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御岳継子岳
2017年2月25日

2/24(金) - 自宅 → チャオ御岳スキー場P(車中泊)
2/25(土) 晴れ チャオ御岳スキー場トップ → 中央岩稜帯直登 → 継子岳
 → 中央岩稜帯 → チャオ御岳スキー場トップ → スキー場内で怪我
 → 木曽福島の接骨院 → 地元の病院(入院)

 冬季に日帰りできて展望の良い山を求めて情報集めると、御岳の継子岳が標高差もなく、ルートも単純そうで良さそうだ。厳冬期の記録がネットで探しても出てこない&傾斜がちょっと強いのが気がかりだが行くことにした。
 登った感じは予想通り斜度がきつく、かつ結構カチカチに凍っててアイゼン、ピッケルの先っぽしか刺さらない部分が多く、滑落の危険があって厳冬期はやめた方が良いと思った。雪が緩む春なら楽で良いルートだと思う。
 なお、下りにスキー場を下った際、シリセードをしていて骨折した。圧雪されたゲレンデでアイゼンを付けて滑っていた為、急激にブレーキがかかり、足をひねって骨折した。圧雪されが場所でアイゼンつけてシリセードは身をもって危険と分かったので皆さんもご注意を。



概略 最大標高差:680m、 体力度:中、 技術的難易度:難(厳冬期)、並(春山)
 ・厳冬期は滑落の危険があるからお勧めしない。雪が緩む4月以降が良いと思う。
 ・冬季のルートは書いてないが、森林限界まで行けば視界さえあれば迷うことはない。
 ・スキー場トップからなら標高差は680mと小さく、景色も良いので春山には良い。
 ・チャオの駐車場はセンターハウスで24hrのトイレもあるし快適。
ルート


展望が良く、日帰りできる雪山を探していた時、ふと無雪期に登った継子岳が浮かんできた。本当は恵那山に登ろうと思っていたが、確実に展望が良い継子岳に行くことにした。

2/24
開田高原までは道路に雪が無かったが、県境を岐阜県側に超えると途端にアイスバーンとなった。以降チャオ御岳スキー場まではずっとアイスバーンの路面が続いた。冬季はスタッドレスが必須だな。こんな時4WDは実に頼もしい。

24:30にチャオの駐車場に着き、就寝。お休みの輔。


2/25
空は良く晴れているが、継子岳にはガスがかかっている。振り返る乗鞍にもガスがかかっているのでどうも天気はスッキリとはいかないみたいだ。でも今日は晴れてくる予報なのでこのまま行こう。

ゴンドラ券を買ってスキー場トップに向かう。見上げる継子岳への道は急でちょっとビビる。本当にあそこ行けるのかな。。。
スキー場トップでは伸二郎の他に登山スタイルの3人組がいた。頂上を目指すのかな?気になりつつも準備をして、伸二郎が先に出発。登山道の入り口すら分からなかったが事前にルートは考えてきたのでそれっぽいところを適当に進みだした。
予想通りトレースは無かったが、GPSと地図を頼りに適当に進んでいく。久しぶりのノートレースルートはなんだか新鮮だ。
1時間ほどで森林限界に着いた。ガスはまだ晴れてはいなかったが、
時折晴れ間も見えるので天候回復は確かなようだ。
ここからはアイゼンとピッケルで進む。
森林限界から先も適当に頂上目指して進む。どこを通ってもいずれ頂上に着くが、断崖絶壁の場所にだけは行かない様にルートを取る。
しばらくすると天候はすっかり回復し、辺りは凛とした冬の空気に包まれた。なかなか良いじゃないか。
ただ、ちょっと想定外だったのは斜面がかなり凍っていたこと。アイゼン、ピッケルが先っぽしか刺さらないところも多々有り、急傾斜と相まって緊張することが多かった。
滑ったらこの傾斜だから、止まらないだろう。即滑落につながる。富士山で良く滑落のニュースを聞くが、どうしてあんなところで滑落するのかと疑問だったが、分かった気がする。そりゃ、こんな急傾斜で凍ってたらアイゼンのかかりも悪かったら滑落もしちゃうね。ましてや強風とあったらなおさらだ。
慎重にルートを選び、登っていくとふいに視界が開けた。目の前には青空へと続く白銀の稜線。どうやら危険地帯は終わったようだ。今までと打って変わって気楽な気分で尾根歩きを楽しむ。
見ていたピークは頂上だった。頂上は誰もおらず凛とした静かな空間が広がっていた。風が冷たいので風裏はないかと探したが、無かった。今日は良いが、風の強い日は長居できないな。
頂上からの景色の主役は御岳主峰群。生命の存在を感じさせない厳しくも美しい冬の景色は数年前に撤退した白馬大池の景色にどこか似ていた。この季節は人が立ち入る場所じゃないんだろうな。
しっかりした風裏は無かったが座るとある程度風の影響が弱まるので、昼飯を食べる。北には乗鞍の姿。雲が多く、後ろのアルプスは見えなかったが、まー、乗鞍が見れただけでも良しとするか。
しばし休憩したのち下山。このおっかない斜面を下らないと行けないのはとても憂鬱だが、下らずには帰れないので慎重に下り始める。

