4/29 朝5時起床。結構ぐっすり寝れたな。テントは氷がついていたが、それでもさすがに4月末、真冬のような寒さはない。 コーヒーとお湯でもどすパスタで体を温めて、ぼちぼちと準備。空は良く晴れ渡り、目の前にそびえる前穂は白く輝いていた。良い一日になりそうだ。 しばしまったりしたあと、テントを撤収して出発。さー頑張っていきましょ。 |
||
徳沢から横尾までは林道歩きから始まる。よく整備された林道は歩きやすい。雪も明神から徳沢にくらべて少ないようだ。 | ||
しばらく歩くと夏道は雪に閉ざされ、道は河原へと進んでいく。車も通れそうな広い道を気持ちよく歩く。 | ||
河原を歩き始めて25分ほどで横尾到着。雪崩の影響やGWも始まったばかりとあってずいぶん空いている。天気は快晴で日焼けしそうだったので、日焼け止めを塗ろうと思ったが、忘れたことに気付く。 いかんいかんと小屋の中で探すと日焼け止めが売っていた。いろいろ売っていて上高地からの登山は便利だね。 |
||
休憩後、橋に向かうと、雪崩れによる通行止め解除のお知らせが貼ってあった。まー、ほどほどに気を付けます。 | ||
横尾から涸沢へはこの橋から始まる。スタートが橋ってのは、涸沢いくぞーって気分が盛り上がって好きだね。また木製の橋がいい味出してるよね。 | ||
橋を渡り、森の中へ入るとなかなかの積雪。確かに今年は雪が多いみたいだ。 雪は凍ってたりせず、アイゼンなしでも普通に歩けるが、登山道がところどころ不明瞭になっているので、道を間違えぬように注意は必要かな。 |
||
しばらく平坦な道を進むと、顕著な登りとなり、その後は細かなアップダウンを続け、だんだんと標高を上げていく。 ちょっと疲れた頃、展望が開け、目の前に屏風の絶壁登場。いつみても迫力あるね。 しかし、ちょっと気になるのは天気。さっきまで晴れていたのに、なんだか薄曇りのようになっている。今日は一日晴れるはずなのに、おかしいな。。。 |
||
さらに進んでいくとちょっぴり危ないトラバース。もともと細い道に雪が積もっているもんだから一層細く、危険。落ちても死ぬことはないだろうが、結構な怪我をしそうなので慎重に行く。心配な人はここでアイゼンをつけたほうが良いだろう。 | ||
滑り落ちそうな危険なトラバースを過ぎると今度は雪崩が起きそうなトラバース。この辺は意外に危険多いな。 危険個所を過ぎると雪の河原となる。去年はとても良い天気ですごく感動したが、今年は曇っていていまいち綺麗でない。さらに、デブリが多く、雪の美しさが感じにくい景色になっていた。残念。 |
||
ここでアイゼン&ピッケル装着。これ以降は傾斜もきつくなり、滑りやすいのでアイゼンをつけたほうがいいと思う。 | ||
今年はホントにデブリが多かった。特に本谷出合では横尾本谷、涸沢、屏風の頭の3方向からの雪崩がぶつかり、谷がデブリで埋め尽くされていた。いや、すごいな。 | ||
そのデブリの端っこを通り、涸沢へと向かう。天気は相変わらず悪く、ついに雪が降ってきた。昨年感動した景色も今年は白くぼけて綺麗でない。うーん、残念だ。 | ||
この後、雪はさらに強くなり、涸沢ヒュッテに着くころにはプチ吹雪となっていた。おい天気予報、全然話が違うじゃねーか。 涸沢ヒュッテは雪崩れを受けた影響で入口付近の様子が全然違ってびっくりした。 とりあえず、中に入ってテン泊の手続きを申し込むと、 「涸沢ヒュッテに到達するほどの大規模雪崩れが起きたので、テン泊料はいただきませんが、テン泊は自己責任でお願いします」 とのこと。 テン泊代がいらんのはうれしいが、素直に喜べんな。。。 |
||
まー、表層にあった大半の雪は雪崩てなくなっているから大丈夫だろうとテン泊決定。 夜の強風にテントがぶっ飛ばないように強力な雪壁を作ろうと頑張る。雪壁を作るのは初めてで、既に作ってある人のを参考にせっせと作る。 地面に積もった雪は表面が柔らかく、壁のブロックには向かない。15p位表面の雪をどかすとしっかりとした雪の層が現れるので、それをブロック状に切って辺りに積んでいく。 地面を掘ってブロックを作ると、地面が下がるので、その高さ(深さ)と積み重ねたブロックの高さの合計がテントの高さ以上であることが理想だ。 この条件を満たすために、伸二郎はなんと3時間もの間雪堀&ブロック作りにいそしみ、ついに要塞のような雪壁完成。いやー、我ながら頑張ったな。 |
||
さらに細かいところまで拘りたくなり、ピッケル、アイゼン、スコップ置き場を作ったり、出入り口の階段を作ったりして案外雪壁つくりを楽しんでいた。ちょっぴりビフォーアフターの匠の気分。 | ||
さらにそこからテントを張るのに1.5時間もかけてしまった。テント設営のポイントはペグダウンにある。 雪に差しただけのペグは外れやすいので、工夫が必要。伸二郎は雪にペグを刺した後、その上から固めの雪を15cm以上積んで圧雪してペグが外れないようにした。 この方法はかなり有効でかなり強烈な風が、吹いていてもペグは外れることがなかった。 |
||
この日はこれにて行動終了。天気も悪いのでどこにも行かず、ひたすら要塞の中で水作りに励んでいた。いやね、涸沢ヒュッテがまだ水出てなかったのよ。 てっきり水が出てるもんだと思い込んでいて、わざわざ徳沢で水捨ててきたのが裏目に出ちゃったな。GWの頭に涸沢行く人は念のため水をもってったほうがいいですぞ。 水を満足するくらい作り終えると、ご飯を食べ、就寝。明日こそ晴れてくれよ。。。 |
その1 | その2 | その3 | その4 | その5 | その6 | その7
2011年GW 涸沢トップへ |