柔らかなピンク色に包まれた夜明け前、函館の街には朝靄がかかっていた。津軽海峡の向こうには下北半島の山々が見える。とても美しい夜明けだ。大沼にはガスが溜まっていた。ここにいるからこそ、こんなにも美しい夜明けの景色が味わえた。このキャンプ場に泊まって本当に良かったな。 | |
朝靄がかかる函館市内を眺める。夜明け前の静かなひと時。海の向こうには下北半島の山並みが見える。 | |
朝食を食べ、コーヒーを飲んでまったり。朝日は雲に隠れて見えなかった。うーん、残念。それよりも空にかかる鱗雲が気になる。天気崩れるのか? テントを撤収して、ゆったりと出発の準備。ゆったりでいいのだ。何せ、きじひき高原牧場へのゲートは8時にならないと開かないから。 8時を過ぎた頃、出発。まずはパノラマが期待できそうなその名も「パノラマ展望台」に向かう。パノラマ展望台からは確かにパノラマの景色が見えたが、キャンプ場からの景色が十分綺麗だった為、そんなに感動は無かった。パノラマ展望台に鎮座する三十三の観音様に見送られ、牧場へと進んだ。 きじひき高原は巨大な牧場になっており、ところどころに牛や馬の姿が見える。あまりに巨大な為、牛追いはオフロードバイクで行ってるくらい。広い牧草地い対して、牛や馬の数は多くない。この環境で育つ牛や馬はなかなか贅沢だ。 |
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きじひき高原のパノラマ展望台では観音様が眼下の人の安全・豊作を祈っている。 | 高原は広大な牧場になっており、牛の姿もチラホラ。牛追いはオフロードバイクで行っていた。広いね〜。 |
開放的な高原の中の道を快走する。なるほど、中高速コーナーが続き、走りが楽しめる。走り屋も来たがるわけだ。 道はしばらく牧場の中を走った後、急激に標高を下げ、谷間に下る。下りきったら国道にぶつかるが、その前にゲート登場。この牧場の西側のゲートはなぜか9時開門。キャンプ場のところは8時だったのに。まったく一緒でなくてもいいから15分違いくらいに抑えて欲しいな〜。 |
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広大な牧場と駒ケ岳。きじひき高原はとても気持ちの良い場所だ。 | きじひき高原への道は走り屋対策の為に夜間通行止めがなされている。朝の開門は東が8時、西が9時。注意。 |
きじひき高原を堪能した後、R227を快走して江差町に着く。江差の町はちょっとレトロな外観。鰊漁で栄えた古きよき時代をしのばせる佇まいの建物が続く。北海道にもこんな場所あったんだな〜。 |
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江差の古い町並み。新しい建物も、景観を守る為わざと古い感じで作られている。努力のおかげか、雰囲気が良い。 | |
バイクを降りて散策。まずは鰊漁の時代の建物がそのまま残る旧中村家へ。茶色い古そうな建物かと思いきや、案外白く綺麗な正面。中の見学は有料(300円)だ。 中は古い日本の民家と同じだが、かつての繁栄を思わせる広々とした部屋が印象的だ。この旧中村家の特徴は海側が低くなっており、直接船を乗り付けて鰊を家の中に運べるような作りになってること。今は全然想像もつかないが、昔は旧中村家の隣を走る国道の位置まで海だったらしい。なかなか頑張って道路作ったんだな〜。 |
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旧中村家は真ん中の白い建物。手前のかと思った。 | 旧中村家は有料で中が見学できる。それなりに意味はあるが、特にお金を払ってまで見る価値はあまり無いかな。 |
昔の江差はこのように民家が海に面して建てられており、船から直接民家に魚を水揚げしていたらしい。 | 今の旧中村家。手前は道路になっている。埋め立てて道路を作ったらしい。 |
さて、江差と言えば鰊そばが有名。江差の町には幾つか蕎麦屋があるが、あんまり入りやすい店が無い。その中にあってもっとも気軽に入れそうなのが追分会館にあるレストラン「江差家」だ。 店内は広々としており、快適だ。注文したのはもちろん鰊そば(950円)だ。鰊そばは白っぽいソバの上に香ばしく焼いた鰊が乗っているシンプルなもの。鰊は秋刀魚の缶詰みたいな味だが、秋刀魚より硬く、香ばしくボチボチ美味しい。イマイチだったのはソバで香りや味がとても薄く、美味しくなった。 |
