水晶小屋から水晶岳は40分ほど。雨もぱらついてきたし、晴れる見込みは薄い。行くか迷った。でもやっぱり、行くことにした。つかの間の晴れがあるかもしれない。そう思って。 山を登るときはかすかな望みでもあれば信じて進む気になれる。不思議だ。 ザックを置いて必要なものだけ持って歩き出す。初めのうちは平坦な道でとても楽だ。ライチョウと出会ったりしてそれほど悪い気分でない。 |
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途中から道は少し険しくなる。と言っても鎖場が続くようなことはなく、危険度は低い。 | ||
ガスっているので今どのあたりにいるかわからず、見えるピークを何度も頂上と勘違いした。そしてついに待望の頂上。 ・・・何も見えねー。頂上の碑が無ければここが頂上とすら気づかない。とりあえず、もしかしたら晴れるかもしれんと思って待つこと10分・・・雲が晴れることはなく、代わりに雪が降ってきた。 今日は諦めろってことね。水晶はまた来年チャレンジだな。 |
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水晶小屋まで戻るとザックを回収して鷲羽岳方面へ。今日は雲ノ平まで歩かねばならない。まだちょっと遠いな。 なだらかな道を行き、ワリモ北分岐で祖父岳(じいだけ)方面へ曲がる。なかなかの急傾斜の下り。 |
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下りきると分岐が2つあるが、曲がらずまっすぐに進む。このあたり、分岐が多く、特に視界が無いときは道を間違えやすいので注意。 | ||
祖父岳への登り返しは傾斜こそそれほどないが、疲れた身体にはなかなかきつかった。途中、ガスの中から黒部源流の綺麗な紅葉が見えた。今年は本当に紅葉が綺麗だ。 | ||
ガスで何も見えない中、辛い登りが続く。景色が見えれば疲れもそれ程無いだろうにガスが恨めしい。 ハイマツ帯を登りきるとケルンが立ち並ぶ祖父岳頂上。登山道はここで直角に曲がっている。注意していないとそのまままっすぐ進んでしまいそうだ。地図に迷いやすいと書かれているのも納得。 |
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祖父岳の急で滑りやすい坂道を下ると分岐にぶつかる。雲ノ平はこれを右に曲り木道を行く。 | ||
分岐を曲り木道を進んでいくと、ガスの中から雲ノ平のテン場が見えた。おおー、あと少しだ。と喜んだのもつかの間。。。 | ||
なんと目と鼻の先にあるテン場への道は通行禁止!植生の荒廃が著しい為って、ハイマツ帯を切り裂いて長い木道を引いてぐるーっと遠回りしているほうが何倍も植生に悪いのに、全然納得できん。 植生保護よりも山荘の別の思惑が見えてならない。 こいつのおかげでどっと疲れが増えた。やっとれんぜ。。。 |
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で、すぐ近くにテン場に行くためにぐるーっと遠回り。滑りやすい木道を行き、崩落した斜面を行き、再び木道を行きって・・・えらい時間がかかる。山と高原地図のコースタイムはこの辺だけやたらと厳しめだ。 コースタイムだと分岐から30分でテン場に着くように書かれているが、実際には45分はかかる。キツいコースタイムは訂正してほしいな。 |
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で、極めつけがこれ。テン場と逆方向にある山荘でテン泊の申し込みをしてくれと。疲れてたどり着いて、離れた場所にある山荘まで行くのは嫌がらせに等しいぜ。 | ||
申し込みをしに行く気力がわかず、とりあえず、先にテントを張ることに。ガスに包まれたテン場はちょいと一つ一つのスペースが狭かった。テントも張って、さー飯だって思いきや、なんと水場が涸れている。 今年は例年にない少雨で涸れたことのないここの水場が奇跡的に涸れたとのこと。うぬぅ、まったくもってやっとれん。。。 |
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水が無いと飯も食えん。ということで結局、山荘まで行くことに。暗い道を25分ほど歩くとようやく山荘に着いた。 中でテン泊の申し込みをするとえらい無愛想に対応された。気に入らねーな。どうも雲ノ平山荘とは相性が悪いみたいだ。テン場も含めて2度と泊まることはないだろう(ってすぐ来年泊まったりして。。。)。 |
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いろいろとムカついたが、何はともあれ、無事に今日歩き切ってホッとする。少し気になるのは両足のくるぶしの下が痛いこと。新しい靴がどうも合わないようだ。明日も長い道のりになるのでちょっと心配だな。。。 |
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裏銀座 2012年10月 |