猫とバイクを愛する男のツーリング、登山、
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その2



薬師岳から観音岳までは開放的な稜線歩き。「白砂の日本庭園」とも呼ばれる花崗岩の美しい稜線は鳳凰三山のハイライト。傾斜もきつくなく、楽しい山歩き。
稜線は景色も素晴らしい。谷を隔てて正面には白峰三山を始めとする南アルプスの主峰群。素敵だ。
観音岳頂上付近で振り返ると、花崗岩の独特な稜線の向うに富士。絵になる風景。やっぱり南アルプスの景色と言えば富士だなぁ。
観音岳頂上まで来ると、甲斐駒、地蔵岳の景色が広がる。こちらも素敵。

地蔵も甲斐駒も白い花崗岩の山。鳳凰三山から甲斐駒に続く稜線はずっと花崗岩地質なんだな。
しばし頂上からの眺めを楽しんだ後、地蔵に向けて歩き出す。結構疲れていたので、途中、鳳凰小屋の分岐で地蔵に行くの辞めて鳳凰小屋に行こうかとも思ったが、地蔵へ行くことにした。

今日行かんかったら次はいつ来るかわからんからな。

しっかし、地蔵まで30分はキツ過ぎだろ。コースタイム書いたやつ健脚だなホントに。
分岐からさらに下ると登り返しとなる。大して上り返さないかのようで、結構足にくる。はぁー、こっから地蔵までトラバース道でつながってたらなぁ。。。
上り返しの途中、激しく曲がった木を見かける。ダケカンバかな?そういえば、前に来た時もこうゆう木が気になったっけ。風が強い稜線なんだな。
バテバテになりながら赤沢の頭まで登り返すと、地蔵はすぐ。いよいよあのトンガリに再挑戦するのか。疲れからか、全然勝てる気がしないな。
いったん鞍部まで下り、ザックを置いていざオベリスクへ。

だんだんと近づくに連れて、どんどん岩が大きくなっていく。遠くから見てるとすぐに登れそうだが、実際にはとても大きくて、傾斜も強い。ぬぅ、おっかねぇ。
それでも着々と歩みを進めて、いよいよ頂上が近づく。さらに大きくなる岩にビビりながらもなんとか上からかかるザイル1本に手が届くとこまできた。しかし、ザイルが細く、これだけでは心細い。

もう一本、もう一本つかみたい。しかし、手が届かない。足をかける場所を探すが、確実な場所が見つからない。冷静に探せば見つかったかもしれないが、かなりの恐怖心にそんな余裕も生まれない。
もしかしたら、別の場所から横に進みながらあのザイルのところまで行くルートがあるかもしれないと、いったん降りて、岩の横に回り込む。

が、そんなルートはなく、やっぱりあのザイルに手が届くとこまで登るしかなさそうだ。

落っこちれば死ぬ可能性が高い。あの細いザイルに命を託すのもおっかないし、根性でもう1本のザイルが届くとこまで登るのもおっかない。

少し、考えて、今回もあきらめることにした。ふぅー、今回も完敗だ。
気づけば目の前には観音岳と富士が綺麗だった。オベリスクに登れなかったのは残念だが、綺麗な景色が楽しめたので良しとするか。
青空にそびえたつ尖峰はより高く、より大きく見えた。あのてっぺんに立つ日は来るのか。。。
無念な気持ちと、無事でほっとした気持ちが入り混じった中、鳳凰小屋へと下って行く。今日はちょっと疲れたから早くテントに立てて寝たいなぁ。
砂の急斜面を下ったあとは森の中の道。やがて細く急な尾根道の下りとなる。
下りきると沢にぶつかり、そこに鳳凰小屋があった。小屋には意外にもまだ人がいた。今日が最後の営業日らしい。

テントの受付(800円/1泊)を済ませ、小屋のすぐ裏にあるテン場に行く。テン場はフラットで綺麗だ。小屋も隣だし、トイレもすぐ近く。水場も近くとなかなか条件の良いところだ。800円と少し高いが、納得はいく。
水は小屋の隣を流れる沢で汲む。沢への下り口は観音岳への登山道。沢は冬でも枯れないらしい。また、トイレも冬の間開放と、冬季でも安心してテン泊できるようだ。ちなみに、冬季小屋もある。

テントを立てて夕飯を食べ、しばしぼーっとしたのち、就寝。明日も晴れますよーに。。。


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