しばらく平坦な道を行った後、傾斜の強い登りになる。急登に加え、積雪も深くなり、上るのに苦労する。甲武信岳でも思ったが、積雪期の急登は本当に時間がかかるし、疲れる。 この急登の区間は日陰が多く、風が冷たい。この急登が三ツ頭までの一番の山場だ。 |
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吹き付ける風に手がかじかむ。手袋を外すと痛いくらいの寒さだ。くじけそうになりながら急登をこなしていくと、尾根筋に出た。急に視界が開け、風も弱くなった。どうやら、一番の頑張りどころを過ぎたみたいだ。 暖かな太陽の光に照らされると今までの辛かった道のりがウソのように明るく幸せな気分になる。やっぱ太陽は偉大だな。 |
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木々が少ない稜線からは綺麗に晴れた南アルプスの姿が見えた。なんとも素敵な山並みだ。 | ||
そして、振り返った視線の先には甲府盆地と日本一の山。今日はなんて素晴しい日なんだろう。 | ||
再び森の中に入り、ちょいと急登を登りきると前三ツ頭到着。西、南方面の展望が素晴しい。ここまででも十分かと思えるくらい。 | ||
特に素晴しいのが正面の南アルプス。雪を抱く3000m峰の連なりはなんとも迫力ある。特に、甲斐駒ケ岳の精悍な山容はとても素敵だ。ファンが多いのもうなづける。 | ||
前三ツ頭から見上げた視線の先には三ツ頭のどっしりとした姿が。背後から雲が湧き上がって、とても迫力があった。さあ、あとちょっと、頑張っていきますか。 | ||
前三ツ頭からはちょこっとの間、展望の良い緩やかな道が続いた後、樹林帯の急登となる。ここから頂上までは雪が深く、ワカンやスノーシューがあったほうが快適だ。 この急登がまた辛かった。それまでの区間でだいぶ体力を消耗していたので、ちょっと上るだけですごく息が上がった。 30歩進んでは30秒休憩するを繰り返し、着実に、着実に前へと進む。きつい時はこの方法が一番だ。 |
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やがて木々が切れ、頂上間近と思われる場所に着いた。登山標識が立ち、どうやら分岐点のようだ。 | ||
「さー、頂上まであと少し(5分くらい)」と思って看板を見ると、信じられないことが書いてある。 「三ツ頭 15分」。 なんですと。確か、さっき、前三ツ頭で頂上まで50分と書いてあったような。てことは前三ツ頭からこの分岐点までのコースタイムは35分てことか。 ここまでかかった時間は1時間。コースタイムの倍ってことか。てことは三ツ頭までまだ30分もかかるってことか。辛い、辛すぎる。。。 |
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果てし無くがっかりしてトボトボ歩き出すと、ちょっと登ったところで写真を撮っている登山者発見。 あー、景色の良い場所があるんだなと思っていると、なんだか頂上の碑みたいなもんも見える。もしやと思って近づくとなんと三ツ頭頂上ではないか。分岐からまだ5分。あの看板は騙しだったのね〜。 看板にはちょっとムカついたが、そんなことはどうでも良いくらいに素晴しい景色が広がっていた。 権現岳〜赤岳まで南八ヶ岳を代表とする峰々が一望に。三ツ頭はなんてサイコーな場所なんだ! |
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