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五竜岳その1
2007年10月6〜8


 鏡池でそこにいた登山者と少し言葉を交わす。5分も経たぬうちに下山していったので、素晴しい槍穂展望台を独り占め。これからの行程に備えてアミノバイタルを飲み、体を休める。

 いつまでもそこに居たかったが、早くしないと日が暮れてしまうのでしぶしぶ出発する。木道を進むと、すぐに鏡平小屋が現れた。小屋はすでにしまっており、辺りに人影は無かった。そのまま通り過ぎようとしたら、いきなり強烈なウンコ波に襲われる。

 これはヤバイと思い、鏡平小屋の外トイレに向かうが、無常にも閉まっており、万事休す。もはやこれまでかと辺りにやれそうなところを探すが、あんまり良い所が見つからず、かすかな望みをかけて双六小屋まで我慢することにする。

 登山道は鏡平小屋の隣にあるひょうたん池にかかる橋を通る形だが、なぜか橋は上の板が外され、橋げただけになっていた。このことは鏡平で一緒になった登山者から聞いていたのでさほど驚きはしなかったが、いきなりこの状態に出くわしていたらちょっとパニクッってたかもしれないな。
鏡平小屋。すでに閉まっていた。外トイレも閉鎖。トイレだけはやっていて欲しい。料金を高くしてもダメなのか? 橋の上板?が取り外され、橋げただけになっていた橋。雪が積もると壊れるから?うーん。。。

 橋げたを渡り歩き、池を越え、登山道を行く。稜線まではまだだいぶ距離があり、暗くなる前につけるんか不安になる。そしてもう一つの不安がひいてはうちよせるウンコ波だ。来るたびにケツの筋肉を絞り、こらえるが、波が訪れる周期が早くなってきた。

 見上げる稜線はまだまだ遠く、双六小屋はさらにそこから1時間かかる。稜線に出れば木々は無く、隠れるポイントは少ない。ウンコ波のたびにだんだん弱気になっていき、ついに諦めを決意。辺りの様子を伺いながら、登山道脇の茂みでやってしまう。

 「しっかり分解してくれよバクテリア君」などと願いを込め、ブツに落ち葉や土をかけ、その場を立ち去る。美しい景色の中でしばし落ち込む。が、やってしまったものは仕方ないので、今後繰り返さないように家に帰ったら考えることにして、再び歩き出す。

 その後はお尻の不安も無くなり、快調に登る。きついかなと思っていた登山道はそれほどきつくなく、鏡平から1時間ほどで分岐にたどり着く。
地図で見るよりもずっと楽だった鏡平から弓折岳への上り。 山腹を斜めに進む登山道。ずっと槍・穂の眺めが良い。

 分岐から双六小屋方面へ進む。少し急登をすると、景色が開け、明るい稜線の景色が目に飛び込んでくる。素晴しく開放的で明るい風景だ。一気に上向く気持ち。今までの不安はどこに行ったのかと思うほどの安心感と達成感が広がる。やっぱ稜線は良いや。
ついに稜線に出た。弓折岳の分岐はベンチ付き。ちょっと休んでくださいって事かな。 やっぱ稜線は良い。明るいし、開放的だ。疲れもだいぶ吹っ飛ぶ。稜線マジックだ。

 稜線は細かなアップダウンはあるが、大体は平坦な道。とても楽チンだ。さらに、景色がすこぶる良い。左は双六岳のどっしりした山容が迫力だし、右を見れば槍穂の稜線が目線の高さで常に拝める。なんとも贅沢じゃないか。

 やがて、前方に鞍部に立つ双六小屋の姿が見えてきた。まだだいぶ距離はあるが、どうやら暗くなる前に着くことが出来そうだ。一安心。
左を見れば双六岳のどっしりした山容。でかい山だ。 右を見れば槍〜穂高までの迫力ある稜線が目線の高さに広がる。ずっとこの景色が拝めるんだから贅沢だ。
ようやく見えてきた本日の宿泊地・双六小屋(稜線の鞍部)。もうすぐ着くという嬉しさがこみ上げる。背後は鷲羽岳。

 稜線の登山道は樅沢岳(もみさわだけ)の手前で尾根道を外れ、樅沢岳の北斜面を斜めに下っていく。途中で雷鳥の応援を受けながら順調に進んでいく。そういえば、今日見た雷鳥は白っぽい毛が混じっていた。冬毛に生え変わる時期なのかな。

 程なく稜線の鞍部に建つ双六小屋に着いた。双六小屋は結構大きく、建物は3つくらいあった。入り口を入ると夕食の準備をしているみたいで良い匂い。幕営料500円をl払い、受付を済ます。

 どうやらテン泊は伸二郎みたいで、入り口付近にいた登山者が珍しそうに話しかけてきた。「明日は-5℃くらいになるらしいよ、気をつけてね。」

 ぬふふふふ、そんなことだろうと思って、今日はダブルシュラフなのだ。ダブルシュラフとはシュラフ二枚重ねのことで冬用シュラフを持たぬ伸二郎の必殺技(ウソ)だ。
雷鳥も今日の頑張りを祝福しに来てくれた。いつもかわいい奴だ。 双六小屋。稜線の鞍部に建つ山小屋。この時期までやっていてくれて感謝。対応もとても親切だった。

 余裕の表情で小屋を出て、美しい鷲羽岳の姿に見入る。大きく裾野を広げたその姿は百名山にふさわしい立派なものだ。来年あたり登ってみようかしらん。

 テン場は小屋の南側に隣接している。一人なので場所を選びたい放題だ。5分程ウダウダ悩んだ後、笠ヶ岳が正面に見える場所にすることに決めた。今日もナイス立地だ。

 外はさすがに秋だけあって冷え込んでいる。手袋をしないと手が痛いくらいだ。晩飯を食って寝袋に入ると、いつものごとくマッハで寝る。そしてマッハで起きる。なんでこう、登山の時は早く目が覚めるんだ。まだ21時30分だと言うのに。。。
双六小屋の正面には鷲羽岳の姿が。見事な山容だ。 本日のテン場。テントは伸二郎のみ。正面に笠ヶ岳が望めるナイススポット。朝はー5℃位になるとか。


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