7合目小屋からは麦草に行くかどうか迷った。今日の天気では行っても視界が無く、ただキツイだけになりそうだったからだ。さらにその先の稜線もコースタイムを見ると結構アップダウンがありそうで、展望が無かった時のショックはでかそうだ。 しばし迷ったが、結局麦草経由で行くことにした。午後から回復傾向という予報だったので晴れるかもしれないし、もし周回コースに行くことになったら麦草に立ち寄ることはこれが最後になるかもしれないからだ。展望が無かったら仕方ない。 |
||
この日麦草に登っている人はいないようで、トレースは無かった。残雪がところどころ残る登山道はとても歩きにくく、コースも少しわかり辛かった。 | ||
急登続きで何度も休憩し、ようやく麦草の頂上に着いたが、ガスが晴れることは無かった。まー、雨が降ってないだけましだと思うことにしよう。。。 | ||
麦草で少し休憩した後、木曽前岳へと続く破線ルートを歩き出す。この破線ルート、ちょっと危険かもしれないと気にしていたが、それ以上に厄介だったのはハイマツ漕ぎだった。 登山道はあるのだが、破線ルート故、ハイマツの枝払いなどがされておらず、登山道に伸びまくりなのだ。一部はハイマツのトンネル状態になっており、イライラが頂点に達してしまった。ここを通るつもりの人はあらかじめハイマツ漕ぎがあることを覚悟して臨まれたし。 |
||
ハイマツ漕ぎを終え、うっすら残る踏み跡と目印を頼りに進んでいく。辺りはガスに包まれ視界はほとんどなく、自分がどこを歩いているのかわからなくなる。なるほど、地図に迷いマークがつくわけだ。 ハイマツ漕ぎの後は急激に下って行く。草の着いた崩れやすそうな斜面を下って行くとガスが薄くなり、前方の稜線が見えた。今まではわからなかったが、確かに地図に書かれた通り崩落が激しいようだ。 |
||
それゆえ、登山道は尾根の一番上を通るのではなく、崩落していない東側の斜面に通されている。草の生える斜面でかつ登山者が少ない破線ルートとあり、ルートが不明瞭なところもちらほら。また、細かなアップダウンが多く想像以上に疲れる。 | ||
ひたすら我慢の稜線歩きが続いていたが、たまにガスが晴れる時間が出てきた。展望地からはそそり立つ牙岩とその向こうに木曽前岳の姿が見えた。このまま晴れてくれたらと希望を抱いたが、ガスはすぐにまた展望を奪っていく。なかなか思うようにはさせてくれないな。 | ||
牙岩はこの破線ルートで唯一危険マークがつく場所。どんな感じなのかと気になりながら取り付く。まずはちょっと頼りないハシゴで岩の上部へと向かう。 | ||
岩の上部に出たらかなり崩落が進んでいる痩せたプチナイフリッジを行く。ここが一番の危険個所。右側に落ちないように注意して歩く。 | ||
プチナイフリッジを過ぎると崩れやすい急傾斜のルンゼチックな場所を下って牙岩通過終了。上部のプチナイフリッジは風の強い日とかだとかなり緊張するかも。 安全地帯で牙岩を振り返る。天に聳える迫力ある姿。快晴で出会いたかったな。 |
||
牙岩を過ぎるとすぐに玉乃窪への巻き道と木曽前岳との分岐に出る。木曽前岳への登りが無い分、巻き道が良さげだが、この季節は逆に雪があって危ないので迷わず木曽前岳へ。 | ||
見上げる木曽前岳はなかなかきつそうだ。ちょっと休んだ後、気合を入れてレッツラゴー。 | ||
木曽前岳までは予想以上にきつかった。単に標高差があるからではなく、登山道が歩きにくいのだ。滑りやすい急傾斜の草付き、地味に邪魔になる木の枝、トラバースや細かい下りなど、実に歩きにくい。 | ||
最後は急な雪壁。アイゼンを着けようか迷ったが、ステップが切られていたので確実にステップを切って登って行く。トレースが無く、気温も低かったらアイゼンが欲しいところだ。 | ||
雪壁を越えるとようやく主稜線に出る。ここで植松Aコースと合流。ようやく不明瞭な急登から解放されてホッとする。ここから木曽前岳は岩交じりの平坦な道。さすがに破線コースに比べると目印が多く、コースも歩きやすい。 登山道は木曽前岳の最高点を通らず、頂上がどこかもわかり辛い。外から見た立派な山容に対し、意外なほどさみしい感じだ。ちゃんと頂上を通るルートにしといてくれよ。 |
||
木曽前岳からは玉乃窪に向けていったん下る。玉乃窪周辺は雪が多く、荒天時はちょっと迷いやすいかもしれないな。 | ||
鞍部に建つ玉乃窪小屋に着いたとき、久しぶりに登山者に会った。年配の方で7合目小屋から頂上に登り、下るとこだそうだ。結構疲れているので無事に下れるか心配だったが、テントも持ってきたとのことで安心した。 | ||
玉乃窪から木曽駒までがまたきつかった。標高差にして200mだが、これまでの登りで既に体力は限界近く、少しの登りでもかなりキツイ。おまけに展望が無いので疲れ倍増。まー、暗くなる前に頂上に着けそうなのでゆっくり着実に進むことにしますか。 | ||
ガスの中登り続け、16:00ようやく木曽駒頂上に到着。登りはじめから9時間。いやーきつかった。 しばしガスが晴れるのを待ったが、一向に晴れる様子も無いので、展望は明日に期待して駒ヶ岳頂上山荘へと下って行った。 |
||
駒ヶ岳頂上山荘の前には先客のテントが3、4張りほどあった。ちょっと予想はしていたが、小屋はまだ営業していなかった。まー、しゃあないか。 テン場はまだ雪の下だったので伸二郎も小屋周辺の地面が出ている部分にテントを張った。水はかろうじて小屋前に出ており、助かった。雪から水作るの大変だもんな。 |
||
夕食を取り、人がいることに少しほっとしながらシュラフに潜り込む。気温は低く、3シーズン用のシュラフでは少し寒かった。ちょっとアルプスを甘くて見たなー。風邪をひかぬようにしっかり食べて就寝。明日晴れますよーに。。。 |
その1 | その2 | その3 | その4
木曽駒ヶ岳 2014年6月 トップへ |