猫とバイクを愛する男のツーリング、登山、
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その2



4/28

3:30起床。カップ麺を食べてしばし地図を眺める。結局、どっちにしようかまだ迷っていた。昨日の夕方からは降雪はないので、表層雪崩は今日の朝までに済んでるハズと勝手に解釈して飛騨沢を行くつもりだが、やっぱり心配だ。

うーんと悩んでもやっぱり答えは出ず、とりあえず槍平まで行こうと準備開始。

準備をしてると一緒に泊まった人が先に出発していった。飛騨沢を行くそうだ。少し気持ちが楽になる。

伸二郎も準備を済ませ、5時過ぎに出発。滝谷から望む稜線は少し雲が残っていたが上空は綺麗に晴れており、今日の晴天は間違いないようだ。
滝谷を横切ると細い谷を進む形になる。トレースは先行者のものがあるが、踏み固められてはおらずツボ足だと案外雪に埋まる。

少し進むと沢まで到達するデブリがあった。昨日上から引き返してきた人が言ってたものだろうか。先行者以外のトレースが無いので昨日起きたものだろう。
このあたりから足がさらに埋まるようになったのでスノーシューに履き替える。今回は大活躍だな。
そのあとは基本的に沢の真ん中付近を進んでいく。これが雪崩に対し、一番安全なルートだろう。

左右にはところどころ雪崩れそうな急斜面があるが、雪は案外落ち着いているようだ。気温が低い朝方は大丈夫そうだ。
少し疲れて振り返ると涸沢岳を朝日が照らし、かかる雲も相まって日本でないかのような迫力ある景色となっていた。まるで冬だな。
沢筋を進み、少し森の中を行くと、平坦で広い空間が広がった。槍平だ。正面には小屋も見える。
槍平の冬期小屋は雪満載でつぶれないかと心配になる格好。それでも入口はちゃんと開いていた。利用者が結構いるんだろうな。
先行者に追いつき、少し会話を交えながら休憩。パンを食べていると先行者はまた先に出発していった。まっすぐ飛騨沢に向かって。伸二郎もパンを食べ終わったら同じく飛騨沢へ向かい進みだす。

途中、中崎尾根へのしっかりとしたトレースを見る。槍平に泊まったであろうパーティーは中崎尾根を選択したようだ。やっぱりこっちへ行こうかと激しく迷いまくる。
が、やっぱ雪は安定してるし、昨日のコースタイムからして中崎尾根だと今日中に辿り着けるかも怪しいので飛騨沢を選択。広く快適な飛騨沢を歩き出した。
ウダウダ悩んでいる間に先行者はずいぶんと先へ行ってしまった。踏み固められたトレースも無いのに早いな。

槍平から先の飛騨沢は明るく開放的でなかなか良い。積雪期だからということもあるだろうが、良いところだ。何よりも人が少なく静かだし。もっと人気が出ても良い気がするなぁ。
太陽が上がってくると稜線にかかっていた雲もほとんど取れ、天気は快晴に。北穂〜涸沢岳の稜線も美しい。
太陽が上がると急激に気温が高くなり、アウターやフリースを着てると熱いくらいに。動いている間はシャツがちょうど良い。やっとGWらしくなってきたな。

天気も良いし、最高だと思っていたらちょっとトラブル発生。急激な気温上昇でレンズの内部が曇ってしまったのだ。この大事な時に写真が撮れんなんてなんてこったい。
が、地道にレンズのズームを動かし続けていると30分ほどで曇りは取れ、撮影できるように。ふぅー、助かった。

その後も広く、快適な道が続いたが、この沢が右にカーブする場所を過ぎると急に細くなった。
写真ではわかり辛いが、右の斜面はかなり傾斜がきつく、立っているこの場所も結構な傾斜。さらに左の斜面もかなりの急傾斜と雪崩が起きてもおかしくないような地形。

急に緊張感が走る。左の中崎尾根にトラバースして取り付けば雪崩の心配からは解放されそうだが、トラバースによって雪崩れてしまう気がして踏み切れないし、地図を見るとこの場所さえ過ぎれば行ける気がする。

右正面に見えている木々がある場所まで急いで登ってしまおう。

早く登りきってしまいたいが、ザックの重さと新雪によるラッセルで思うように進まない。ドキドキの時間がしばし続いた。
ようやく木々のある場所までたどり着き一安心。ここなら雪崩の心配はない。雪は相変わらず柔らかく、重荷のラッセルは続くが、雪崩の恐怖から解放されたので心は軽い。
ちょっと疲れて休憩。パンをほおばりながら向かいの中崎尾根を眺める。小さなアップダウンをラッセルしながら進むパーティーがいた。やっぱりあっちはきついんだろうなー。


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槍ヶ岳 2013年4月27〜30日

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