猫とバイクを愛する男のツーリング、登山、
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その3


化雲岳からもまた気持ちの良い道が続く。チングルマの湿原の向うにはトムラウシの威風堂々とした姿。画になるねぇ。
木道の先は小岩の道。ロープが張ってあるので迷うことはない。そのまま進むとヒサゴ沼南分岐への下りとなる。傾斜は少し急でちょっと足にきだした。もうかれこれ15km以上歩いてるもんなぁ。

さすがに少し疲れてトムラウシを見ながら休憩。まだ距離があるが天気は良さそうだからゆっくり行きますか。
鞍部まで下り、少し悩む。今日は体力と時間を考えるとトムラウシ南沼キャンプ場でテン泊がベストだが、明日は雨予報。雨の中、迷いやすそうなトムラウシ付近を歩くのは少し嫌だし、雨なら早く下山してしまいたい。

しばし悩んだ後、今日はヒサゴ沼でテン泊することにした。トムラウシから戻ってくる分だけ今日歩く分は増えるが、明日の行程が短くなるし、天候が悪くなってもヒサゴ沼キャンプ地なら風の影響が少ないだろう。

そうと決ったらあまりゆっくりしていられない。不要な荷物をデポして、トムラウシに向かい歩き出した。

急登を一登りで再びなだらかな台地となる。このあたりが日本庭園だろうか。ここも開放的な場所だ。
ふと東を見ると青い沼が見える。あれがヒサゴ沼か。奥に見える小さい沼の脇にテン場も見える。今日はあそこで泊まるんだな。
日本庭園を過ぎると急に岩が多くなる。ここからロックガーデンか?トムラウシへの道は本当に変化があって面白い。
目印を見逃さないように注視して歩いていくといったん岩が切れ、目の前にちょっときつそうな岩場が見えてきた。あれを越えればトムラウシはすぐに違いない。がんばるか。
ちょっと迷いやすい岩場をひーこら言いながら登りきると傾斜の緩い広い場所に出た。後ろを振り返ると大雪主峰群がどどーんと広がる。おお、美しい。あとはゆるゆると頂上に行くだけだ。。。
なんてことはなく、まだ最後の頑張りどころが残っている。トムラウシ、近そうで案外遠い。
これまでに増して迷いやすい岩の急登を最後の力を振り絞って登りきるとようやくトムラウシ頂上!白雲岳避難小屋から20km。長かった!そしてよく頑張った!
頂上からは360度の展望があるが、東と北は手前の岩に遮られ、それほどでもない。良いのは南、西で特に南の十勝連峰の眺めは素晴らしい。
頂上からの眺めを楽しんだ後はヒサゴ沼に向けて歩いてきた道を戻る。トムラウシ直下の岩場では登山道を見失うが、岩場をテキトーに下って進み、元の道に戻る。下りは上りに増してコースがわかり辛いな〜。

ロックガーデンへの急な岩場を下る際、ナキウサギを見つけた。わかるかな?写真中央の少し茶色っぽい小さいの。

トムラウシの岩場はナキウサギが多いみたいで鳴き声が良く聞こえたので会えるかもと粘っていたら会うことができた。嬉しい。

外観はどっちかと言えばウサギよりもネズミに近いかな。小さくて可愛らしい動物。
岩場を過ぎ、日本庭園を過ぎ、ようやくヒサゴ沼南分岐まで戻ってきた。いやー、疲れた。歩き始めてからもう12時間経ってるもんなー。

でもここまでくればヒサゴ沼まではあと少し。無事にテン場までたどり着けそうだ。
少し休憩した後、デポした荷物を回収して岩ごろごろ地帯をヒサゴ沼方面へ。しばらくすると雪渓が現れる。この雪渓を下って行くと沼付近で再び登山道が現れ、池沿いに進んでいく。
疲れから、少し進んでは止まって休憩し、また進むを繰り返し、何とか日が暮れる前にヒサゴ沼キャンプ場に到着。先客が何組かテントを張っており、避難小屋にも何組か登山者がいた。

テン場は下地が粘土質であまりよくないが、平坦でテントは張りやすい。水は池の水でなく、登山道を少し戻ったところにの池にそそぐ水の流れからとる。北海道らしく、要煮沸らしい(エキノコックス影響?)。
テントを張って、中に入るとようやく今日の行程を終えた安堵感と充実感に満たされた。白雲岳避難小屋から歩くこと24q、13時間。1日でこんなに歩いたのは初めてだな。本当によく頑張った。

食事を済ませ、寝袋に入ると次第に意識が薄れていった。明日は山を下るだけだ。何とか下山まで天気が持ってほしいな。。。


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トムラウシ 2011年8月

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