思い立ったのは前日の夜だった。理由は今週末の天気予報がすこぶる良いのを見たからだ。最近、登山して無いし、今週行かんかったらスーパー後悔する。これは行くしかねーと思った。 どこに行こうか迷ったが、アクセスがよく、以前に登ったときに天気がイマイチだった空木岳に決めた。飯を食べ、準備を済ませ、家を出たのは0時近くだった。 中央道を走る。やけに車が多い。それもそのはず、今週はシルバーウィーク。皆気合を入れて出かけてんだね。 混雑した恵那SAで休憩を取った後、2時過ぎに駒ヶ根着。菅の台駐車場に着いて車内で寝たのは2時30分だった。明日起きれるかな。。。 朝6時30分、携帯のアラームで目が覚める。まだ眠っていたいが、これ以上遅くなるとピンチだ。寝ぼけ眼をこすり、あたりを見ると、なんと朝7時前と言うのに駐車場が満車に近い。恐るべしシルバーウィーク。 着替えを済ませ、7時15分、出発。今日は池山尾根を通り、空木岳頂上を目指す。駐車場から駒ヶ根高原スキー場方面に向け歩く。道端ではほんのり色づいた木々が綺麗だ。 |
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朝起きると、駐車場はかなりの台数。さすがシルバーウィーク。菅の台駐車場は夜間もやっており便利。 | 道端の紅葉がほんのり色づいて綺麗だった。 |
天気は上々。宝剣岳の山頂もクッキリ見える。今日はこのまま晴れが続きそうだ。 空木岳への登山口は駒ヶ岳スキー場のすぐ脇ぐらいにあるのだが、そこまでは道しるべが無いので、ちょっと迷った。看板が立ってるとありがたいな〜。 ようやくスキー場に着き、空木岳登山道が始まった。最初は森の中。熊出没の警告看板にちょっと怖くなり、鈴をつけて歩くが、うるさいのですぐに鈴を外す。まー、出んでしょ。 |
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遠くに木曽駒の姿が見える。今日は天気良さそうだ。 | 菅の台駐車場から空木岳登山口までは舗装路を歩く。特に道しるべが無いのでちょっと分かり辛い。 |
空木岳登山口。しばらくは森の中を進む。 | うーん、出るのか。まだ一度もであったことが無いからホントに出るってイマイチ思えんね〜。 |
登山道はなかなかの急傾斜ですぐにバテてくる。展望も無いし、なかなかつまらん。ここは忍耐と自分に言い聞かせ、ひたすら前へ。 植林された杉が立ち並ぶ森の中は高山植物も少し少なめ。たまにある高山植物に励まされながら、進んでいくと、林道と交差する。 この後、林道と何度か交差し、最後は林道を歩きとなりやがて、林道終点に着く。空木岳へ池山尾根を使ってピストンする場合、車はここまで入ってこれる。 |
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展望の無い辛い登山路の楽しみはやっぱりこれでしょ。高山植物は登山者のアイドルだ。 | しばらくは展望の利かない登山道。傾斜もキツク、結構辛い。 |
登山道は何度か林道を横切りながら進んでいく。池山ルートを往復する人は林道終点までは車で行くのが良。 | 登山道はやがて林道終点に着く。車は一台。林道利用者は少ないのかな? |
林道終点からはふたたび登山道となる。登山届けのポストもあるが、菅の台駐車場で出してきたのでパス。と言うか、ちゃんと取りに来てるのかな? さて、あいも変わらずの森の中の道。あまり面白くないが、スキー場〜林道終点間とは異なり、こちらは高山植物が豊富。やっぱ、原生林は違うね。 登山道脇にある花で良く見かけたのはコンギク。秋を代表する野花で登山道でも健在。いたるところに咲いていた。次に気になったのが、数こそ多くないが、その形が印象的なセンジュガンピ。花の端がギザギザしているのが珍しい。 |
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林道終点は空木岳の登山口となっていうる。池山尾根に登山する人はここで登山届けを出すみたいだ。 | 相変わらず景色の無い登山道では高山植物が唯一の楽しみ。 |
コンギクかな〜。よく目立っていた。 | とても印象的だったのがこのセンジュガンピ(だと思う)。 |
傾斜は多少緩やかになったはずだったが、それまでの上りの疲れか、あんまりペースが上がらない。池山小屋がとても遠く感じた。 その池山小屋、水場やベンチがあり良い休憩スポットとなっている。空木岳へはこれ以降、基本的に水場が無いので、水を持っていない人は補充しておきたい。(避難小屋に泊まる人は除く)。 |
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池山小屋までがとにかく遠かった。楽勝だと思ってたんだけどな。 | 池山小屋前には水場がある。飲める水みたいだが、煮沸して使ったほうが良さげ。 |
