今年は裏銀座に行こうと思っていた。本当は昨年行こうと思っていたが、大量の降雪により断念した経緯がある。結局、昨年は槍に登ったがその際飛騨沢から見た双六・三俣蓮華方面の雪景色を見て裏銀座への思いは強くなっていた。 計画では新穂高から入って黒部五郎を登り、有峰に下りようと思っていたが、有峰林道が6/1〜でないと通行できないとわかって断念。じゃあ、鷲羽と黒部五郎を登って戻って来ようと思っていたが、天気が持たなさそうなので、鷲羽だけ登ることにした。 4/24 予定より遅くなったが、まーまー時間通りに出発。昨年降雪で登れないかとドキドキした平湯峠は雪も無く平和に通過。新穂高登山者Pには24時過ぎに着いた。今年は連休が続かないカレンダーの影響か車はとても少ない。シュラフに潜り、明日以降の好天を願って就寝。 4/25 6:00起床。外は晴れているようだ。早く準備して行かねば。 準備をして外に出ると相変わらず車が少ない。なんてったって世間では普通の週末だもんな。こんなもんか。 |
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重いザックを担ぎ、新穂高のバス停まで歩く。新穂高には新しい建物ができていた。この建物の中にトイレがあり、24hr使うことができる。中は暖房が効いていて暖かで良い。登山届もこの建物で出す。建物外側の右端だ。 | ||
登山届を出して左俣林道に向けて歩き出す。林道の入口はゲートで閉ざされていた。まだ全然走れる状態じゃ無いからな。 | ||
しばらくは舗装路歩きだったが、ちらほらと雪が出てきて、やがてすっかり雪の上となった。ただの雪なら良いが、昼間融けた部分が朝の冷え込みで凍結しており、なかなかスリッピーで歩きにくい。アイゼンをつけようかちょっと迷った。 | ||
プチ雪崩跡に何度か遭遇したあと、大きな雪崩跡に出くわした。そのまま歩いて行っても良かったのだが、雪崩れの先の林道の落石とかが気になったので、いったん河原に降りることにした。 | ||
この河原まで降りるのが大変だったのと、河原から登りかえすのが疲れた。ワサビ平までは単なる林道歩きと思っていたが、思わぬ苦戦を強いられてしまったな。 | ||
その後は雪崩跡もあるが、特に大変なところはなくスムーズに進む。 | ||
樹林帯に入ったらほどなくワサビ小屋到着。もしかしたら人がいるかもしれないと思っていたが、皆無だった。小屋はまだ冬眠中のようだ。ここでしばし休憩。 | ||
ワサビ平からは平坦な林道を行く・・・と思ったら大間違いですぐに強烈なデブリ地帯が現れる。これまでとはレベルの違うデブリに四苦八苦。平坦なはずの場所が大変な上り下りに。こんなのが2,3続き、なかなかの体力を使う。噂に聞いていたが、実際なかなか凄いもんだ。 | ||
デブリを越えていくと小池新道との分岐に出る。まっすぐ小池新道を行こうか迷ったが、デブリが続く様だったのでいったん対岸に渡って左岸を進むことにした。 | ||
左岸はデブリも無く歩きやすい。もう少し早い時期ならずっとワサビ平付近からずっと左岸を進む方が楽な気がする。 少し上流に進み、デブリで埋め尽くされた沢を渡り、秩父沢を目指す。 |
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少し気温が上がってきたこともあり、足が埋まるようになったのでワカン装着。ワカンは軽い(両足で800g)ので気楽に持ってこれて良い。 | ||
雪があるので秩父沢をどこで渡るか分からなかったので適当なところで渡っておく。伸二郎はほぼ夏道に近い場所を渡ったが、皆さんはもっと上流側を渡っていたようだ。どっちもそんなに大変さは変わらないようだ。 | ||
秩父沢を渡り少し登って行くと槍ヶ岳が見えてくる。今日は良く晴れ渡り、向うに登っている人もさぞかし幸せだろう。 | ||
少し疲れたので景色を見ながら休憩。振り返れば穂高連峰。向うも良く晴れている。気温も暖かく、GWを実感。やっぱGWはこうでなくっちゃ。 | ||
腹も膨れたところで再び歩き出す。シシウドヶ原へ向けて広い雪の斜面を行く。今日の目標である弓折岳は正面に見えており、そんなに距離が無いように感じる。 | ||
が、そうそう簡単には近づかない。歩きやすかった斜面はシシウドヶ原に近づくにつれデブリで覆われだし、硬かったり踏み抜いたりと歩きにくい。背中の荷物もあってなかなか進まない。 | ||
ようやくシシウドヶ原に着くも疲れて再び大休止。ここからは左に見える大ノマ乗越まで登りつめ稜線に出るか、右に鏡平方面に進み、鏡平から続く尾根を詰めるかだが、今回は鏡平方面に進むことにした。 大ノマ乗越へはずっと沢筋を進むことになり、途中でタイムアップした時に泊まる場所が無いからだ。鏡平方面へは最初なかなかの急登。休憩直後で体力があるうちに登り切ろうと頑張る。 |
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が、さすがに疲れて小休止。振り返ると抜戸岳へ続く稜線が美しい。去年も飛騨沢から見たヒダのような稜線に目を奪われたっけな。 | ||
小休止を重ねシシウドヶ原からの急登を登りきると傾斜が緩み広い沢筋に出る。ここをまっすぐ行けば鏡平だが、 | ||
今日は鏡平には寄らず、弓折岳へと向かう。まずは右に見える尾根を登りつめる。弓折岳はすぐそこに見えるが、疲れと柔らかい雪に阻まれなかなか近づかない。 | ||
次第に天気も崩れてきてパラパラと雪が降りだす。雷は無いと思うが、雨が結構降ると雪崩れも気になるので、まずは早く稜線まで出てしまいたい。なかなかつかない稜線に焦りながらも前へ前へと足を進める。 稜線に近づくにつれ傾斜はさらにきつくなり、歩みはさらに遅くなる。疲れも限界に近づいたとき、ようやく傾斜が緩みだす。ついに稜線上に出そうだ。良かった。 ほどなく稜線上に出る。時刻は15:40。まだ時間はあるし、弓折岳は目と鼻の先に見えるが、もう登る気力は残っていない。でも残念な気持ちはほとんどなく、今日の寝床に無事つけた安堵感でいっぱいだった。さぁ、テントを張ろう。 |
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風もそれほどなく、暴風壁は要らんと思ったが、夜風に吹かれてテントがバタついたらゆっくり眠れないし、弓折岳に登らなかった分体力が残っているのでせっせと壁づくりに励む。 壁が程々満足いく大きさになったところでテントをこしらえる。夕日は見れない場所だが、平坦で安心できるし、目の前には槍穂の稜線が広がるし、十分だ。最高の寝床じゃないか。 |
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目の前に広がる槍穂の景色を眺めながら夕食。暖かい食べ物を口にするとホッとするな。コーヒーを飲んでまったりしたあと、翌日のルートを確認し、就寝。明日もロングコース。晴れると良いな。。。 |
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鷲羽岳 2014年GW |