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五竜岳その1
(遠見尾根登山口〜頂上)

 横尾で橋を渡り、涸沢方面へ向かう。横尾からしばらくは川沿いの緩やかな道だ。特に景色が良いわけでもないので相変わらず退屈だが、チラホラ高山植物が見れるようになる。夏とは違い、数はとても少ないが、それでも花を見るとどこかうれしい。
オニアザミかな。でっかいつぼみだった。 この花はよく見かけた。ちょっと調べてみたが分からない。なんて花だろうか?

 登山道はずっと左に屏風の頭を見ながら進むが、しばらくはその大きさを実感できない。やがて谷筋の視界が開け、北穂が姿を現すころ、屏風の頭の本当の姿に気付く。こいつはかなりの岩だ。

 山全体が岩。それが屏風の頭の印象だ。岩の間の少ない地面を使い、岩肌に木々が生えている。それが綺麗に色づき、単調な岩に彩りを与えている。あんな岩場で成長するなんて、植物と言うものはすごいものだ。
横尾からしばらくは谷筋のなだらかな道。屏風の頭を巻く形だ。 途中から見える北穂。最初は奥穂だと思っていた。方向感覚が分からなくなる。
屏風の頭は横尾側から見ると小さく感じるが、実はとてもでかい。いつまで経っても横にある。
屏風の頭の北側斜面は断崖絶壁だ。ところどころ紅葉していて美しい。 本谷橋で対岸に渡る。ここは河原に下りることができ、良い休憩スポットになっている。

 ゆらゆら良く揺れる本谷橋を渡ると、つづら折れの急登が待っている。しかし、そこまで急な傾斜ではなく、思ったよりもキツク無い。淡々と淡々と進む。そしてバテる。やっぱエライか。

 そんな中、登山道をふさいでデカいカメラを持つやからを発見。急登に心の余裕が無くなった伸二郎は登山道を塞ぐ様にムカつき、ぶっきらぼうにどいてくれと言う。まったく、素人カメラマンも道具だけ立派だな。良い道具をそろえる前にマナーってやつを勉強しとけっちゅうんだ。

 ムカつきながら歩いていくと、カメラマンの撮影仲間と思われし連中と、その仲間と思われし登山者がいることに気付く。結構本格的だな。何を撮っとるんだ?

 登山者は撮影者に合図をされ、せっかく進んだ道を戻ってくる。登山者はどこかで見たことがあるような気がして、すれ違いざま、リュックを見ると「田部井淳子」と名札がついていた。どこかで聞いたことがあるような。。。

 そう、この登山者は世界的に有名な登山家の田部井淳子さんだった。そして素人カメラマンと思っていたやからはNHKのカメラマンで、「金とく」という番組の収録に来ていたのだった。

 庶民の伸二郎はフツーにミーハーっぷりを発揮し、握手をして田部井パワーをもらった後、記念撮影をしてもらう。田部井さんの印象としては優しそうなオバチャンってな感じだった。

 あっそうそう、一緒にNHKのアナウンサーもいたな。こちらはちょっとドライな感じで好感は持てんかったな。
本谷橋を渡るとちょっと急登。といってもつづら折れに上って行くので、傾斜はそこまできつくない。 ちょっとサプライズ。世界的な登山家の田部井淳子さんにあった。NHKの番組の収録で来てるとの事。良い人です。

 ちょっとしたサプライズで気を良くし、急登を休憩せずに進んでいくと、視界が開けてくる。そして遠くに涸沢の姿もちらりと見えてきた。まだ結構あるな。

 森の中を相変わらずの急登をこなしていくと、やがて枯れた沢に出る。きっとここから涸沢という地名が出来たんだろうな。

 枯れた沢を進んでいくと、涸沢小屋と涸沢ヒュッテへの分岐に差し掛かる。これを涸沢ヒュッテ方面へと進むと、程なく涸沢ヒュッテ到着。
しばらく上っていくと、視界が開け、遠く奥穂が望める。 さらにずんずん上っていくと枯れた沢に出る。ここから涸沢って名前がついたんだろうな。
枯れた沢沿いを登っていくと、涸沢小屋と涸沢ヒュッテの分岐が有り、これを涸沢ヒュッテへ。ここを上り切ればヒュッテ。 涸沢ヒュッテは人気スポットらしく、とても綺麗な小屋だった。近くにいた登山者に聞くと、去年よりもさらに綺麗だとか。

 綺麗なヒュッテの横を通り、テン場に向かうと、急に目の前の景色が開け、大展望が広がった。すごい。こんなに素晴しいところだなんて気付かなかった。3000m級の山々が目前に迫り、圧倒される。色づく木々の紅葉も綺麗だが、何よりも山が迫り来る迫力に感動した。こりゃ、みんな来たがるわけだ。。。
驚いた。そして感動した。涸沢という場所がこんなに素晴しいとは思わなかった。屏風のように迫る山がど迫力で圧倒された。そして美しく色づく木々。いやー、みんなが来たがる訳だ。

 テン場の手続きを済ませ、場所を探す。既にテントは沢山張られていたが、何せ場所が広いのでまだまだ空きは十分にある。テン場をうろうろとしてヒュッテからどんどん離れていくと、ついに絶好の場所を発見した。

 あたりより少し小高い場所で、正面には奥穂・前穂がどどーんと聳える。実に気持ちが良い。ヒュッテから遠く、便は悪いが、大大大満足だ。なんだか不動産で丘の上が人気なのがわかった気がするな。
ヒュッテから一番離れた位置に素晴しい立地条件を発見。ここに決めた。ちょっと便は悪いが、最高の場所だ。不動産で丘陵地が人気なのが妙に納得。やっぱ雰囲気は大事だもんなー。

 テントをこしらえると、ご飯を食べ、いつものようにマッハで寝る。そしていつものようにあっさり目を覚ます。まだ21時30分だ。早く目が覚めすぎだな。。。

 結局、それから翌日のことをウダウダと悩み、なかなか寝付くことができなかった。寝る前にテントの外に出たら満点の星空が広がっていた。今年初めて天の川を見たな。やっぱりここで泊まってよかった。

 ちょっと粘って流れ星を2つ見て、翌日の晴天と安全を願い就寝。時刻は1時を過ぎていた。明日起きれるかしらん。。。


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