猫とバイクを愛する男のツーリング、登山、
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その1
(千畳敷〜木曽殿山荘)

 分岐から5分と経たないうちに、やっとこさ空木岳頂上方面の展望が広がった。開放的で伸びやかな稜線の先には白い花崗岩の空木岳頂上が見える。思わず歓喜の声を上げる。この景色を待っていたんだ。ようやく出会えた。うれしい。

 北には遠く木曽駒が見える。ずいぶん遠いな。明日はあそこまで歩くんか。大変そうだな。

 さらに振り返った先には伊那谷と南アルプスがの稜線が一望に。雲が多めだが、はっきりと稜線が見える。素晴しい。

 四方の素晴しい景色に歓喜しながらハイマツ帯の稜線を行く。傾斜はきつくなく、景色もあいまって、ようやく楽しい登山になってきた。
森林限界を超え、広がる開放的な景色。これが見たかったんだ。疲れも吹っ飛ぶ瞬間。やったね。 北を見れば遠く木曽駒ケ岳に稜線が続く。木曽駒ケ岳遠いな。明日大変そう。
振り返ればいつでも南アルプスに出会える。稜線の形がクッキリしているので山の名前を覚えるのにぴったりだな。 空木岳の登山道には様々な形の岩があるが、その中でも印象的なのが駒石と呼ばれる岩。

 ハイマツの稜線には多くの奇岩が見られる。その中でも特に印象的なのが、駒石と呼ばれる巨岩だ。駒石は四角い岩で切れ目が縦横に入っていた。

 眺めているとなんだか無性に登りたくなり、登山道側から登れそうと判断して登りだす。すると割とすんなり登ることが出来た。駒石の頂上は平坦だったが、谷側は崖の直上にあり、落っこちたらこの世に戻って来れそうに無いので、ちょっと注意。

 駒石の上からは空木平にある避難小屋が良く見えた。なかなか綺麗だ。あとで聞いたが、避難小屋は一般的な避難小屋と異なり有料(1000円)で、中はとても綺麗らしい。その為か、結構人気で駒峰ヒュッテよりも先に満員になることが多いそうだ。
駒石には東側から登ることが出来る。てっぺんは平坦。ただし、谷側に落ちるとこの世に帰って来れないので注意。 駒石から避難小屋を望む。最近立て直したらしく、避難小屋とは呼べないほど綺麗らしい。

 駒石を降りて、再び稜線を登る。目指す駒峰ヒュッテはあと少し。危険箇所は無く、気持ち的にはだいぶ楽。時折きつくなる傾斜を一歩一歩確実に進んでいくと駒石から30分ほどで駒峰ヒュッテに着いた。

 今日はきつかったので喜びもひとしお。早速中に入る。中は想像とことなり、とても綺麗だ。山小屋の中にあってはトップクラスの綺麗さだと思う。宿の管理人に協力金3000円を払い、寝床を確保しに行く。この駒峰ヒュッテは寝具・食事無しの素泊まりの山小屋で寝床は2階だ。
駒石から空木岳へはハイマツ帯を30分ほど。景色が良く快適な山旅だ。 頂上へ10分と絶好の場所に立つ駒峰ヒュッテ。料金は3000円(協力金)。食事、寝具が無いので持参のこと。

 駒峰ヒュッテは頂上までわずか10分の頂上直下に位置する小屋で、小屋からの展望は素晴しい。小屋前のテラスでは空木、御岳、木曽駒をはじめ南アルプスの主峰が見渡せる。

 この日の宿泊客は全部で10人程と少なく、スペースがとても広く使えた。聞けば翌日、翌々日は40〜50人ほど予約が入っているそうな。また、木曽殿越山荘はこの日も満員だそう。こっちのほうが展望もよく快適なのにね。
駒峰ヒュッテのテラスでは絶景を望みながら休憩が取れる。御岳や木曽駒、伊那谷の眺めが素晴しい。 駒峰ヒュッテは避難小屋に毛が生えた程度と思ってたら大間違いだった。とても綺麗で快適だった。

 寝る準備をしているとシュラフマットが無いことに気付いた。1階に下りてあたりを確認するが、見つからない。どうやら途中で落としたみたいだ。どこで落としたか分からないので、とりあえず駒石辺りまで探しに行って、見つからなかったら諦めることにした。

 せっかく登ってきた道を引き返すのはとても辛かったが、まー、しゃあないか。あたりをキョロキョロしながら下っていくが、見つからない。半ば諦めかけて、最後駒石を登ったあたりを探すと、あったよあった。岩に挟まってるシュラフマット発見!

 いやー、もう見つからないかと思っていただけにうれしさ倍増。なんだか得した気分で駒峰ヒュッテに帰る。冷静になって考えればちっとも得してないのだが、まー、幸せな気分になれたので得したことにしておこう。
見つからないかもと思っていたシュラフマットも無事見つかりなんだかとても幸せな気分だ。諦めないもんだねぇ〜。 駒峰ヒュッテと空木岳頂上(後のピーク)。なんといっても眺めの良さが魅力的。お勧め。

 小屋に戻り、宿の管理人(とってもパワフルな爺さん=以降宿の親父と呼ぶ)に見つかったことを伝え、良い気分で夕食を取る。夕食は北海道ツーリング時に買ったセイコーマートのシーフードヌードル。これぞご当地限定の品だ(まー、ただのカップ麺ですけど)。

 カップ麺を食べ終わると、宿の親父が食事は済ませたかと聞いてくる。「はい、済ませました」と言うと「じゃあ、きのこ汁を作ったから食べなさい」と返す。話はなんだか噛み合ってない感じだが、とりあえず美味しくいただいた。ありがとう親父さん。
夕飯はカップ麺。タダのカップ麺では無い。なんとセイコーマートオリジナルなのだ。ま、そんだけなんだけど。 小屋のおっちゃんが出してくれたきのこ汁。素朴な感じで美味しかった。



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