北穂からザックをデポしてあるところまで戻り、いざ奥穂への稜線へ。気合を入れるため、C.C.をぐいっと飲む。気合がのってきたぜ。 ちょいとしたピークを登りきると、さっそく岩場の稜線登場。久しぶりの本格的な岩場にうれしくなる。しかし、リーマン伸二郎は安全の為に秘密兵器を取り出す。剣岳スペシャルとして購入したヘルメットだ。いよいよ出番が来たようだ。 ヘルメット装着。超軽量ゆえ、頭の重さは気にならない。ただ、ちょっと視界が悪くなる。まー、しゃあないかと思いつつ、進んでいくと、どうも写真が撮りにくいのが気になる。ヘルメットのでっぱりがカメラを目の前に構えたときにとっても邪魔くさいのだ。 最初の内はしゃあないとこらえていたが、10分も経たぬうちにうっとおしさに耐えかねて、「こんなもんかぶっとれるかー!」とヘルメットを脱ぐ。そして、今回の登山でヘルメットをかぶることはもう無かった。なんちゅーか、俺には要らんもんな気がする。うーん、意外だ。 |
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気合を入れるときはやっぱこれでしょ。C.C.レモン! | ついにこいつをかぶるときが来たか!と思いきや、10分後にはうっとおしくて脱いでいた。活躍するときはいつ来る? |
ヘルメットを脱ぎ、気楽になった伸二郎はすこぶる順調に岩場をこなしていく。程ほどにスリルと難度がある岩場はとても面白く、気分爽快。そんな岩場が続くのだからやっぱり穂高連峰は良い。 しばらく行くと、長い鎖場登場。懐かしい。普段クサリを使わない俺が去年クサリを使わんと行けんかった場所だ。今年も使うことになるんかと思いきや、じっくり岩の形を見て行ったら、クサリを使うことなく行けた。時間のゆとりと体力のゆとり。冷静に岩場を見ることが出来る。今年は俄然勝てる気がしてきた。 |
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楽しい岩場が続く。これだけ岩場が続くのも穂高連峰ならでは。やっぱ穂高は面白い。 | |
落っこちたら這い上がってこれんだろうな。これくらいのスリルがまた良い。 | 昨年はこの鎖場で鎖を使わんと行けんかったが、今回は鎖を使わんでいけた。今回は行けるぜ。 |
岩場と緩やかな下りを繰り返し、鞍部に向かうとまたしても見覚えのある場所に来た。そう、ここは去年俺が敗退した場所。ヒザの激痛に打ちひしがれ、登山道を外して涸沢に下った場所だ。良く見ると、なかなかの傾斜ではないか。 良くもこんなところを下りる気になったもんだと感心して前を見ると、垂直に近い絶壁が圧倒的な迫力で迫る。この稜線の核心部、涸沢槍と涸沢岳の北壁だ。うーん、去年下りたくなった気持ちが分からんでもない。。。 |
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おお、懐かしい光景だ。去年はあそこで撃沈したっけな。 | こんなとこ良く行く気になれたな。まー、行けん事は無かったが。。。 |
目の前に広がる強烈な壁。いよいよ核心部に差し掛かる。ちょっと圧倒される。ほぼ垂直じゃねーか。。。 | |
小さなピークを越えると稜線の最低コルに出る。勝負はこれからだ。急に傾斜が強まった岩場を登っていくと、ちょっと心細くなるようなハシゴが登場。隣を見るとまっさかさまに切れ落ちる断崖。もう少しガッチリしたハシゴに変えて欲しいもんだな。。。 ハシゴを越えるとさらに恐怖感が増す細いトラバース。足の踏み場が十分でなく、スリル満点。大キレットの飛騨泣きに迫る恐怖感だ。こんなスリルのある場所は久しぶりだ。 ビビリまくりだが、「意地でもクサリは使わーん!」とさらにスリルを倍増させながら危険ポイントを乗り切る。いや、なんちゅーか、変なところでこだわりと言うかプライドが邪魔をするんだよね。まー、こういうところで安易に簡単な方法を選ばんことで技術が上がっているだろうから良しとするか。 |
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稜線の最低部のコル。勝負はここからだ。 | スパッと切れ落ちた断崖と、踏み場の狭いルート。大キレットの飛騨泣きに迫る恐怖感。さすが穂高。 |
その後もちょくちょく危険ポイントはあったが、最初のハシゴ&クサリ場程の危険度はなく、割とすんなり行くことができた。そのまま、最後のクサリ場を根性で乗り切ると岩がゴロゴロした斜面に出た。どうやら危険ポイントは終わったようだ。ホッとすると供に充実感に溢れてきた。結局、クサリを一回も使わずに行くことができて、達成感倍増だ。 ガレた登山道を行くと、程なく涸沢岳頂上についた。涸沢岳頂上で歓喜のガッツポーズをして、勝利に酔いしれる。ようやく、一年間あった心の遣えが取れた。素晴しい天気と眺めが広がる涸沢岳頂上は格別な思いに包まれていた。 |
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最後の鎖場を過ぎるとガレた場所に出る。これで危険区間は終了。ホッとするね。 | 涸沢岳頂上にて勝利に酔いしれる。見事去年のリベンジ成功。ぬわっはっはー! |
涸沢岳頂上にて絶景と戯れる。秋らしいすかっとした青空が実に気持ち良い。 | |
涸沢岳から穂高岳山荘まではガレ場の下り。今までとはうって変わってのんびりした気分。穂高岳山荘に着くと、既に何張りかのテントがあった。テン場は一つ一つの区画がきっちり分かれているため、ずいぶんとゆったり過ごせそうだ。結構いいところだな。 穂高岳山荘の前には広い石畳の広場があり、休憩をする人たちでにぎわっていた。寝てる人、昼ご飯を食べている人、仲間で談笑してる人など、みんなそれぞれの時間を楽しんでいるようだ。 伸二郎もしばし休憩をする。目の前には常念・蝶ヶ岳の美しい山容が広がり、足元には涸沢の紅葉が綺麗だ。カロリーメイトを頬張りながら、今日の午後の予定を考えていた。どうやら明日は朝から天気が悪そうだし、今日中に岳沢ヒュッテまで下ることにした。 岳沢ヒュッテ到着は17時位か、結構ギリギリだな。。。 |
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涸沢岳から穂高岳山荘まではガレ場の下り。 | 穂高岳山荘のテン場。朝日が美しそうだ。一度泊まってみたい。 |
穂高岳山荘。とても広い広場は憩いの場。思い思いに山のひと時を楽しんでるようだ。 | 穂高岳山荘と涸沢岳。穂高岳山荘は本当にいいところにあるな〜。 |
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