岩付近の傾斜が部分的に緩くなり、足がかかりやすく、滑っても引っかかる可能性のある岩場を通って下ることにした。それでもかなり緊張した。この時期の御岳は気楽に雪山を登りたい人が来るところではないな。
エビのしっぽ。御岳は独立峰なので風が強い。今日は良いが、風が強い日には登るの苦労しそうだな。
ようやく樹林帯まで戻ってきて安心する。これから先は危険個所もなく気楽だ。
頂上方面を振り返る。距離は無かったが、険しく、中身の濃い登山だったな。
自分のトレースを追ってスキー場まで戻ってくる。いやー、お疲れさん。
下りはゴンドラを使わずゲレンデを歩いたりシリセードしたりして下ることにした。これが酷いことになるとは想像もしてなかった。
途中の短く、傾斜がほどほどの斜面で、シリセードをしていたが、前方にボーダーが座っていたのでブレーキをかけて止まろうとした。ピッケルのブレーキ出はなりなかったのでアイゼンをつけた足で止まろうとしたとき、事件は起きた。

アイゼンを付けていた為、急ブレーキになったためか、ちょっと転ぶ。いかんいかんと起き上がろうとすると、左足が変だ。立つために足を持ち上げると、靴から先がぼとっと地面に落ちた。

心に衝撃が走った。

再び足を動かそうとするが、意識に反して全く動かない足先を見て、状況は読み込めた。骨が折れている。。。

うわぁー!何でだー!!!

悔しくて何度も叫ぶ。叫んでも治るわけでないが、叫ばずにはいられなかった。


明日里帰りから迎えに行くはずだった嫁と職場の人に電話して、状況を伝える。さらに、自分では動くこともできないので、滑っていたボーダーを呼び止めて、パトロールを呼んでもらう。

骨折直後は痛みは余り感じなかったが、だんだんと痛みが押し寄せ、悪寒が酷い。

パトロールの人にタンカに乗せられ、引っ張ってもらい、パトロール室で応急処置をしてもらう。スキーコースはスキー、ボード以外で滑ってはだめだと注意される。そうだね、実感しました。

さらにご厚意で木曽福島の接骨院まで連れて行ってもらった。偶然か、昨年、訪れた今村整骨院さんだ。またお世話になるなんて、夢にも思わなかったよ。
固定具で応急処置をしてもらったのち、木曽福島までは弟に迎えに来てもらった。こんな時、家族のありがたみを実感する。

そして、そのまま家の近くの病院の緊急外来に行き、詳細な状況が分かった。やはり、左足の脛のところの骨(脛骨、腓骨)が折れているようだ。この骨はねじれには弱いらしい。

距離にしてわずか10数メートル滑った位の遅いスピードでまさか骨折するなんてと思ったが、アイゼンが圧雪された雪面にがっつり食い込み、足がひねられる形になり、弱いところをついてしまったんだんだな。圧雪されたゲレンデでアイゼンシリセードはいかんかったな。
骨は転移(ずれいてる)しており、手術が必要だし、こんな状況では普通の生活もできないのでそのまま入院となった。


2/28に手術を実施して、脛骨(太い方の骨)は骨の中にズドンとチタンの棒が通された。腓骨の方もがっつりプレートで固定となり、術後3週間経った今でも毎日痛みにうなされる日々が続いている。わずかな過ちですごい代償を追ってしまった。残念だが、これからの人生の良い教訓になったと思う。
今回の骨折を機に雪山を卒業しようと思う。今まで雪の季節に見に来てくれた人には感謝。そして、同じことにならないことを祈ってます。



アンダーシャツ fine track メリノスピンサーモ
シャツ ミズノ ミズノ ブレスサーモトレイルシャツ
ミッドレイヤー(その1) ミズノ POLARTEC フリース
ミッドレイヤー(その2) mont-bell U.Lダウン インナージャケット(休憩時のみ)
アウター(トップ) THE NORTH FACE アイシクルジャケット
パンツ mont-bell ジオラインL.W.トランクス
スパッツ(インナー) CW-X スタビライクスロング 
ズボン TARAS BOULBA(タラスブルバ) 秋冬用
ミッドレイヤー(ボトム) 無し
アウター(ボトム) mont-bell アルパインパンツ Men's S
靴下 ミズノ ブレスサーモウール

LOWA Weisshorn GTX
スパッツ(アウター) Outdoor Research エクスペディションクロコダイルゲイター

雪山装備 アイゼン GRIVEL G12 New Matic
ピッケル グリベル エアテックエボ 53cm
ワカン、スノーシュー 無し

行動時
の服装
アンダーシャツ+シャツ+フリース+ダウン(休憩時)+アウタ
パンツ+スパッツ(インナー)+ズボン+膝サポーター+アウタ


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