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常念岳'05年10月

 朝の寒さで休憩回数が増え、予定より1時間ほど遅い10時に登山開始となった。ガイドブックを見ると、往復9時間50分。これの約8割時間がかかるとして、戻ってくるのは18時か。ちょっと暗くなってしまうがなんとかなると考え出発。
 スカッと晴れた空の下、登りだす。登山口からしばらくは森の中の緩やかな登りだ。隣を沢が走っており、時折、沢沿いを歩く形になる。この区間は特に危険箇所は無いが、ところどころ登山道に水が流れており、足元に注意したい。
 烏帽子沢で橋が架かった沢を越えると、傾斜はいままでよりは少し急になるが、まだ緩く、きつくない。これ以降も森の中、沢沿いの道を繰り返す。しばらく行くと、また沢を越えるところがあり、ここでようやく常念岳が見える。ここから見る常念岳はずいぶん遠くに見え、まだあんなにあるのかと思ってしまう。
常念岳登山口。混んでるときはここから手前1km程にある駐車場に車を止める。  登山口からしばらくは森の中の緩やかな登り。
右から注ぎ込む烏帽子沢には橋が架かる。ここを超えると、少し傾斜が増す。  やがて常念岳の姿が見えてくる。まだずいぶんある。

 しばらく行くと、沢を歩く形となる。この辺りから傾斜がさらに増してきて、少しキツイ。沢沿いのペンキ印をたどりながら歩いていくと、やがて山へ登る階段がある。ここから傾斜のキツイ胸突八丁の登りが始まり。この辺りでようやく、安曇野方面の景色が開けてくる。登りきると、少し下る形となる。この辺りはところどころ崖になっており、道を踏み外さないように気をつけて進みたい。
 胸突八丁を過ぎると、沢を渡る場所があり、ここを渡るとすぐ、”最後の水場”ある。私が見ていたガイドブックは”最後の水場”と書いてあるだけで、どこが最後の水場かわからず、何度もこれが最後の水場かと勘違いした。”最後の水場”は写真の通り、「水場終わり、補給しましょう」と書いてあるところです。
 この”最後の水場”を過ぎると、傾斜のキツイ登り区間が始まる。胸突八丁は短いが、ここは1km程キツイ区間が続き、なかなか堪える。このキツイ登り区間を登りきると、常念小屋だ。
沢沿いの道は結構傾斜がきつくえらい。 胸突八丁からようやく安曇野方面の展望が開ける。
胸突八丁ではところどころ崖になっており、気をつけて進みたい。 胸突八丁を過ぎると沢を渡る。沢を渡ってすぐに”最後の水場”がある。
”最後の水場”はこのような看板がある。これ以降水場は無いので、補給しておこう。  最後の水場以降は森の中の急登。キツイ。

 常念小屋は常念乗越に立ち、赤い屋根が特徴。小屋の背後には槍、穂高連峰のパノラマが広がる。小屋の中はうどんなどの軽食が食べられ、また、パン、ジュースなどが売っている。宿泊も可能で、1泊2食8700円。小屋の外は食事や休憩に適したベンチがあり、私は常念岳や槍・穂高連峰を望みながらの昼食を楽しんだ。また、キャンプスペースや、トイレもある。
 しばらく休憩をしたあと、常念岳へ向けて登りだす。ここからは岩場をジグザグに登っていく。始めのうちは傾斜もそれほどではないが、段々きつくなり、また、今までの疲れからか、非常に辛くなってくる。振り返ると、さっきまでいた常念小屋が小さく見え、その向こうに横通岳が大きくそびえている。結構登ったな。もう少し、ゆっくりしたかったが、雲が出てきたので、雲がかからない間に登頂しようと、頂上へ急ぐ。
常念小屋は槍・穂高連峰の見渡せる好立地。 常念小屋前のベンチは常念岳、槍・穂高を望みながら休憩できる。頂上は手前の山の陰で見えない。
岩場の急傾斜をジグザグに進んでいく。足がキツイ。 振り返ると、さっきまでいた常念小屋が小さく見えた。
 キツイ登りにへこたれながら進んでいくと、8合目を過ぎた辺りから傾斜が緩やかになった。ここでようやく頂上が見えてくる。頂上まであと少しだ。傾斜が緩くなったことで元気を取り戻し、一気に頂上まで登りきる。
 
やっとこさ8合目。ここまで辛かった。

 頂上は小さな祠と、周囲の山の名前を示す円形上の石碑があるのみ。私以外誰もいない頂上はとても静かだ。
 頂上からは360度のパノラマ。北を見ると、大天井、立山、白馬岳など北アルプスの大展望が。東は安曇野平野が。南は蝶ヶ岳へ続く迫力の縦走路や上高地が見えた。そして、一番の見所はすぐ目の前に広がる槍・穂高連峰だろう。この日は時間が遅く、日が傾いていたためにあまりくっきり見えなかったが、それでも屏風のように広がる様はなかなかだった。
頂上から北を見ると、北アルプスを代表的する山々の素晴らしい展望が広がっていた。
頂上には小さな祠と、周囲の山々の碑があるのみ。とても静かな場所だ。 頂上から南へ伸びる蝶ヶ岳への縦走路。右奥には上高地が見える。
頂上から西側に広がる槍・穂高連峰。屏風のように広がる迫力ある山容が見事だ。
(↑クリックすると拡大写真を表示します。容量大きいので注意。)
 頂上で展望を楽しんだ後、下山。早く降りねば暗くなってしまうと、少しスピードアップを試みる。しかし、登りの疲れが足に溜まっており、思うようにスピードアップできない。
 ようやく常念小屋まで降りてくると。足元が妙な感じだ。見てみると、なんと霜柱がある。もう山の上は冬だな。もうじき雪が積もるだろう。
 結局日没までに下山できず、最後のほうは暗い登山道を進む事となった。ちょっと計画に無理があった。
 この日の翌日。北アルプスは雪化粧した。これから長い冬が始まる。この日に登れてホントに良かったな。
常念小屋近くで見た霜柱。この日の翌日、北アルプスは雪化粧をした。
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