池山小屋から先、登山道は二手に分かれる。一つは登山道とかかれており、もう一つはパノラマ遊歩道と書かれている。この2つの道は再び合流するが、それぞれに特色がある。伸二郎は前回、登山道を通って、特に問題が無かったから今回も登山道を行く。 ネットで調べると、遊歩道のほうがなだらかで距離が少し長いそうだ。キツイ上りが嫌いな人は遊歩道を選択したほうが良さげだな。 さて、登山道を選択した伸二郎はそのキツイ上りにやられながらも順調に進み、上へ、上へと前進してきた。そんな伸二郎に思いも寄らぬ大危機が訪れる。 それはマセナギの急登を登っていたときのこと、前方を行くグループを追い抜き、いい気になって登っていた伸二郎に突如、猛烈な腹痛を襲ってきた。 「やばい、これはまさしく下痢の時の腹痛。駒峰ヒュッテまで持ちこたえれるか?」 腹痛の波はその後も定期的に、だんだん強く押し寄せてきた。うずくまって、腹痛をこらえてはまた立ち上がり進むを繰り返していた伸二郎だが、ついにこらえきれないと判断し、まずは後続のグループを前に行かせ、あたりを伺う。 誰もいないのを入念にチェックしたうえで、ザックから携帯用トイレを出す。実際に、これを使うのは初めてだったが、すんなりと出来た。ブツを入れた後はジップロックを2重にして完了。しかし、その後も、何度か押し寄せるウンコ波のたびに強烈な匂いを放つ携帯トイレを開け、ウンコを繰り返す。 結局、5回もウンコをして、小地獄、大地獄の手前でようやく腹痛は収まった。やれやれ。ウンコ地獄があるなんて、聞いてなかったぞ。 |
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池山小屋からは針葉樹林帯の急登。静かに、そして疲れる登山。 | 突然、伸二郎を襲ったウンコ波。度重なる高波にもまれ、ついにクサクサジッピーとなった。この後4回も波が来て。。。 |
池山尾根には小地獄、大地獄と呼ばれる危険箇所がある。毎年、死者が出るような文字通り危険な場所だが、見た目には危険と分からない。それはここの危険箇所が一般的に危険と思われがちな切り立った岩場とは違うからだ。 この小地獄、大地獄の危険箇所は普通の登山道っぽいトラバース路にある。斜面を横切る細いトラバース路は一見、大して危険とは思えないが、少し落ちた先がさらに急傾斜(崖)となっており、足を滑らせて落ちた人は崖下までまっさかさまらしい。 主に残雪期に多く発生するらしいが、無雪期でも十分注意したい。、 |
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大地獄、小地獄の前にある警告看板。この看板の前で伸二郎は下痢地獄に遭遇中。ぬぉー、腹いてえ。 | 一見、危険度が低そうな登山道だが、実はかなり危険。切れ落ちた谷側には木々が見えるが、その下は断崖。注意。 |
大地獄、小地獄を越えたあとも急登は続き、なんとここで伸二郎の左足がつってしまう。荷物もフル装備でないのに足がつるなんて。。。ちょっと自分の体力の低下にショックだ。 しばらく登山道で左足の痛みに引きつりながら休憩し、サポーターを左足につけて、再び登りだす。明日縦走大丈夫かな。。。 その後は足をいたわりながらのゆっくり登山。高山植物を写真に収めながらゆっくり、確実に進む。高山植物の写真を撮っていると自然と休憩ができ、疲れずに済む。高山植物の多い山はいいね。 |
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とてもキツク、長い空木岳の登山道でありがたいのは高山植物。トリカブトかな。紫が綺麗な花。 | 変わった形が印象的な花。サラシナショウマっぽいけど、なんか違う気も。。。 |
キツイ登りはひたすら続いたが、ようやくあたりの景色が見え出し、疲れを癒してくれる。木々の間から木曽駒方面が良く見えた。宝剣岳の三角峰はどこから見ても良く分かる。北アの槍みたいな存在だ。 景色が見え出してから少し登ると、空木岳避難小屋へ分岐に差し掛かった。ここまでこれば残りはあとわずか。安心感と疲れから腰を下ろして大休止。振り返った目線の先には南アルプスの主峰郡が綺麗に見えた。良い休憩地だ。 しばらく休んだ後、展望の良い尾根道を選び、先へと進んだ。登山道にあった紅葉(カエデ?)が赤く色づいてとても綺麗だ。今年は紅葉が早いかもしれないな。 |
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木々の間から見えた木曽駒ケ岳。もうすぐ展望の良い稜線に出られる。 | 避難小屋への道と空木岳の分岐点。ここから展望が開ける。 |
分岐からは南アルプスの3000m級の峰々が全て見渡せた。良いね。 | ところどころで紅葉が始まっていた。今年は少し紅葉が早いみたいだ。 |
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