猫とバイクを愛する男のツーリング、登山、
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その3



戸蔦別からハイマツの道を下って行くとガスの下に出て、だんだんと七つ沼方面の眺めが広がってきた。今日は七つ沼でテン泊予定だ。今日すれ違った人の話だと昨日はテントが2張りだったそう。

七つ沼は熊が出ることがあるらしいが、他に人がいれば安心だ。どうれ、今日はどの位テントがあるんだ?と思って覗いてみると、、、
ぬぉー、皆無!!!まさか一人もいないなんて!

そしてなんと熊が出そうな風景。池有り、茂み有り、草原有りでどうぞ来てくださいなって雰囲気でないか!

急速に不安になり、足が止まる。時刻は12:30。まだ人が来る可能性はあるが、もし一人だったらおっかなくて寝れんな。

今から北戸蔦別にもどろうか?いや、それはそれで嫌だ。雷が熊よりも怖い。積乱雲でもかかろうもんなら生きた心地がしない。まだ七つ沼で熊におびえて寝る方がマシだ。

しかし、やはり一人の七ツ沼はおっかない。。。

30分以上ウダウダと悩んで出した結論は「やっぱり七ツ沼で泊まる」だった。幌尻登って戻ってきたら誰か張ってるでしょ。もし張ってなかったら覚悟決めて泊まるだよ。実際出ないんだから、と自分を説得してようやく先へと進む。
戸蔦別から下りきったところに七ツ沼への降り口がある。それをスルーして先に進むと高低差はないが、少し急峻で痩せた尾根を行く。

ここはカールの縁(壁)に当たる部分で晴れていれば常にカールを望みながらの気持ち良い道だろう。まー、今日はガスで何も見えんけど。。。
痩せ尾根を過ぎると再び七ツ沼への降り口がある。ここで最高にうれしいもん発見。それは登山道脇にデポされた大きなザックだ。ここにあるってことは七ツ沼に泊まるってことだ。うぉー、やった!他にも七ツ沼に泊まる人がいたー!

伸二郎も近くにザックをデポして、急傾斜のハイマツ道を登りだす。天気は相変わらずいまいちだが、最高に晴々とした気分だ。
肩まで登ると傾斜は緩くなる。ガスも少し晴れてきて前方の景色が見えだす。視線の先には堂々としたピーク。あれが幌尻か?ずいぶん近い気がするが。。。
そう思ってピークまで登ると、さらに先に延びる尾根と新たなピークが。まー、こんなんよくあるね。特にガスで遠くが見えない日はね。

だが、今度見えるピークは確かに頂上の様で人影も見える。暗くなる前に帰れそうな時間に頂上に着けるとわかったことでなんだかとても安心感に包まれた。
頂上に近い場所にはテン泊に良さげな場所があった。ここに泊まったら朝晩は最高だろうな。晴天だったらここでテン泊が良いなぁ。
最後の坂を上りきるとついに幌尻岳頂上。いやー、長かったし、精神的にもハードだった(まー、勝手にウダウダ悩んでただけなんだけどね。。。)。

頂上には伸二郎のほかにザックをデポした人がいた。この方、なんと同じバイク乗り。登山口でみかけたR1はこの人のバイクだったのだ。なんとも奇遇。
R1さんと少し話した後、R1さんは先に七ツ沼へ。

少し晴れ待ちしていたが、晴れそうにも無かったので、伸二郎も頂上を後に。天気はいまいちだったが、妙に満足げな頂上だった。

帰りの道はお気楽そのもの。チングルマの綿毛を見たり、
幌尻を振り返ったり、まったり歩く。
七ツ沼への降り口まで来ると、R1さんと合流し、七ツ沼へと下る。道は結構な急坂でちょいと転びそうになることもあった。雨の日とかスリップ注意だな。
カールまで下ると、テン泊予定の場所まで歩いていく。茂みはちょいと不気味なので避けて下の写真のような池、草原を通るルートで歩いて行った。
カールは雪渓がまだ残っており、融けた雪渓の水が豊富にあり、水には困らなかった。水は汚くはなかったが、そのまま飲むほど綺麗では無い感じだった。
中央やや戸蔦別よりでテントを張る。左のがR1さんのテント。微妙に離れているが、近くにいるだけですごい安心感だった。
夕食。テントの中で秘密兵器登場。小川で汲んだちょいと不純物がある水も、こいつで綺麗な水に早変わり。小さいけれど、大きな働きをしてくれた。北海道登山には浄水器だな。
夕食を食べた後はゴミを2重に包み、ジップロックで密封。これで大丈夫でしょ。
携帯ラジオをつけながら就寝。明日は崩れるとか言ってたっけな。朝一は晴れて欲しいな。。。


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