8月18日。「あーおーいそーらがー・・・」宇多田も歌っちゃいそうな一面のひまわり畑。名寄にある「智恵文ひまわり畑」は丘一面に60万本のひまわりが咲く。しかも、一つ一つの花がまたでかい。記念撮影にもってこいな名寄一押しスポットです。
その後、山の中のB級ロードを爆走し、大雪国道(R39)で層雲峡へ。層雲峡は柱状節理の岩盤が連なる景勝地。流星と銀河の滝は落差があり見事だ。それぞれの滝の前で記念写真を撮るが、片方の滝しか写らない。両方同時に写すには展望台に登らなければならない、とのことで仕方なく登る。
少し登ったところに展望台らしきものがあったが、道はまだ上に続いている。運動不足の体に鞭を打ち、「ひーこらひーこらばひんばひん」と登っていく。
「ひーこらひーこらばっ、ばひん、ばっひん」息も絶え絶えになった頃ようやく頂上が見えた。頂上で登った自分をほめまくり記念撮影を済まし、下っていくと先ほどの展望台越しに流星と銀河の両滝が・・・。「そんなバカな、上まで登った俺は一体・・・」
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名寄智恵文ひまわり畑 |
流星と銀河の滝 |
三国峠。全国どこにでもありそうな名前のこの峠は、全国のどの三国峠よりすばらしい景色を誇る。文句なし。絶景です。
三国峠まではあんなに晴れたのに、上士幌に入るとずどーんと曇り。雲、雲、雲、雲・・・やっぱこの地方は常に曇ってるんだ。
太陽が恋しく、すんごく長い登坂斜線で狩勝峠を通りマッハで十勝を抜け出す。富良野に入ると予想通り晴れていた。地図を見ながらハウスシチューのロケ地を探すが見つけられず、牛糞の臭いにやられたヘタレは。そそくさと日の出キャンプ場に行き寝るのでした。
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三国峠 |
富良野 |
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8月19日。今日も晴れ。やっぱこの地方はええ。天気がええ。「天気がよければ何でもできる。いくどー」と気合を入れ、宮沢りえが入った吹上温泉を目指す。「父さん、吹上温泉は熱いわけで、女の子はみんな水着を着ているわけで、シュウはいないわけで・・・」あーあーあああああーあー。
北の国からのテーマ曲が頭を流れる中訪れた吹上温泉はドラマのような雰囲気は無く明るい観光スポットと化していた。しばらく待ったが宮沢りえ(もしくは相当の美人)は来るはずも無く、のぼせて意識がもうろうとする中温泉を後にする。
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吹上温泉 |
吹上温泉からすぐの望岳台からは十勝岳の雄姿を間近に見ることができる。そのスケールは北海道サイズでやはりカメラには収まりきらず、下の写真は3枚の合成。 |
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望岳台 |
北海道には日本100名山がいくつかある。へタレは昔、NHKの「深田久弥の日本100名山」という番組を見て、いつかは100名山制覇したいと野望を燃やしていた。しかし、努力をしないヘタレは簡単に登れる100名山に的を絞り調べた結果、北海道最高峰「大雪山旭岳」はその条件にぴったり一致していた。
旭岳はロープウェーにより標高1600m地点まで労せず上がることができ、そこから頂上までは2時間ちょっとの登山だ。「こんなん余裕じゃ」と気分良く姿見の池で記念写真を撮り山に向かう。が、余裕だったのはここまでだった。実はロープウェー側からの登山は時間こそ短いものの傾斜が急で、足元も滑りやすい砂地というヘタレ殺しの急坂だった。そんな訳でヘタレのふくらはぎは「あっ」ちゅーまにパンパンに膨らみ、息も絶え絶えに休憩しているとフル登山装備の女の子が登ってくる。
「大丈夫ですか?私のパンとジュースで元気になってください」
「いやーありがとう。助かるよ。もし良かったら一緒に登らない?」
「え、いんですか?、うれしいな。ポッ」(赤面)
などと現実逃避の空想を上映していたが、当然そんなことは無く女の子は一礼をしてさっさと登ってってしまった。「パンとジュースだけでも・・・」
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旭岳ロープウェー山頂駅 |
旭岳登山の途中 |
「ひーこらひーこらばひんばひん。ひーこらひーこらばひんばひん。ひーこら・・・」
幾度と無く頂上の幻影をみて、幾度と無く女の子の幻影を見て、幾度と無くパンとジュースの幻影を見た後ようやく頂上に着いた。頂上はガッポリ雲の中で視界はゼロ。記念写真を撮るため雲の晴れ間を待っていると。いつの間にか抜かしていた、女の子が登ってきた。
「やあ、おつかれさん。えらかったでしょ?」
「早いんですね。少し惚れちゃった。ポッ」(赤面)
「まあね。今度一緒に猿投山(地元の山)に登らないかい?」
「えー、うれしー。ポッ×2」(赤面×2)
などとまたしても妄想にふけだすが、雲の晴れ間が出て記念写真を撮ると、女の子はさっさと奥へと出発してしまい、失意のヘタレも下山し始める。
「猿投山はマイナーすぎるか。やっぱ富士山でいくか・・・」 |
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旭岳山頂 |
旭岳山頂より間宮岳方向を望む |
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旭岳登山を終え、汗と脂でテカテカキングとなったヘタレが向かった美瑛の丘は、カップルや家族ずれ等の観光客であふれていた。
やはり、CMパワーはすばらしく、今までの観光地には無いお洒落な雰囲気にテカテカキングもやる気満々でCMロケ場所に行く。
しかし、実際の風景よりもCMのほうが良いように感じ、風景よりも撮影者の腕に感心し、美瑛を後にする。「うーん、何しにきたんだか・・・」 |
美瑛の丘 |
その夜泊まった旭川市内のキャンプ場は、駐車場より300mもリアカーを押して荷物を運ばなければならず、お洒落とは程遠いテカテカキング人生の現実に「やっぱ俺の人生はこんなもん・・・」 |