朝4時50分に目覚める。ケータイのアラームより早く起きた。同泊した2人組は既に出発していた。昨日の話では4時出発とか言ってたなー。暗い中行動して怖くないんかなー。 伸二郎は暗いのが怖くて仕方が無い。もともとネガティブなので暗いと全ての事がマイナスの方向にしか考えられんくなってしまう。夜、暗いテントの中で考えることはいつもマイナス方向だ。 ところが、朝明るくなって外に出ると、暗い中考えていたマイナスの事など全て吹っ飛んでしまう。人間の感性(伸二郎だけかも)とは実に不思議なものだ。 まー、そんなわけで伸二郎はいつも明るくなってからしか行動しないのだ。 で、この日も明るくなった6時30分出発。 空には雲ひとつ無い晴天。聖岳もくっきり。今日もいい日になりそうだ。 稜線の分岐まで登り返すと、同泊の人の荷物がデポしてあった。伸二郎も不要な荷物をデポして聖岳に向かう。 |
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朝、外に出ると、素晴しい快晴。マイナス思考も吹っ飛ぶぜ | |
稜線の分岐には同泊者の荷物がデポしてあった。 | 聖岳もくっきり。今日も素晴しい一日になりそうだ。 |
分岐から小さなピークまでは急登。いったんピークに出ると、目指す聖岳と手前にある小聖岳が見える。 「まだまだ遠いな」と思っていたら、風が強くなっていることに気付く。振り返ると、稜線の山々が笠雲に飲まれていく。 やばい。あの類の笠雲にはろくな思い出が無い。あいつらにやられてしまう前に聖岳に登りたい。 「晴れててくれよ聖岳」と願いながら急登をえんやこらと登ると、やがて森林限界を迎えて風が強烈になってきた。 ハイマツのガレ場を登りきると、ででーんと聖岳登場。素晴しい。ここが小聖岳だ。 |
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小さなピークより小聖岳と聖岳を望む。標高差あるなー。 | 振り返ると稜線の山々が笠雲に飲まれていた。やばい。 |
小聖岳につくと正面に聖岳が聳えていた。素晴しい山容だ。 | |
聖平には結構雪があったが、小聖岳や聖岳にはあまり積もっていないようだ。ちょっと安心。 東には富士の姿もあった。南アルプスはやはり富士の眺めが良い。 小聖岳から聖岳にかけてはちょっとヤセ尾根。西側は断崖となっており、危険。ただ、岩場とかではなく、注意して歩けば問題は無いだろう。 |
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小聖岳より富士を望む。南アルプスは富士の眺めが良い。 | 小聖岳から聖岳まではヤセ尾根が続く。西側は断崖となっているので注意。 |
強風にさらされながら稜線を歩いていると、東側から雲が湧いてくる。さらに進んでいくと、西側からも雲が湧いてきてついに飲み込まれたかと思ったとき、あるものに気付いた。 西側の雲に虹が見える。そう、ブロッケン現象だ。 初めて見るブロッケン現象に、ガスの中も悪いばかりではないなと思う。でもやっぱ晴のほうが好きだ。 ヤセ尾根を終えると、聖岳への急登が始まる。ガレ場のをジグザグに登る急登はなかなかえらく、すぐにバテバテになる。しかし、聖岳は依然として晴れたまんまでそれを勇気に登り続ける。 振り返るとさっきまでがっぽり覆われていた稜線の山々が少し顔を出していた。また、西を見ると、中央アルプスの笠雲はすっかり取れていた。 やった、笠雲の危機を乗り越えた。 |
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初めて見たブロッケン現象。うれしい。 | 聖岳への急登。かなりキツイ。 |
振り返ると稜線の山々が少し顔を出していた。雲が取れたんだ。これで今日の晴れは確定だ。やった。 | |
笠雲がかかる心配も無くなり、後は急な斜面を登りきるだけ。しっかし、えらい。あとちょっとだと言うのに足がおっつかん。 そんな時はやっぱりシーシーでしょ。ガツンとシーシーを飲んで復活すると、今までよりわずかに良いペースで登りきり、見事頂上到着。快晴。ありがとう聖岳。 |
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キツイ時にはやっぱりシーシーでしょ。 | 快晴の聖岳頂上。雲にも負けずにいてくれて聖岳に感謝。 |
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