

キレット小屋からしばらくは緩やかな上り下りと急な岩場を繰り返し、小さなピークをいくつか越える。この辺の岩場のほうがキレットのとこよりキツイかな。 そんなピークを越えていくと、口の沢のコルに着く。ここから北尾根の頭まではずっと上り。ここが結構疲れる。何せ長いのだ。なんども立ち止まっては振り返って景色を見て、また少し進み、立ち止まって景色を見てを繰り返す。あまり進んでいかないが、景色が堪能できるのでよしとするか。 振り返った時の稜線とその先にそびえる双耳峰の鹿島槍がとても見事だった。 |
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八峰キレットを過ぎるとなだらかな道と岩場が交互に現れる。こっちのほうが八峰キレットより危険かな。 | 岩場とハイマツの展望路を進んでいくと、口の沢のコルに着く。ここからは上りとなり、キツイ。 |
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口の沢のコルから北尾根の頭への上り。背後にはいままで歩いてきた稜線と鹿島槍が迫力。 | |
休憩をとりまくって北尾根の頭に着く。そしてまた振り返って鹿島槍を望む。丁度昼時になっていたので昼ご飯にする。 昼ご飯といってもご飯は無く、カロリーメイトかぶれのものを食べるだけなんだけどね。 いつもはカロリーメイトか、カロリーメイトをパクったイオンの類似製品だが、今日はしっとり厚焼きなるものを食べた。しっとりはウソだが、味がすこぶる良い。カロリーメイトの3倍位は旨かった。ちょっとお勧めだ。 さて、腹も膨れたところで再出発とするか。北尾根の頭からしばらくはこの縦走路でもっとも難易度が高いところ。特に途中にあるG5の鎖場は足場が狭く、危険なので注意が必要だ。 |
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北尾根の頭で昼食。このカロリーメイトに似た軽食はとても美味しかった。 | 北尾根の頭から五竜岳までが稜線のハイライト。八峰キレットより危険。 |
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正面のきっつい上りを終えると一番のハイライトの岩場に出る。ちょっと一息入れて岩場に備える。 | この辺りが稜線で一番危険な岩場。慎重に行きたい。遅い人は早い人に道を譲り、その後で確実に進むこと。 |
G5の鎖場を過ぎると残すは五竜岳への上りだけである。ここも岩場、鎖場が多いが、それほど危険ではなく、ゆっくり進めば問題ないだろう。 ただし、結構上るので体力の消耗は激しい。伸二郎もここでかなりバテた。 キツイのぼりを終えると、五竜山荘への道と、五竜岳頂上への分岐に出る。これを頂上方面に進むと5分位で五竜岳頂上に着く。 南側の展望は無かったが、時折北側の展望が開け、それなりに満足。 しばらくぼんやりした後で五竜岳を下る。 |
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危険度の高い岩場を過ぎると、五竜岳は目の前。しかし、急傾斜の上りが待っている。 | きっつい上りを終えると、五竜岳に到着。頂上はガスっていたが、時折北側の展望が開けた。 |
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五竜岳頂上より五竜山荘に続く登山道を望む。 | 五竜岳からの下り。緩やかな斜面が大半だが、時折ある岩場は注意が必要。 |
五竜岳へは8月に来ており、登山道がなんだか懐かしい。 途中まで降りると、五竜山荘とテン場が見えてきた。テン場はまだ空きがあり、どうやら今日は斜めに寝ずに済みそうだ。いんやー、うれしいね。 忙しそうな五竜山荘で無愛想なねーちゃんに手続きを済ませ、テントを設営にかかる。五竜山荘のテン場は小屋のすぐ隣だから水やトイレに苦労せずに済む。目の前に五竜岳が見えるロケーションも良く、なかなか良いテン場だ。 飯を食べ、耳栓を装備し、就寝。明日晴れんかなー。。。 |
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五竜山荘が見えてきた。テン場はまだ空きがある。今日は平坦な場所で寝れそうだ。 | 五竜山荘のテン場からは五竜岳の眺めが良い。ただ、五竜岳に隠れて他の山の展望は無い。 |
