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五竜岳その1
2007年10月6〜8


 一人ぼっちの寂しげな夜は果てし無く長く続いたが、いよいよ希望の朝がやってきた。外に出ると雲ひとつ無い快晴。空にはまだ星が輝いているが、東の槍穂稜線は明るくなっている。気温は低いが夜明けの美しさが寒さを紛らわす。

 明るい稜線から徐々に色を変えていき、漆黒の夜空へと続くグラデーションが素敵だ。いつ見ても夜明け前は美しい。
暗い空を徐々に照らし出し、美しいグラデーションを作り出す。いつ見ても夜明け前は美しい。

 まだ日の出には時間があったので、冬季小屋のテントを撤収して山頂を目指す。荷物満載の上りは夜明け前の冷えた体を温めるには十分だった。

 太陽が昇ってしまわないか心配だったが、夜明け前に間に合った。頂上は伸二郎一人。この美しい世界を独り占めだなんて贅沢じゃないか。2泊3日のプランにして本当に良かったな。

 徐々に明るくなってくると、遠くの景色も良く見えるようになる。朝焼けの稜線には南アルプスや富士の姿も見える。南アルプスの稜線の切れ目は北沢峠だろうか。
遠く富士の姿も。富士の手前にあるのは南アルプスだろうか?稜線の切れたところは北沢峠か? 山頂には誰もいない。夜明けの素晴しい世界を独り占めだ。

 東の空が一段と明るくなったとき、涸沢岳から輝く朝日が昇った。輝く朝日を見るとなんだか力がみなぎってくる。全てのマイナス思考もこの瞬間には吹っ飛んでいく。不思議な力だ。

 周囲の山々も朝日に照らされ、一日の始まりを迎えようとしている。昨日眺めた鷲羽岳は相変わらず堂々とした様が印象的だ。その向こうに見えるのは野口五郎や針ノ木岳だろうか。

 南にはどっしりと裾野をひく、乗鞍・御岳の両雄。それぞれいかにも独立方らしい姿が印象的だ。
涸沢岳付近から朝日が昇る。素晴しい一日の始まりを告げる。なんだか力がみなぎってくる。今日も頑張るか。
鷲羽岳。奥は野口五郎や針ノ木だろうか。 南には大きく裾野を広げた乗鞍とその向こうの御岳山が美しい。

 西側を見ると、今時分の立っている笠ヶ岳の影が朝モヤに映っている。富士山の影が雲海に映る様を雑誌で見てきたが、それと同じような感じだ。富士山同様、笠ヶ岳が綺麗な山容をしてるからだろうな。

 その影から目を移すと朝モヤが溜まって雲海のようになっている高山市街が見えた。そりゃ、あんなにモヤが溜まっていたら太陽の光も当たらず寒いわけだ。
今、自分が立っている山の影が朝モヤに映りこむ。ちょっと面白い。 西には朝モヤで雲海のようになっている高山市内付近とその向こうに白山の姿が見える。

 素晴しい朝焼け劇場を堪能した後、クリヤ谷コースに進む。今日は良いもん見たな。

 ガレ場オブザイヤーに選ばれそうなガレ場を下り、稜線を南下する。風も無く、朝日に照らされているので寒く感じない。今日はなんて快適なんだ。稜線の霜ヒゲもどこか暖か。

 柔らかな斜めの日差しの中、絶景の稜線を歩く。ビバ笠ヶ岳。
岩がゴロゴロした斜面を伝い、クリヤコースへと進む。 霜柱ならぬ霜ヒゲ(伸二郎命名)。地面からの冷気はすごいんです。
柔らかな朝日を浴びてクリヤ谷コースの稜線を行く。素晴しい景色を楽しめるこの辺りは実に気持ち良い。

 傾斜も緩く景色も良い稜線歩きがしばらく続いた後、稜線の分岐点で登山道は下へと急傾斜で下っていく。下った先は稜線の頂点を進まず、トラバース気味に進む。素晴しい槍穂の景色ともしばらくお別れだ。

 急傾斜の下りの前で笠ヶ岳を振り返る。相変わらず綺麗な山容をしている。しばし眺めを楽しんだ後、足元に注意しながら登山道を進んでいった。
振り返る笠ヶ岳の山頂。綺麗な三角形をしている。 稜線を左に下り、クリヤ谷へと向かう。もうすぐ、この素晴しい景色ともオサラバか。

 稜線の西斜面をつづら折れに下っていく。時折稜線のピークに出て東側の眺望が開けると、そこは断崖絶壁の上だった。ハイマツ帯の西側斜面と反対に東側はスパッと切れ落ちていてなかなかスリリング。

 下りきると稜線のトラバースとなる。少し下った後、上り返しとなり、上りきったところが雷鳥岩だ。雷鳥岩はそれほど雷鳥っぽくも無いかな。

 ここから先は笠ヶ岳の姿は見えなくなるので、しっかりとその姿を眺めておく。また、この雷鳥岩近くは道幅が広く、休憩には最低だ。伸二郎もイオンメイトを頬張り、これから続く急な下りに備えた。
下ってきたハイマツ帯。意外に傾斜はキツかった。 やがて登山道は山腹をトラバースぎみに進むようになる。
雷鳥岩。雷鳥に似てるとも思えんが。。。誰がつけたんだ? 雷鳥岩付近から見た笠ヶ岳。ここから先は笠ヶ岳の眺めは無い。しばし別れを惜しむように眺めていた。


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