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江差の名物はにしんそばらしい。どこで食べようか迷ったが、結局ここに。まー、定番の場所です。 | にしんそばはつゆの少ない蕎麦に焼いたニシンが乗ったシンプルなもの。旨からず不味からずといったところか。 |
江差からは海沿いをひたすら北上。途中、綺麗な地層の断崖を見たり、奇岩を見たりするが、特にこれといった見所も無く、淡々と走る感じだ。 途中からは時折小雨もパラツクあいにくの天気。本当に淡々と距離を伸ばした。途中、道の駅「よってけ島牧」で休憩。寒がりの伸二郎はホットコーヒーを頼んだら、温かい饅頭が着いてきた。饅頭は温かいことであんこの甘さが引き立ち、とても美味しかった。温かい饅頭っていいな。 |
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国道沿いにあった交通安全「まもる」ちゃん。周囲は雑草が沢山で、まもるちゃんがあまり守られていないような。。。 | 江差から少し北に国道を走ると海岸沿いに白い地層が見えてくる。館の岬という場所でちょっと面白い。 |
江差〜せたな町宮野までは穏やかな海岸線が続く。海が近くてなんだか和やかな雰囲気。 | 乙部町にある奇岩。ここからだと明らかに猿の顔をしてるように見えるんだけど、この岩の名前は。。。 |
親子熊岩なんだな。近づかんと分からんねー。 | 道の駅「よってけ島牧」で休憩。コーヒーを頼んだら、あったかい饅頭が着いてきた。寒かったのでとてもうれしかった。 |
道の駅を出てからはほとんど立ち止まることも無く、走り続ける。途中、弁慶岬で弁慶さんに挨拶をする。ずいぶん前に来たことがあるが、前と変わらぬ人気の無さだ。日本海側は人が少ないな〜。 寿都町を過ぎ、岩内町に入ると、道は急に険しくなる。断崖絶壁が多くなり、道は巨大な岩盤を貫くトンネルが多くなる。まったく、こんな岩盤を貫いて道路を作るなんて、北海道は豪快だぜ。、 |
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弁慶岬には弁慶さんの像が立つ。なんで弁慶かと言うのは諸説あるが不明みたいだ。 | 岩内町に入ると、道は険しくなり、トンネルが増える。それにしてもゴツイ岩盤くりぬき、トンネル作る北海道は凄いな。 |
岩内町の道の駅で小休止し、今日の宿泊地を考えていたが、明日の天気が悪いと知り、ホテルに泊まることにした。選んだのは初日に泊まったビジネスホテル「ニューバジェット札幌」。 岩内から札幌までは3時間ほどだった。案外遠かったな。風呂に入り、ちょっと休憩した後、初日のリベンジを果たすべく、ジンギスカンを食べに夜の町へ。またもや道に迷ってコンビニで聞く。そして初日と同じように親切に教えてもらう。いやー、北海道のコンビニってホントに良いとこだな〜。 今日の店はジンギスカンの名店「めんよう亭」。綺麗とは無縁の看板をくぐり、店内へ。店内には壁にびっしりとサインが並ぶ。客は伸二郎一人。驚くほど空いてるぜ。 元気なばあちゃんにカウンターに案内され、メニューを聞かれる。優柔不断児の伸二郎が言ったセリフはもちろん「おまかせします」。自己主張無し夫だぜ。 めんよう亭のお肉は金属の皿に豪快に盛られて出てきた。余計なお洒落は肉には不要だぜ。こんもり野菜が盛られた鉄板の上で厚みのある肉を焼く。肉はとてもジューシー。ラム特有の臭みが少しあるが、気にならないレベル。初日と異なり、ガツンと食べた気がして満足。 何よりも良かったのは店の雰囲気。おばちゃんの独特のマシンガントーク、昭和の香り漂う店内、なんだか落ち着く。値段も良心的(生ラム2人前+野菜+ソフトドリンク1杯で2000円)。人気があるのもうなずける。ジューシーなラム肉を食べたい人、飾らない雰囲気を楽しみたい人にはお勧めですぞ。 |
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今宵も札幌の街に繰り出し、ぶらりとする。 | 向かったのはそう、ジンギスカンの店。まー、初日のリベンジです。このいかにも小綺麗と無縁なところ、期待できる。 |
今回はちょっとした有名店。壁にずらりと並ぶサインはこの店が愛されてることを物語る。 | 肉はブロック?のような形で出てくるが、きちんと切ってある。この飾らなさもまた良いでないか。 |
肉厚の肉はジューシーで臭みも気にならないレベル。食べ応えが有り良い。野菜もたんまり。しかし、何よりも良かったのは店の雰囲気とおばちゃんの取り留めの無いトーク。良い夜が過ごせた。ありがと。 | |
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