翌朝起きると見事にガスっている。天気がよければ五竜岳に登ろうと思っていたが、ちょっと迷う。しばらくテントでウダウダするが、あまりにも暇なのでやっぱり五竜岳に登ることにする。 緩やかに登る五竜岳への道をずんずん進んでいくと、東側の展望が開けてきた。東側はどこまでも続く雲海で、青い空がまぶしかった。 さらに進んでいくと、さらに雲が取れ、頂上近くになると、雲の上に出た。 そして目の前には鹿島槍へ続く縦走路の素晴しい景色が広がっていた。感動。ビバ鹿島槍、そしてビバ五竜岳。こんなに美しい景色が見れるなんて、なんと俺は幸せなんだろう。 |
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最終日のテン場はガスがかかっていたが、五竜岳に上るうちにガスが取れてきた。雲海が綺麗だ。 | 五竜岳への上り。五竜岳で始めての青空。うれしい。 |
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五竜岳山頂付近から昨日歩いてきた鹿島槍に続く稜線を望む。いつまでも見飽きない素晴しい景色だ。 | |
五竜岳の山頂は青空が広がるとても気持ちの良い場所だった。北側は雲がかかっていたが、それ以外は良く見え、立山・剣連峰、鹿島槍、遠く穂高連峰の眺めが素晴しかった。 4回五竜岳に上り、初めての青空だ。感無量。 周りの人が景色に満足し、その場を離れていく中で、伸二郎だけはいつまでもそこにいた。相変わらずの人生遅れ人具合だったが、まだまだその場にいたかったのだ。それくらい、素晴しい景色だったのだ。 でも、いつまでもいることなどできないので、下山を開始する。雲の上の世界から雲の下の世界へと下山。素晴しい景色をありがとう五竜岳。 |
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五竜岳山頂。北側は雲で視界が無かったが、それ以外は青空広がる素晴しい眺望だった。 | 剣・立山も近い。今日、剣に登った人も景色に感動してることだろう。 |
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五竜岳より東側に広がる雲海を望む。麓は曇っているんだろうな。今、山の上にいる幸せをつくづく感じる瞬間。 | |
五竜山荘までもどって、テントを撤収。さすがにテントの水滴は取れているようだ。荷物をまとめ、さあ、出発。 白岳の分岐より遠見尾根に曲がる。遠見尾根からは唐松岳への稜線が見事だった。 五竜岳は最後まで北側にかかる雲で見えなかったが、それでも伸二郎は満足だった。 |
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五竜山荘まで戻り、テントを撤収して下山開始。白岳はこっから見るとなだらかだ。 | 遠見尾根と唐松岳への縦走路との分岐。ここからは五竜岳と唐松岳の眺めが素晴しい。 |
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白岳から唐松岳に続く稜線を望む。 | 五竜岳はついにガスが取れることが無かった。 |
遠見尾根は前と同じように天気が悪かった。時折小雨もパラツクが今日は降りるだけなので気楽だ。 それでも途中、中遠見のキツイ上り返しでちょっとめげそうになる。いや、ホント、下山時の上りはやめてくれよ。 かなりめげていると、見てもたってもいられんと、かわいらしい鳥が励ましてくれた。なーんだか幸せ気分。鳥にも愛されちゃったのかしらん。 鳥に元気をもらい、残りの行程をハイペースで進んでいくと、ゴンドラの山頂駅に到着。 腹も減っていたので、レストランで豚丼みたいなものを食べる。なかなか美味で、満足。 |
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遠見尾根を終点にあるゴンドラ駅アルプス平。 | アルプス平で食べた「国産豚と信州味噌のハーモニー」。ま、味噌味の豚ロース丼です。肉が柔らかく美味しかった。 |
腹も膨れて満足したところでゴンドラに乗り、下界へ。 ゴンドラを降りてから、1kmばかり歩いて神城駅に行き、電車で白馬大町駅に戻る。バイクにまたがり家へ。 今シーズン1番の素晴しい登山は大盛況のうちに終了した。ビバ八峰キレット! ちゃんちゃん。 |
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