小屋に着いたのは14時近くだった。まだ時間はあるが、見上げる越百山はとても遠くに見え、登る気力もなくなっていた。 そんな時、越百山頂上から降りてきた日帰りの登山者が遠くに見えるが、1時間ほどで着くよと教えてくれた。うーん、どうしよう。 越百山の上空には雲ひとつ無い最高の青空が広がっている。木々の生えない頂上は開放感に溢れているようだし、でも明日また登るし・・・なんてウダウダ考えていたが、明日晴れる保証も無いので、登っておくことに。 |
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不要な荷物を小屋に置き、軽くなったザックを担ぎ、頂上へ向けて上りだす。始めは森の中の急登。荷物を軽くしたとはいえ、足に疲れが溜まっているので結構キツイ。 | ||
森の中の急登を終えると、森林限界を向かえ、展望が開ける。相変わらず急登は続き、結構きついが、素晴しい眺めが登る元気を与えてくれる。 特に振り返った御嶽山の眺めは格別だ。木曽の深い山並みにの向こうに大きく裾野を広げ、圧倒的な存在感でたたずむ姿は木曽を代表する山に相応しい。 |
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急登は最後まで続き、バテバテになりながら何とか頂上に到着。いやー、きつかった。 でも、きつい登りをこなした甲斐は十分にあった。頂上に着くと、まず目の前に広がる南アルプスの稜線に目を奪われた。スカッとした秋晴れで、南アルプスの全山が見渡せた。素晴しい。 |
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特に荒川三山と赤石岳、聖岳の景色が美しい。 うーん、荒川三山、赤石岳は来年なんとしても登っておこう。 |
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そして、北には南駒ケ岳とその前衛峰として立ちはだかる仙涯嶺がどどーんと聳える。なんとも立派な山だろう。こんな立派な山が中央アルプスにまだあったなんて。もっと皆に教えてあげたいね。 | ||
山頂から少し北に進んだ小ピークからしばし南駒ケ岳の雄姿を眺めた後、山頂に戻ろうとしたときちょっと好きな景色にであった。 先ほどまでいた頂上が空に向かってなだらかに聳え、その両脇には南アルプス、中央アルプス最南部の山が寄り添っている。空に向かって続く稜線、なんだか好きなんだよね。 |
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頂上に立って、一通り景色を見渡したら帰ろうと思っていたが、あまりに素敵な景色にすぐ戻るのがもったいなくて、夕景を楽しむことにした。 だんだん日が傾いてくると、あたりは柔らかな色合いに包まれ、いっそう素敵な景色が広がりだす。恵那山へと伸びる中央アルプス最南部の稜線も優しいシルエットに包まれ、とても綺麗だ。 この夕暮れ前の柔らかな色合いは中央アルプスならでは。本当に素敵だ。 |
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越百山は空木や木曽駒ケ岳と同じく花崗岩の頂上。印象的な奇岩が作り出す雰囲気は良いアクセントとなり、夕景を引き立てる。 | ||
やがて太陽は最後の輝きであたりを照らし、地平線へと向かう。空は青く、地平線はオレンジ色に染まり、地上の山々は影絵のように黒く、それが良いアクセントとなり美しい景色を作り出す。 空木に登ったときも思ったが、中央アルプスから見る夕景は今まで見た稜線からの夕景で一番綺麗だと思うな。 |
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やがて、太陽が地平線に沈みそうになった頃、越百小屋へと下り出した。秋は日が沈むとあっという間に暗くなるから日が沈む前に途中まで下りておかんとね。 | ||
夕景に満足し、小屋まで戻ってくると、中が真っ暗だ。もしやと思って中に入ると、だーれもいない。どうやら、今日は伸二郎一人だけみたいだ。誰もいないと気楽だけど、寝るときちょっと怖いんだよな。。。 とりあえず、夕食を食べる。今日の夕食はアルファ米に丼ぶりの元をかける即席丼。天水を溜めたタンクがあるかなと思ったが、残念ながら無いので、丼ぶりの元の温めは雪を溶かした水で行なうことにした。 雪から水を作るのは初めて。積雪が10cmと少なく、あまり綺麗で無さそうだったが、丼ぶりの元を温めるくらいなら問題ないだろう。 |
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お腹も満たされたのでトイレを済ませ、早速寝ることに。トイレは小屋の10mほど離れた場所に有り、とてもきれいだった。 一人の夜はおっかなかったが、シュラフにもぐりこむとすぐに意識が薄れていった。寝てしまえば怖いものなし。おやすみのすけ。。。 |
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