朝5時20分、寝ぼけ眼の伸二郎のケイタイに電話がかかってきた。 「到着しました。下にいます。」 時間前に電話をかけてきたのは今回の登山のパートナー、グッチ谷口だ。どうやら、今回は前日までにカロリーメイトを買ってきたようだ。 2回目の登場なので、一応、グッチ谷口の紹介をざっとしておこう。 一言で言えばスペックオタク的野郎だ。二言目を追加すれば、実はなかなか思いやりがあり、良い奴だ。 |
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今回は節約の為に塩尻→蓼科間以外は下道ゴーゴーだ。目的地は白馬八方尾根スキー場。行く先長いな。 てなわけでのんびり進んでいく。「眠かったら運転変わるぞ」と伝えたが、そんな気も無く、マッハで寝る伸二郎を乗せ、グッチ号は順調に走行していく。そして10時30分、八方尾根スキー場到着。 準備を済ませ、おなじみのジャージ姿となったグッチ谷口(以降は時々ジャージマンと呼ぶ)と供にゴンドラ乗り場へ。登山口まではゴンドラと2本のリフトを乗り継いで行く。通しの料金は1800円(人1400円+荷物量400円)だ。 |
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登山の始まりはこのゴンドラから。10kg以上の荷物は有料。 | ゴンドラは楽チンだ。天気もここまでは上々。 | ||||||
ゴンドラとリフトの間には長野が生んだ国民的ヒロイン、上村愛子の記念撮影スポットもある。ためしにグッチをモデルに撮影をしてみると、なんとひどい光景か。やはり、ヒーロー、ヒロインにはある程度ルックスが必要なのだろう。納得したね。 |
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モーグルのアイドルも出迎えてくれて、良い気分。 | 上村愛子がこんなオヤジじゃなくて良かった。誰も応援しないだろな。 | ||||||
ゴンドラは箱の中に入っている分、暑いし、開放的でないが、リフトはとても涼しく、開放的だ。おまけにゲレンデは高山植物が所狭しと咲き乱れる。とても綺麗だ。花だけなら苦労して山に登らなくてもこっちで十分楽しめる、というよりこっちのほうが綺麗だろう。 さて、そんな楽しいリフトも終わり、いよいよ登山開始となる。登山道は右と左に分かれており、右は普通の登山道、左は木道が整備された遊歩道コースといった感じだ。 のんびり行きたいなら遊歩道コースをお勧めしたいところだが、この時期、中高生の団体登山が多く、遊歩道はそのせいでとても混雑する。で、結局、右の登山道のほうが空いている分のんびり歩けてお勧めだ。 |
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ゴンドラのあとはリフトを2本乗り継ぐ。リフトからは高山植物が綺麗だ。 | 八方池山荘からは木道が整備されているが、中学生?でごった返していたので、登山道を行く。こっちは空いてる。 | ||||||
去年もいたっけ。毎年の恒例行事なんだな。文句がある人は教師に言いましょう。 | 後立山連峰は高山植物の宝庫。天気が悪いときでも楽しめる。 | ||||||
登山道をしばらく登っていくと、遊歩道と合流し、一本の道となる。道はなだらかな稜線を進み、ピークをいくつか越えると八方池に着く。八方池からはガスでなーんも見れず。晴れていれば正面に白馬三山や不帰ノ嶮などが見渡せるのに、残念だ。 雲がかかってしまっては景色は期待できないが、高山植物は楽しめる。伸二郎はオッサンの仲間入りを果たしているので、高山植物が綺麗に見える。 一方、顔は親父だが、心はまだ若いらしいジャージマン谷口はまったく興味が無いみたいで、ひたすらブツブツ良いながら先を目指す。こいつは登山をしていて楽しいと思ってるのか疑問だな。 |
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尾根はガスで真っ白かと思いきや、以外にガス無し。 | 八方池からは残念ながら山の景色見えず。 | ||||||
ヤマホタルブクロ。なんど見てもこの愛嬌のある形は素敵だ。 | ニッコウキスゲ。いつ見てもクッキリ美しい。 | ||||||
道は程ほどに登りがキツクなり、伸二郎はバテだすが、ジャージマンは平然とした表情。聞くと、まだ全然キツクナイとのこと。八ヶ岳の時も思ったが、この男、体力は素晴しいものがある。鍛えていないとはいえ、高校時代に築いた体力はたいしたもんだ。 キツイ伸二郎は丸山ケルンまで言ったら大休止しようと誓い、それまでは小休止で我慢するが、一向に丸山ケルンが現れない。こんなに遠かったっけ?などと思っていたら、辺りの景色がなんか見覚えのあるものになってきた。確か、唐松山荘のすぐ近くはこんな景色だったような。。。 記憶は正しかった。実はすでに丸山ケルンは通過しており、もう唐松山荘に程近いとこまで来ていたのだ。どおりで、エライと思ったわけだ。。。 唐松山荘へはすぐだった。去年に増して巨大化した唐松山荘でテン場の受付を済ませる。一人700円(幕営料500円+トイレ使用料200円)なり。 |
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丸山ケルンはまだかまだかと言ってる間に唐松山荘がどうやら近くに。丸山ケルンに気付かんかった。 | 唐松山荘といつでもえらそうなグッチ。実際、なんも偉いとこなど無いんだが。。。 | ||||||
テン場は山荘の正面から下る道があるのでそれ沿いに行ったらわかると山荘の主人に教えてもらう。それに従い山荘のすぐ前の道を下るとそれらしき場所を発見。 しかし、妙に狭苦しいというか、なんというか、とにかくテントが張りにくくてたまらんのだ。しかも階段っぽいところは非常に降り辛いし。でも、先客も一人いるみたいだし、ここに張ることに。 少し地面に傾斜がついていたので、丁寧に丁寧に整地をしてやっとこさ張り終えた。いやー、今日の仕事は終わったなーと満足していると信じられない一言を聞く。 「そこ、テン場じゃありませんよ。テン場はもっと下ですよ。」 声の主は山荘の主人だった。 「ぬぁにー!さっきあんたが言ってた通りの場所じゃねーか。」 と心の中で叫ぶが、よく見ると、道はまだ下のほうへと続いている。聞けば、つづら折れに下っていくと、テン場にたどり着くとのこと。 そして、それは一瞬ガスが切れたときにようやく伸二郎たちの目に映った。 「あんなに下にあったのね。。。」 一度設営したテントを撤収して、坂道を下り、本当のテン場へとむかう。下り5分、登り10分ってとこか。こりゃ、トイレに行くのも大変だ。。。 |
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えっらい狭いテン場だと思っていたら。。。ここはテン場じゃ無かった。せっかく整地したのに。。。 | ホントはこっち。ガスで見えんかったね。小屋から50mは下っている。トイレがひどく面倒だ。。。 |
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