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みずがき山 '05年10月



青年小屋からギボシへの登りは樹林帯の急登から始まる。秋とは程遠い残暑の中にも、少しずつ秋の足音は聞こえいた。

アキノキリンソウなどの高山植物や赤い実をつけたナナカマドを見ると秋山ももうすぐだなと感じる。
樹林帯の急登を終えると、ハイマツ帯となり、展望が開ける。そして、目の前にはギボシの荒々しい岩壁が見えてくる。

遠くから見ると、「あんな急な坂道、登れんのかしらん?」と疑いたくなるような道が続いている。
でも、近づいてみると、傾斜は急だが、特に垂直に近いとかそんなレベルの道ではない。遠くからでは分からんもんだね。

つづらになった道は一部、クサリのついた岩場もあるが、特に危険な場所は無い。
案外あっけなく登りきり、ギボシってこんなに近かったの?なんて思ってたら、目の前に先ほどのデジャブかと思う光景が飛び込んできた。

どうやらあれが本当のギボシの頂上みたいだ。そりゃ、そんなに近くは無いわな。
道はギボシ頂上へは行かず、南側を巻く。急な岩場のトラバースとなり、所々、道は細く、危険な場所もある。ここは結構注意が必要かな。
何度かあるクサリ場を過ぎると、ギボシと権現をつなぐ細い尾根に出る。道はそのまま権現へと続いていくが、ここからギボシ頂上は目と鼻の先。ギボシに登らぬ手は無い。

てなわけで、ちょいと登山道を離れ、ギボシ頂上へ。

3体の権現さん?が鎮座するギボシ頂上は伸二郎以外誰一人おらず、頂上独占。展望は素晴しく、権現岳よりも休憩しやすいのに。ここに来ないなんて皆もったいないなー。
ギボシから権現岳はすぐ。目の前には権現岳と頂上直下にある権現小屋が見える。権現小屋は絶好の場所に建ってるな。
権現と赤岳方面の分岐にザックをデポして権現頂上に立ち寄る。

大岩が印象的な権現頂上は相変わらず天を突く剣が印象的だった。
再び分岐まで戻ると、これを赤岳方面へ。ここからの南八ヶ岳主峰群の眺めは相変わらず素晴しい。
分岐からなだらかな道を行くと、すぐに急勾配の下りが始まる。
そして、有名なながーい梯子登場。垂直かと想像していたが、案外傾斜は緩く、危険度は低い。ゆっくり行けば何の問題も無いだろう。
梯子を下りきり、少し下ると、旭岳への登り返しが待っている。やれやれ、縦走路にアップダウンは付き物、がんばりますか。

そんな登山者を応援してくれるように登山道脇には多くの高山植物が咲いている。トウヤクリンドウ、秋の花だって知らなかったな。
旭岳の登りの途中、振り返るとギボシ頂上に飛行機雲が重なって、まるでギボシが噴火しているかのよう。少し面白い。ギボシも応援してくれているのかな。


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