようやく雨が上がり、浅間山が見えた。
 この後、行きの道に合流し、往路を引き返す形で登山口まで行った。
 この日から約1ヶ月後、浅間山は中規模な爆発を起こし、周辺区域に火山灰を降らせた。火山規制も強いものとなった。当分は登山規制はゆるくならないだろう。この日に登れてホントに運が良かったと実感した。
Jバンドへの道。だんだんと絶壁のJバンドが近づいてくる。 Jバンドを登り終えたところから下を見る。なかなかの急傾斜だ。
外輪山沿いを進む間、雷雨に見舞われた。毎年、登山中の落雷で死ぬ人は数人いる。この日はホントに怖かった。 黒斑山でようやく雨が上がり、浅間山の姿が見えた。夏の登山は雷雲が発生しやすいので、注意が必要だ。

登山データ
登山マップ
断面図
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平16総使、第584号)
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