猫とバイクを愛する男のツーリング、登山、
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その3



テントを設営して、いったん小屋に下り、トイレ休憩。今からどうしようかと考える。夕日を見るなら針ノ木だが頂上付近はガッツリガスがかかって夕日どころか近くの山すら見え無さそう。

蓮華岳は比較的雲がかからず良さげだが、夕日って考えると針ノ木に分があるように感じる。少し悩んだ挙句、わずかな望みを信じて針ノ木に登ることにした。

まずはCCで気合を入れる。ふんっ、ふんっ、きっと晴れる!行くぜ!
初めはつづらに急登。針ノ木雪渓を登るのに体力を使ったので空身とは言えなかなか疲れる。
つづら折れを終えると、ガレた斜面のトラバース。といっても登山道はしっかり踏まれており、楽ちん。
天気は相変わらず冴えないが高山植物は見事だ。斜面にはシナノキンバイの黄色の絨毯。美しい。
タカネヤハズハハコ。この手の花はそれほど綺麗と思ったことは無かったが、ピンクの色合いが付いたこの花は綺麗だ。ワンポイントが好きなんだな。
ヨツバシオガマ。柔らかなピンクが愛らしい。奥はオンダテかな?
ガレのトラバースを登って行くと稜線に出る。晴れていれば黒部ダムを挟んで赤牛、裏銀座の山から槍まで見えるはずだが、ガッツリガスってなんも見えず。

春に雪壁があったところは普通のガレのつづら折れでここもだいぶ印象が異なった。
ほどなく頂上に着くが、ガスで何も見えない。頂上には伸二郎一人。まー、そりゃこんな天気に小屋から1時間もかかる頂上に来る人もいないわな。

まだ日が沈むまでは時間があったので、ひたすらガスが晴れることを待つことにする。

時折、ガスが切れて近くの山がうっすら見えるが、なかなか遠くの景色は見えない。
上空はあんなに晴れているのに。景色が広がるのはもう少しなんだけど、それが結構遠い。我慢の時間が続く。
我慢の時間が続き、さすがに退屈だ。そんな時、晴れ待ちをしているもう一人の影を発見。虹色に輝くそいつはガスの中で伸二郎と同じようにたたずんでいた。そうか、一人じゃなかったんだな。
そんな努力の甲斐あってか、何とかガスの切れ間から槍の穂先が見えたり、
立山が少し見えたりしたが、最後までスッキリとガスが晴れることはなかった。うーん、残念だけど、夕日が見れただけでも良しとするか。
テントに戻ると夕食を食べ、まったり。翌日のことをウダウダと考えていたら少し遅くなった。外はどうなんだと覗いてみると、満天の星空。ガスはすっかり晴れたようだ。

もう少し早かったらなーと思ったが、満天の星空が見えるのでまー良いか。

この時の為に重いのを我慢して持ってきた三脚を設置し、写真を写しだす。うっすら天の川も見えてる。今日はなかなか良いじゃないか。
槍穂方面も同じような写真を何枚も撮りまくる。結局、どれも似たようなもんだったが、満足のいく写真が撮れたから良しとする。ちょっと後加工しすぎたかな。まー、たまにはやりすぎ位でも良いでしょ。
あれほどガスに満ちていた針ノ木もスッキリ。山が影絵みたいでなんだかいい雰囲気。夕景は残念だったが、星空が堪能できたから、今日はほどほどに良い日だったな。明日は朝からきっと晴れる。楽しみだ。。。


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針ノ木岳、蓮華岳 2013年8月

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