杓子平からはいったん平坦な道となる。カールのような杓子平は暑く、冷たい飲み物が無性に飲みたくなった。少し離れたところに雪解けの沢が出きていたが、ちょっと行くのが大変だ。 ふと見ると登山道の横に雪解けの小さな小さな流れができていた。心配性の伸二郎はちょっとピロリ菌がいないか気になったが、すごく弱いながらも流れているので大丈夫だろうと飲むことに。 いやー、冷たくて美味しかった。最後の方はちょっと嫌な味がしたが、きっと大丈夫でしょ。 |
||
そしていよいよ気になる雪渓に突入。が、遠くから見えていたちょっとおっかない感じとは異なり、実際には楽勝な感じだった。 雪渓を歩いたり、夏道を歩いたりで、一つ一つの雪渓を歩く距離は短かったし、ステップも切られてたり、ステップが無いところも雪が固くないので蹴り込んでステップを切るのはそれほど難しくなかった。 7月も中旬になるとアイゼン、ピッケルは無くても良いかなと思った。まー、持ってこればより安心できるので持ってきて損は無いけどね。 |
||
雪渓後半になるとふくらはぎがだんだんと疲れてくるが、美しい槍穂の景色が後押しをしてくれる。笠新道は本当に眺めが良い。キツイながらも良い道だ。 | ||
最後は少し傾斜の緩くなった道をジグザグに登る。夏道が出ているので歩きやすい。稜線まであと少しだ。 | ||
稜線まで登りつめると少し抜戸岳方面へ歩き、展望の良い場所で休憩。稜線の向うには黒部五郎から水晶岳、鷲羽岳など黒部源流の山々。 | ||
谷を挟んで正面には槍穂の稜線。雲は少し湧いてきたが、これだけ見れれば十分。良い日に来れたな。 | ||
そして南にはこれから歩く笠ヶ岳への道。なだらかに裾野を伸ばす姿は実に美しく、ハイマツの緑がまたいい感じだ。この景色が見たかった。頑張って登ってきた甲斐があった。 | ||
笠ヶ岳をちょっとアップ。美しさと豪快さを兼ね備えた山容。山容が美しいと言えば槍や剱だが、笠ヶ岳も負けず劣らず美しい。槍穂の影に隠れがちだが、本当に良い山だ。 | ||
十分に休憩した後、気持ちの良い稜線を歩き出す。目の前には常に笠ヶ岳の姿。高低差も少なく、景色も良く実に気持ちが良い。 | ||
振り返れば歩いて来た道のりと槍穂の景色。どこを見ても良い景色。 | ||
小さなアップダウンを繰り返すとだんだん笠ヶ岳が近づいてきた。相変わらず山容もハイマツの緑も美しい。 | ||
近づくほどに笠ヶ岳は大きく、迫力を増す。よく見るとテン場が見える。最後にちょっとした登りがあるが、テン場まではもう少しだ。 | ||
最後の登りで少しバテたが、14:00過ぎに無事テン場到着。重い荷物を下ろしてまずは休憩。ふぅー、疲れた。 腹を満たしたらテントを設営。うーん、想像通りの素晴らしい景色だ。人も少なく、今日は実に快適だ。 |
||
ただ一つ残念なのがトイレの遠さ。トイレはテン場には無く、10分程登った先にある小屋(山荘)まで行かないといけない。ちょっとした罰ゲームに近い。 伸二郎は小をペットボトルで済ませていたが、そんな人は少数派だ。結局、めんどくさくて山荘まで行く人はほとんどおらず、多くの人がそこらへんでトイレを済ませている。山の環境は汚れるばかりだ。 テン場代を上げても良いし、入山料で対処しても良いので何としてもテン場にトイレを置いてほしい。笠ヶ岳山荘さん、ぜひぜひ頼んます。 |
||
ちょいと休憩したのち、テン場の申し込みと水の確保の為、山荘へと向かう。今日の山荘はまだ空いているようで外でくつろぐ人も少なかった。今日山荘に泊まった人は快適で良さげだ。 テン場代は800円、水はタダでもらえた。ありがたい。 |
||
山荘で三ツ矢サイダーを飲んでエネルギーを補充して山頂へと向かう。 山頂は山荘から20分程だった。槍穂はしっかり見えていたが、山荘を出る前から既に薄曇りになっていたので、6年前のような美しい景色は見れなかった。残念だが、明日の朝に期待するとしよう。 |
||
山頂から北側の景色。日の光が当たっていればとても綺麗な景色だったろうに。ちょっと残念だが、仕方ない。 | ||
北には黒部五郎や薬師、遠くには立山の姿。ここから見る黒部五郎は鷲羽や三俣蓮華から見る姿とはだいぶ印象が異なる。カールが見えないと黒部五郎とわからない位だ。 | ||
南には焼岳と乗鞍の姿。乗鞍の左に見えているのは十石山だろうか、今まで意識したことが無かったが、なかなか良さげな感じだ。いつか登ってみようかな。いつが良いかな?秋か冬かな。 | ||
頂上で少しの間、晴れてくるのを待ったが、一向に薄雲は取れそうになかったので諦めてテントへと戻る。 テントに戻る際、隣のテントがピンと外張りが張られているのを見てふと立ち止まる。実は伸二郎のテントはいつも外張りが緩いため、内張りにくっついて、それがずっと気になっていたのだ。そういう仕様かとも思ったが、過去にテン場で同じテントでピンと張られているのを何度も見て疑問だった。 これは良い機会だと隣のテントをまじまじと見て、違いが分かった。伸二郎のテントは外張りを内張りにつないでいる部分の引っ張りが弱いのだ。きっとこいつに違いない。ようやくわかった気がしてなんだかスッキリ。これで今度からは外張りがべっとり内張りにくっつくことが無くなるだろう。。。 |
||
さて、謎もわかってすっきりした後は夕食タイム。窓を開けて素晴らしい景色を見ながらカレーを食べる。この景色を見ながら夕食が楽しめるんだ。食材はともかく、雰囲気はなかなか贅沢じゃないか。 寒さの苦手な伸二郎でも窓を開けて寒くないのは夏山ならでは。やっぱ夏山は良いね。 |
||
夕暮れ時になって雲が増えてきたので楽しみだった夕焼け撮影会の気力が下がってしまった。明日も晴れよそうなので今日の夕日を頑張るよりも明日の日の出撮影を頑張ろうと後髪を惹かれつつも寝ることにした。きっと明日は素晴らしい朝日が待っているに違いない。。。 |
その1 | その2 | その3
笠ヶ岳 2014年7月 |