猫とバイクを愛する男のツーリング、登山、
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その4



4/27
3:00起床。カップ麺を食べ、しばしまったり。テントを揺らす風は穏やかで今日の好天を感じさせる。準備をして外に出ると、雲一つない晴天が広がっていた。最高だ。

4:30、アイゼンをつけ、締まった雪原を歩きはじめる。まだ暗かったが、ルートは明確だ。真っ直ぐ鷲羽に向かって歩けばよい。雪山は晴れてさえいればルートは至って単純だ。
最初のうちは夏道でなく東側に広がる雪の斜面を行った。傾斜が緩いうちはこっちの方が歩きやすい。
やがて傾斜が少しきつくなると夏道へ移動し、つづらに登って行く。途中までは至って安全な道。
やがて空が明るくなり、夜明けを迎えようとしていた。振り返れば昨日歩いた双六から三俣蓮華までの斜面が淡いピンクに染まっていた。今日はこの3日間で一番の景色だ。
西鎌も淡いピンクに染まる。荒々しい槍穂の稜線もどこか穏やかで優しい表情に見える。
西を見れば大きなカールが印象的な黒部五郎。本当に特徴的な山だ。
景色を楽しんだら再び頂上目指して登って行く。ほどなく下から眺めていたあの雪壁にぶつかる。右のミックス帯を行ってもよさそうだが、雪も安定してるし、雪壁を直登することにした。

が、やっぱり登りはミックス帯を行けば良かったと思った。特に危険では無かったが、疲れて途中で休憩する際、ミックス帯なら出っ張った岩に足をかけて安定した状態で休めるのだが、雪壁は滑らんように常に斜面に正対していなくてはならず、気を緩められないし、足も楽にできなかったからだ。まー、より楽に登れる程度の違いなんだけどね。
雪壁を登るとちょっとした平坦地があった。足を休める為、景色を見て休憩。どうやら日が昇ったようで祖父岳と薬師が白く輝いている。薬師はいつか晴れた日にリベンジしたいな。
振り返ると真っ白な三俣蓮華の斜面がまぶしい。よく見ると昨日自分がつけたトレースが見える。途中で寄り道してるあたりに心の乱れが見えるな。
少し休んだら再び急傾斜を行く。ここからしばしミックス帯となる。傾斜はキツイが、雪が安定しており、アイゼンが効くので特に恐怖感はない。
登りきるとプチリッジとなり、渡るとちょっとした雪の吹き溜まりがあった。ここは平坦で休憩に良い。
振り返ればすっかり青くなった空に白い峰々が輝いていた。今日は本当に良い日だ。
ここまでこれば頂上はあと一息。ちょっと急登を登ればあとは平坦な道を行くだけ。鷲羽はもう目の前だ。
緩やかな道を満足感に浸りながら歩いていくと誰もいない鷲羽の頂上に着いた。最高の気分だ。



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鷲羽岳 2014年GW

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